猫には不可欠な『タウリン』ってどんなもの?働きや摂取法、不足した場合のトラブルなどを解説

猫には不可欠な『タウリン』ってどんなもの?働きや摂取法、不足した場合のトラブルなどを解説

猫を守るうえで欠かせない栄養素のひとつが「タウリン」です。今回は、猫にとってタウリンがどんな役割を果たしているのか、詳しく解説します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

タウリンの概要

猫とキャットフード

まずは「タウリン」がどのような成分なのかを整理しましょう。タウリンとは、猫の体に欠かせないアミノ酸のひとつです。魚介類や肉類などに多く含有されています。

人間や犬は体内である程度つくることができますが、猫はほとんど合成できません。そのため、猫は食事からタウリンを取り入れる必要があります。

タウリンの働き

猫とキャットフード

前述した通り、タウリンは猫にとって必要不可欠な栄養素。その主な働きは下記となります。

  • 網膜の成長や目の健康維持
  • 心臓が正常に収縮拡張できるように作用。
  • 肝臓の解毒作用を助けたり、脂肪の消化に必要な胆汁酸の合成をサポート。
  • 子猫の発育や猫の繁殖機能の維持に必要。
  • 血圧の安定
  • インスリン分泌の調整

タウリンは猫の体の様々な器官に作用します。つまり、タウリンは猫の健康を支える基盤となる栄養素です。

タウリンの摂取方法

キャットフード

上記でも述べたように、犬や人間は体の中でタウリンを作ることができますが、猫はそれができません。そのため、食事から定期的に取り入れる必要があります。

タウリンは、マグロやカツオといった魚、鶏もも肉などのお肉に多く含まれています。しかし、必ずしもそうした食材を用意する必要があるわけではありません。現在では、猫の栄養と健康に配慮したキャットフードがたくさん流通しています。

市販のキャットフードでも「総合栄養食」と書かれているものには、タウリンがしっかり添加されていることが多いため、毎日の食事から簡単にタウリンの必要量を補うことができます。総合栄養食は猫の食事の基本となるご飯を用意するときは、特に理由がない限り総合栄養食を選ぶことをおすすめします。

猫がタウリン不足になると起きる症状

ご飯を食べている猫

万が一、猫がタウリン不足になると下記のような症状が発生します。

  • 視力の低下:網膜が弱まり、進行すると失明につながることがあります。
  • 心臓病のリスク:心臓の働きが落ちる「拡張型心筋症」などを引き起こすことがあります。
  • 繁殖への悪影響:生殖機能が低下し、繁殖に支障が出ることがあります。
  • 発育や免疫への悪影響:子猫の成長不良や、神経免疫機能の低下につながることもあります。

一方で、タウリンは摂りすぎても余分な分は尿として体の外に排出されます。そのため通常の食事やサプリメントからタウリンの過剰摂取になることはほとんどありません。総合栄養食できちんと必要最低量は摂取できるよう心がけましょう。

まとめ

猫とキャットフード

タウリンは、猫にとって欠かせない栄養素。人間や犬と違い、猫は体の中でタウリンを十分に作ることができないため、毎日の食事からしっかり補うことが大切です。

総合栄養食のキャットフードを選んでいれば基本的に不足の心配はありませんが、もし手作り食やおやつが多い場合は注意が必要。タウリンが不足すると深刻なトラブルにつながることもあるため、タウリンの含有量には気を配りましょう。心配な場合は、獣医師に相談すると安心です。

愛猫が元気に過ごせるよう、今回の記事を参考にタウリンを意識した食事を心がけてみてください。

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