猫が「いびき」をかく5つの原因

1.リラックスしている状態
猫が深く眠っているとき、特に仰向けになっていたり、体を丸めていたりすると、喉や鼻の奥の組織がゆるみ、呼吸する際に振動して「いびき」をかくことがあります。
これは人間と同じように、筋肉が緩んで気道が狭くなるために起こる生理現象です。猫が安心しきって熟睡しているサインであり、他の異常な症状が見られなければ心配する必要はありません。
いびきが穏やかで規則正しければ、愛猫が心地よい環境でリラックスしている証拠と言えるでしょう。
2.短頭種特有の呼吸器構造
ペルシャ、ヒマラヤン、エキゾチックショートヘアなどの短頭種は、他の猫種に比べて鼻が低く、顔の骨格が平らです。
この特有の顔の構造が、鼻孔や喉の奥を狭くし、生まれつき気道が狭い傾向があると言われています。そのため、空気の通り道が十分に確保されず、呼吸するたびに摩擦音が生じやすくなるのです。
短頭種のいびきは日常的なもので、多少のいびきは生理現象の一部と考えられます。ですが、いびきが極端に大きい場合や、呼吸が苦しそうな場合は注意が必要でしょう。
3.肥満
猫が肥満になると、喉や気管の周りに脂肪が蓄積し、気道を圧迫することがあります。その結果、空気の通り道が狭くなり、呼吸するたびに振動が起こり、いびきにつながるのです。
肥満は、いびきだけでなく、糖尿病や関節炎などの健康リスクを高めるため、いびきが肥満によるものと考えられる場合は、食事の見直しや適度な運動を取り入れて、適切な体重管理をするようにしてください。
愛猫が肥満気味になってきたと感じたら、動物病院で獣医師に相談し専門的なアドバイスを受けるとよいでしょう。
4.異物が詰まっている
猫の鼻や喉に異物が詰まっている場合、空気の流れが妨げられ、いびきの原因になることがあります。
これは、おもちゃの小さな部品や、植物の破片、毛玉などが誤って吸い込まれたり、飲み込まれたりすることで起こるものです。
異物が原因の場合、猫は苦しそうに呼吸をしたり、開口呼吸をしたり、咳をしたりすることがあります。
このような症状が見られる場合は、緊急性が高いため、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。無理に異物を取り除こうとすると、かえって危険な場合があります。
5.呼吸器系の病気
猫が呼吸器系の病気にかかっている場合も、いびきをかくことがあります。例えば、鼻炎、気管支炎、肺炎、アレルギーなどが考えられるでしょう。
これらの病気は、気道に炎症を引き起こしたり、分泌物がたまったりすることで、空気の通り道を狭くします。
病気が原因の場合、いびきの他にも、くしゃみ、鼻水、咳、食欲不振、元気がないなどの症状を伴うことが多く、早期発見と適切な治療が重要です。症状が続く場合は、速やかに獣医師の診断を受けるようにしましょう。
注意すべき病気のサイン

猫のいびきに加えて、以下のような症状が見られる場合は、病気のサインである可能性が高く、注意が必要です。
まず、いびきの音量が急に大きくなったり、頻繁になったり、今までいびきをかかなかった猫が急にいびきをかくようになった場合です。
次に、いびきと同時に開口呼吸をしたり、呼吸が苦しそうだったり、舌が紫色に変色するチアノーゼが見られる場合、これは緊急性が高い状態だといえるでしょう。
また、食欲不振、元気がない、咳や鼻水、くしゃみなどの他の症状を伴う場合も、病気の可能性を疑い、すぐに動物病院に相談してください。
まとめ

猫のいびきは、リラックスしている状態や短頭種の特性によるものなど、生理的な現象である場合が多いです。
しかし、中には肥満、異物の詰まり、そして呼吸器系の病気が原因となっている場合もあります。
飼い主は、日頃から愛猫のいびきを注意深く観察し、いびきの変化や、呼吸が苦しそう、咳、食欲不振といった異常なサインが見られた場合は、すぐに動物病院で獣医師の診断を受けることが大切です。