猫を疲れさせる「悪い飼育環境」とは?

1.狭すぎて動けない部屋
猫は本来、広い縄張りを移動する習性があります。室内が狭く、キャットタワーや飛び乗れる棚もない状態であれば、体を思い切り動かすことができず、ストレスがたまってしまいます。
身体を伸ばす機会が少ないと筋肉がこわばり、気分まで沈んでしまいます。猫にとっても動けない環境とは「ぐったりする」大きな原因になります。
2.刺激がなさすぎる空間
安全な室内飼いは猫にとって安心できる環境ですが、刺激がなければ退屈というストレスにつながります。
外を眺める窓がなかったり、おもちゃや飼い主との遊びが少なかったりすると、次第に無気力になってしまうこともあります。
何も変化がない生活では「もう動きたくない」と感じてしまい、次第に必要以上に寝てばかりで過ごすこともあるでしょう。
猫も好奇心を持つ生き物なので、視覚や聴覚を刺激する工夫が欠かせません。
3.落ち着ける場所がない
猫は「安心して隠れられる場所」がないと不安を抱えてしまいます。
たとえば人がよく行き来する場所や音が気になるようなところでは、周囲が気になって休むことができません。
そして、猫の警戒心が強まった時に逃げ込む場所がないと、緊張が続き体力を消耗してしまいます。
人でもリラックスできるスペースがないと落ち着かないのと同じように、猫にとって、押し入れや箱の中のような「誰にも邪魔されない空間」は心を守るシェルターになります。隠れ家がないと慢性的にストレスを感じ、結果的に元気がなくなってしまいます。
4.生活音や匂いが強すぎる
猫は人よりも音や匂いに敏感です。テレビの大音量や掃除機の長時間使用、香水やタバコ、芳香剤等の強い匂いは、飼い主が気づかないうちに猫を追い詰めます。
常に耳や鼻に刺激が入ると、休息が取れず疲労が蓄積される悪い環境になってしまいます。
静かさや自然とリラックスできる空気感は、猫の居心地の良い暮らしや健康を守るためにとても大切です。
猫がストレスをためない部屋作り

猫が快適に過ごせるようにするためには「動ける」「隠れられる」「安心できる」この3つを意識すると良いでしょう。
窓辺にキャットタワーを置けば外の景色を楽しめますし、ダンボールを用意すれば簡単な隠れ家になります。
遊び道具も高価なものは必要ありません。丸めた紙や紙袋など、ちょっとした工夫をしておもちゃを作っても、猫にとっては新しく刺激的な時間をつくることができます。
大切なのは、猫が「自分の意思で動ける余地」を持っているかどうかです。強制的にかまうのではなく、選択肢を与えることが、猫の安心感につながります。
まとめ

猫をぐったりと疲れさせてしまう悪い飼育環境には、「狭すぎる空間」「刺激不足」「安心できる場所の欠如」「音や匂いの過剰」といった4つの特徴があります。どれも飼い主が工夫すればすぐに改善できるものばかりです。
猫は人と同じように、暮らす場所に居心地の良さや安心感を求めています。暮らしの中で「もし自分が猫のようにこの部屋で過ごすとしたら快適だろうか」と想像してみることが、愛猫の幸せを守る第一歩になるでしょう。