猫の困った『噛み癖』をやめさせるための方法3選 そもそもなぜ口が出やすいの?

猫の困った『噛み癖』をやめさせるための方法3選 そもそもなぜ口が出やすいの?

「何もしていないのに物陰から飛び出してきて突然噛まれる」「撫でていると急に攻撃してくる」と、愛猫の噛み癖に悩んでいる飼い主さんは少なくありません。猫に触れるのが怖くなってしまうような噛み癖ですが改善は可能です。この記事では、猫の噛み癖の原因から改善方法を紹介します。すべての猫が即座に改善するとは限りませんが効果的な方法です。ぜひ参考にしてください。

なぜ猫は噛むの?噛み癖の原因とは

女性のヒジを噛む猫

猫の噛み癖対策には、まず「なぜ愛猫が噛むのか」を理解することがポイントです。猫が噛むのには必ず理由があります。

本能的な行動

最も多いのは狩猟本能による噛み癖です。猫は狩猟動物なので、動くものを見ると本能的に捕獲しようとします。猫のおもちゃはこの本能を利用したものですが、飼い主の手足であっても動いているとつい「狩り」の疑似行動をしてしまうのです。

また、子猫は3ヵ月以上になると、永久歯へ生え変わるため、このころから噛み癖がついてしまうケースがあります。歯がかゆくて噛むだけですが、そのときに遊び感覚で楽しい経験をすると、噛むのが癖になってしまう恐れがあります。

遊びや愛情表現

次に多いのが遊び噛みです。特に子猫は兄弟猫と遊ぶ中で狩猟技術を学ぶため、覚えた遊び方を飼い主相手にもやってしまうのです。

また、愛情表現の一種の「甘噛み」はあまり痛くありませんが、中には注目を引きたい時にわざと噛んで飼い主の気を引こうとするケースもあります。

多くの場合、これが噛み癖の原因です。子猫のうちに治さないと成猫になっても続く場合があります。

勝てる相手・安心な相手

頭部は急所となるため、猫は恐怖を感じる相手には、相当追い詰められるまでは距離を保てるよう鋭い爪を使って防御します。決して口(頭部)を近づけません。

猫が自分の方から噛むのは、戦って勝てる相手、あるいは信頼している相手に限られます。つまり、愛猫は飼い主さんを安心な相手と認識している上で、口を使った行動を見せているのです。

噛み癖をやめさせる効果的な方法3選

けりぐるみを噛む猫

猫の噛み癖を治すためには、その瞬間にやめさせることと、継続的に噛ませないことを教えるのが基本です。根気よく教える必要があります。

ただし、手で払ったり大きな声を出したりするのは逆効果です。これらの行動は猫をさらに興奮させてしまう可能性があるからです。

愛猫の噛み癖をやめさせるために、次の方法を試してみてください。

1.噛まれたときの正しい対応

噛まれた瞬間、思わず「イタッ!」と言ってしまいそうですが、できるだけすぐに黙ってその場から立ち去るのが最も効果的です。声を出したり、手で払ったりすると、猫にとっては「噛むと反応する!」と思い、噛むことが楽しくなってしまうためです。

遊んでいるときに噛まれたら、その場で遊びを中断して部屋から出ます。猫が相手を噛むと楽しい時間が終わってしまうと学習するまで、この対応を一貫して続けることが重要です。また、猫が興奮しているときには、その時点で一旦距離を置いて猫を落ち着かせましょう。

これらを根気よく続ければ、多くの猫は数週間から数ヶ月で噛み癖が改善されます。

2.おもちゃを使って遊ぶ

遊びで猫の狩猟本能を満たすことは、運動不足やストレスの解消などにも重要です。

ふだん猫が近くにきたときには、わざわざおもちゃを使うようなことをせず、手などで遊んでしまう人もいるかもしれません。しかし、噛み癖がある猫には、人の手足を噛んではいけないことを教える必要があるため、おもちゃの使用が必須です。

また、遊びの終わり方も大切です。急に遊びをやめるのではなく、徐々におもちゃの動きを遅くして、最終的に猫は捕まえたところで完全に止めます。猫の興奮を徐々に鎮めることができます。

おもちゃを使って遊ぶことで猫のエネルギーを適切に発散させ、「噛みつく対象」をおもちゃに移行することで、噛み癖の大幅な改善が期待できます。

3.ポジティブトレーニング

ポジティブトレーニングは、猫のよい行動を褒め、望ましい行動を増やす訓練方法です。猫の噛み癖は本能による自然な行動のため、単に禁止するのではなく、よい行動を褒めていくことがポイントになります。

たとえば、手を近づけても噛まなかったときや、遊びにおもちゃを使ったときなど、噛んだり爪を立てたりせずに済んだときなどに「いい子ね」と褒めながら、ご褒美を与えます。

「噛んだら無視」と「褒める」を繰り返すことで、「この行動をすればよいことが起きる」と学習するので、猫の本能を満たしつつ行動が改善されていきます。

罰や叱責をせず褒める方法は猫との信頼関係も深め、根気よく続けることで噛み癖も徐々になおっていくでしょう。

まとめ

手首に噛みつく猫

ふだん仲良くしている猫が噛むのは、少なくともいまの生活や飼い主さんに対してリラックスできている証拠でもあります。噛み癖は今すぐには改善できませんが、原因を理解して、適切な対処法を継続することで必ず改善します。

猫の不都合な行動に対して、罰を与えることは、単に恐怖心を利用して制御しているだけで、長期的にみると効果がないことがわかっています。ポジティブなトレーニングを繰り返し、猫が自然によい行動を選べるようになる方が、猫にとっても飼い主さんにとってもメリットが大きいでしょう。

ただし、あまりにもしつこく噛んだり、血が出るほど強く噛みついたりするなど、攻撃性が強い場合は、かかりつけの獣医師や動物行動学の専門家に相談するようにしましょう。

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