猫の『自律神経失調症』とは?気になる症状や予防策、治療法などを解説

猫の『自律神経失調症』とは?気になる症状や予防策、治療法などを解説

猫にも「自律神経失調症」は起こりえます。その症状や、飼い主ができるストレスを減らすための予防策、具体的な治療法を解説していきます。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の「自律神経失調症」とは

椅子の上の猫

猫の自律神経失調症とは、自律神経のバランスが崩れ、心身に様々な不調が現れる状態を指します。

自律神経は、体を活動させる「交感神経」と体を休ませる「副交感神経」の2つから成り立っており、これらが互いにバランスを取りながら、心臓の動き、呼吸、消化、体温調節などを無意識のうちにコントロールしています。

しかし、なんらかの原因によってこのバランスが崩れてしまい、身体的な不調などがあらわれることがあります。

猫が「自律神経失調症」になる原因

隠れる猫

猫の自律神経失調症の主な原因はよくわかっていないのが現状ですが、猫にとっての「ストレス」も原因の一つとして考えられています。猫は環境の変化に敏感なため、以下のようなことがストレスとなります。

  • 環境の変化
  • コミュニケーション不足
  • 身体的な不調
  • 騒音や刺激

などです。

引越し、新しい家族(人間やペット)が加わる、家具の配置が変わるなど、慣れ親しんだ環境が変わることや、飼い主の留守が長い、かまってもらえない、逆に過剰なスキンシップを強制されるなど、飼い主との関係性が適切でない状態だと猫はストレスを感じてしまいます。

他にも、慢性的な痛み、病気、怪我など、身体的な不調がストレスとなり、自律神経のバランスを崩すことがあります。また、大きな音や見慣れない刺激も、猫にストレスを与える原因となるので控えるようにしましょう。

これらのストレスが蓄積されると、自律神経のバランスが崩れ、自律神経失調症へとつながる可能性があります。

猫が「自律神経失調症」になったときに出る症状と治療法

毛づくろいする猫

猫が自律神経失調症になると、様々な症状が表れます。身体的には、下痢や便秘、嘔吐、食欲不振、ドライアイ、徐脈などが見られることがあるようです。

基本的な治療としては、症状に対する対処療法がメインになってきます。 根本的な治療法は未だにありません。

「自律神経失調症」の予防と対策

キャットタワーに乗る猫

猫の自律神経失調症は、まだわかっていないことが多く根本的な治療法もわかっておりません。なので、飼い主さんができる最大の予防策はストレス要因を減らすことです。具体的には、猫が安心して過ごせる環境づくりを心がけましょう。

猫が隠れられる場所や、お気に入りの高い場所を確保し、騒音や急な来客を避ける配慮が必要です。また、飼い主との適切なコミュニケーションも大切です。

無理のないスキンシップや、猫の好奇心を満たすような遊びの時間を定期的に設けることで、ストレスを軽減できます。

さらに、定期的な健康チェックで身体的な不調を早期に発見することも、ストレス要因を減らすことにつながるでしょう。

まとめ

おもちゃで遊ぶ猫

猫の自律神経失調症は、まだよくわかっていない病気です。

猫の自律神経失調症は、まだよくわかっていない病気です。

なるべくストレスの原因を取り除き、安心できる環境を整えることで、症状を改善し、愛猫の心身の健康を保つことができるでしょう。

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