猫が嫌がる『キライな色』3選と理由 猫のいる空間では使わないほうがいい?

猫が嫌がる『キライな色』3選と理由 猫のいる空間では使わないほうがいい?

猫は人と同じ景色を見ているようで、実はまったく違う色の世界で暮らしています。そんな猫にとって個体差はありますが、「落ち着ける色」と「苦手な色」があるのをご存じでしょうか。何気なく選んだインテリアの色が、愛猫のストレスにつながっているかもしれません。この記事では、猫が嫌う色とその理由、安心できる色の選び方を紹介しています。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

猫は色をどう見ているのか

首を傾げる猫

私たち人と猫では、見えている世界の色が大きく異なります。

人は赤・青・緑の3色を見分けられますが、猫は青と緑を中心に認識する『2色型色覚』です。

つまり赤やピンクは、猫にとってはグレーや茶色に近い地味な色に映っています。人から見る鮮やかな差し色も、猫の目ではくすんで見えるのです。

この特徴を踏まえると、猫が落ち着ける色や逆に不快に感じる色の理由も理解しやすくなります。

猫が嫌がる『キライな色』3選

見つめる猫

1.真っ黒

黒はシックでおしゃれな色ですが、猫にとっては「警戒心を強める色」となることがあります。

暗闇と同じように映るため、視界の中で「何か潜んでいるのでは?」と警戒しやすいです。

たとえば真っ黒なキャリーケースや家具に対して、猫が近寄らずに距離を取ることがあります。黒一色の部屋では、猫がリラックスしにくい雰囲気になる場合もあるでしょう。

2.真っ赤

人間にとって情熱的で元気をもらえる赤も、猫にとっては強い刺激になると言われています。

猫の目では赤は鮮やかに映らず、暗いグレーや茶色に近い色合いに見えます。それでも「濃く目立つ存在」として映るため、違和感や威圧感につながるのです。

実際に、赤いクッションやおもちゃを出すと猫が避けるケースも報告されています。狭い空間で赤いアイテムを多用すると、落ち着けない環境になりやすいので注意が必要です。

3.黄色に近い強い色合い

黄色そのものを猫が完全に嫌うわけではありません。強烈で目立つ黄色は「警戒色」として働きやすい場合があります。

自然界ではハチやカエルなど、危険を知らせる生き物が鮮やかな黄色を持っています。猫の本能に刻まれた「近づかない方がいい」という感覚を呼び起こしてしまうため、不安を感じる原因になり得ます。

部屋全体を明るい黄色で統一すると、猫が落ち着けない環境になりかねません。

逆に猫が好む色は?

緑のクッションで寝る猫

嫌いな色がある一方で、猫が比較的安心しやすい色も存在します。

青や緑系の落ち着いた色合いは、猫の目に自然で心地よく映ります。人間にとっても森や海の色は癒しを与えてくれるように、猫にとってもリラックスの効果をもたらすのです。

寝床やブランケットをブルーやグリーンにすると、猫がよく眠ってくれるという声も少なくありません。

とくに青は「安全・静けさ」と結びつきやすく、生活空間に取り入れると安心感を与えるでしょう。

まとめ

茶猫

猫は人とは違う色覚を持ち、黒・赤・鮮やかな黄色といった強い色合いを苦手に感じやすい傾向があります。

「まったく使わない方がいい」というわけではありませんが、これらの色を多用すると、猫が落ち着かずストレスの原因になる可能性もあるのです。

一方で青や緑は安心できる色であり、暮らしの中に取り入れることで猫がリラックスしやすくなるかもしれません。

インテリアや愛用品の色を少し意識するだけで、猫にとって居心地のよい空間づくりにつながります。

大切な家族である愛猫のために「色の選び方」を見直してみるのも、思いやりのひとつになるでしょう。

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