朝食にはベーコン・ブロッコリー、そしてワイン

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かつて米国に38年間も生きてギネス長寿猫記録に認定された猫がいました。Creme Puff(1967-2005)は、テキサス州オースチンに住む Jake Perryさんの飼い猫でした。
当然のことながら、普通の猫の倍以上もの寿命を享受したCreme Puffの生活には、多くの人々の関心が集まったのです。
この猫の朝は、スクランブルエッグとターキーのベーコン、ブロッコリー少々、そして赤ワインを1日おきに1滴だけ飲むことから始まりました。夜は猫専用のホームシアターで映画鑑賞。Jakeさんのユニークな育て方は「猫に刺激的な環境を提供してあげたい」という愛情と創造性から生まれたものでした。伝統的な飼育法とはまったく違うものの、彼のやり方は多くの専門家や猫好きの関心を集めました。
誕生日にはツナのケーキでお祝いし、著名人からお祝いのメッセージをもらうこともありました。34歳の誕生日にはビル・クリントン元大統領からの手紙も届きました!
条件が整えば長寿も可能に

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Jakeさんはほかにも長寿猫を飼っていました。兄弟猫のGranpa Rex Allenは34歳まで生き、人々を驚かせたのです。
英国でもFlossieという名の猫は2024年時点で29歳でした。27歳のときに現役世界最高齢のギネス記録を達成しています。
猫がこれほど長生きするのはめずらしいことではありますが、特定の条件が整えば達成可能であることを改めて認識させてくれます。
生活習慣以外にも、長寿のために重要なポイントがあります。英国で行われた研究によると、不妊手術を受けた猫は一般的に長生きで、メスは平均12.5歳、オスは11.1歳でした。さらに雑種猫は純血種よりも約1年ほど長生きをする傾向があることもわかっています。遺伝的多様性が長生きの要因の1つだといえます。
愛情を注いで楽しませることが大切

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さらに英国・米国・オーストラリアの研究によると、軽度の肥満状態はむしろ健康によいことが示唆されています。「Journal of Feline Medicine and Surgery」誌では、「やや太目の猫」は健康を維持しやすいというのです。一方で、過度の肥満は依然として有害です。
Jakeさんの飼育方法は現代の基準ではかなり型破りなものでしたが、「たっぷり愛情を注ぎ環境整備に努力した結果、愛猫の寿命を延ばすことができた」という事実は、猫の健康についてわたしたちにあらためて問題提起をしてくれます。
すべての飼い主がJakeさんのやり方を真似できるわけではありませんが、愛情を注ぎ注意を向け、猫を楽しませて精神的な刺激を与えるという態度は、飼い主が大切にすべき理念に違いありませんね。