猫の平均寿命はどれくらい?

猫の平均寿命は毎年調査されており、最新の2024年の時点では、室内飼いの猫は平均寿命16.34歳、外に出る猫の平均寿命は14.24歳。平均すると15.92歳という結果になっています。
過去と比べ、寿命が延びてきている背景には、次の3つが考えられます。
- 室内飼育の普及
- 獣医療の進歩
- キャットフードの栄養バランス改善
室内飼いと外飼いで寿命の差があるように、外に出ることで交通事故やケンカによる感染症のリスクを避けるだけでも寿命は変わってきます。
また、ペットフードメーカーにより猫用飼料の研究が進み、比較的簡単に猫に合わせたフードが入手できるようになったことも大きいでしょう。
これには、並行して獣医療の進歩も大きく影響しています。病気の診断や治療、予防の研究が進み、それにあわせて猫の栄養学も発展してきたためです。
猫種による寿命の違い

猫種別平均寿命では、日本猫や混血猫が15歳前後とやや長めです。アビシニアンやラグドールなど多くの純血種は13〜14歳台に集中しており、メイン・クーンやサイベリアンはやや短めの傾向です。さらに、ミヌエットのように平均寿命が10歳前後と短い猫種もあります。
寿命が比較的長い日本猫や混血猫には、もともと野良だった保護猫が多く含まれていると考えられます。いろいろな血が混ざることで特定の遺伝病を引き継がないことや、厳しい環境を生き抜ける個体が繁殖することも、長生きの要因のひとつになるでしょう。
逆に純血種の中には寿命が短い傾向にある種類もあり、これらは一部のブリーダーによる近親交配によって遺伝病を引き継ぎやすいことや、短頭(鼻ぺちゃ)などの猫種特有の体型が寿命に関係していると考えられています。
ただし、平均寿命の数値は、調査対象となる個体の総数や、極端に長生きした猫、逆に早く亡くなった猫の影響を受けることがあります。そのため、寿命には個体差があることを忘れないようにしましょう。
猫を長生きさせるための秘訣

猫の寿命は、生まれつきの免疫力や成長の過程で身につけた体力によって左右され、血統だけでなく個体差も大きく影響しています。かといって何も対策できないわけではありません。
どの猫にも共通して行える対策は、不妊手術や、室内飼いにして交通事故や感染症、ほかの猫とのケンカなどの危険から守ること。そして、日々の食事、飲水量、適度な運動によって栄養と水分の不足を防ぎ、適正体重を守ることです。
これらは、猫を長く飼っているうちに飼育方法が次第に自己流になってしまったり、人間の都合などで「仕方ない」「まぁいいか」と後回しになりやすい部分です。
中でも年に一度の健康診断やワクチンは、飼い主の事情によって省略してしまいがちです。特に短命傾向のある猫種は心臓や関節、呼吸器などの弱点について、意識的に獣医師に相談しておくと安心です。
もちろん、家の中では、温度差や落ち着ける環境かどうかなど、不要なストレスを避けることが重要です。飼い主とのコミュニケーションは、ストレス軽減につながりますので、良い信頼関係を築くことは猫の寿命にとっても大切です。
まとめ

愛猫に長生きして欲しいのは飼い主さん共通の願い。猫の平均寿命と猫種による差を知ると、適切なケアへの意識が高まりますね。
室温や騒音など生活環境は快適かどうか、食事は年齢や体重に合う適切なものか、遊ぶ時間を十分持てているか、今年は健康診断に行ったかどうかなどをチェックしつつ、できることから少しずつ整えるのがおすすめです。
そして、気になる異常があったときには、気負いせずに動物病院で見てもらうようにしましょう。ほんのささいな変化で大きな病気が発覚することもあります。
日中、猫はお留守番という家庭でも、これを機に休みの日などに猫の生活を見直してみてください。