1.抱っこやスキンシップを強要する

猫は気まぐれで自分のペースを大切にする動物です。飼い主が可愛さあまりに「いま抱っこしたい」と思っても、猫が望んでいなければ大きなストレスになります。
無理に抱っこしたり撫で回したりする行為は、猫にとって「支配されている」と感じる原因にもなる可能性が。逃げ場がないと心を閉ざすこともあるため、適切なタイミングを見極める必要があるでしょう。
嫌がっているサインとして、しっぽをパタパタさせる、耳を伏せる、体をよじるなどが挙げられます。猫が自ら近づいてきたときにスキンシップを取ることが信頼関係を深める近道です。
2.大きな声や音で驚かせる

猫は聴覚がとても鋭く、人間の約3倍以上の高音域を感じ取れます。そのため、大声を出したり、物を乱暴に置いたりする音は、猫にとって恐怖以外の何物でもありません。
まるで怒鳴るような声かけや、急に大きな音を立てることは、猫にとって「外敵の脅威」と同じように受け止められることがあります。猫にとって安心して暮らせない環境となり、隠れて出てこなくなる、食欲が落ちるなどの問題行動にもつながる可能性があるため注意が必要です。
猫と暮らす際は、できるだけ静かに優しいトーンで接しましょう。
3.生活リズムを乱す

猫はルーティンや規則正しい生活を好む動物です。急にごはんの時間がバラバラになる、夜中に電気をつけたり騒いだりする、といった飼い主の行動は猫のストレス源になります。
特に食事やトイレ掃除のタイミングは重要で、不規則になると猫は不安を感じ、吐き戻しや粗相といった行動につながることもあるほど。また、飼い主の都合で睡眠を妨げられるのは体調不良の要因にもなります。
猫の体内時計は飼い主の生活に影響されやすいため、できるだけ安定した生活リズムを心がけることが、猫の健康を守る第一歩です。
4.匂いや環境への配慮不足

強い香水、消臭スプレー、タバコの煙などは、猫にとって刺激が強すぎて不快感を与えます。さらに、家具の配置を頻繁に変える、急に模様替えをするなど、環境を大きく変えることもストレスの原因になってしまうのです。
縄張り意識の強い猫にとって、匂いや環境の変化は「自分の居場所が奪われた」と感じさせる要因になります。不安感や警戒心を強めたり、精神的な不調から問題行動を引き起こす可能性が高まるのです。
猫と暮らす家では、無香料や低刺激の製品を使う、猫のテリトリーは極力変えない、といった工夫が必要です。
5.体調不良やサインを無視する

猫は痛みや弱みを隠す動物のため、少しの異変が見られたときはすでに体調が悪化していることも多いです。たとえば、急に食欲が落ちる、隠れる時間が増える、トイレの様子が変わるなどはSOSのサインとしてよく見られます。
飼い主が「いつものこと」と軽視すると、病気を見逃してしまう可能性があり、気づいた時には治療が困難になってしまうことも。
猫の小さな変化を毎日観察し、少しでも異変を感じたら早めに動物病院に相談することが大切です。これが猫にとって安心できる環境づくりにもつながります。
まとめ

猫は言葉を話さない分、行動や表情、仕草で気持ちを伝えています。しかし、飼い主がそれに気づかず「ダメな行動」を続けてしまうと、猫は我慢しながら暮らさなくてはならなくなります。
強引なスキンシップや大きな音、生活リズムの乱れ、匂いの刺激、体調サインの無視は、猫にとって大きなストレスをもたらす原因なのです。過度のストレスは猫の健康を害することもあります。
猫のポーカーフェイスの裏にある本音を理解し、ささいなサインをしっかり受け止めてあげましょう。それが猫にとっても飼い主にとっても幸せな共生の第一歩です。