1.猫の恋

まるで小説のタイトルのような言葉「猫の恋」。これは、春先に異性を求めて鳴く猫の声からうまれた言葉で、実は初春の季語だそうです。
意味は、浮かれた恋心を表したり、激しい欲望を制圧される気持ちを表現するときに用いられます。
2.猫またぎ
「猫またぎ」とは、猫でも食べずにまたいで通り過ぎてしまうほど、味の悪い魚、価値のない魚を指します。
本来は魚が大好きな猫でさえ、目もくれないという意味なので、全く魅力がないものを表現している言葉で置き換えると、「価値のない人」「選ばれない人」というマイナスな言葉です。
3.猫を追うより魚をのけよ

これは魚を盗もうとする猫を追いかけるよりも、猫が届かない場所に魚を移動させたり隠したりする方が、解決策として正解という意味の言葉です。
目先のトラブル解決に慌てるのではなく、抜本的対策を行い、効率化を図るという意味です。
4.猫は三年の恩を三日で忘れる
これは猫のドライな性格や、犬と比べてしつけがしにくいという印象から生まれた慣用句です。
実際には、猫は飼い主のことを忘れない傾向があるものの、犬との対比で使われたものと推測されます。対比の言葉として「犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ」があります。
5.猫に鰹節

「猫に小判」はよく耳にしますが、「猫に鰹節」ということわざもあります。意味は、猫の大好物である鰹節をそばに置くその状況から連想させるもの。
いつ横取りされてもおかしくない油断のならない状況や、危険な状況を意味します。
6.Il gatto scottato ha paura anche dell’acqua fredda(やけどした猫は冷たい水も怖がる/イタリア語)
猫は、一度体験した嫌な思いをあまり忘れません。この言葉は、そんな猫の習性を上手に分かりやすく表現したものです。
一度痛い目に遭うと、必要以上に警戒するようになることを意味しています。同じ意味のフランス語にChat échaudé craint l’eau froide(熱湯を浴びた猫は冷たい水も恐れる)もあります。
7.Gato con guantes no caza ratones(手袋をした猫はネズミを捕まえられない/スペイン語)

西洋文化における手袋とは、礼儀や上品さを表すものです。それを「手袋をした猫はネズミを捕まえられない」と例える意味は、礼儀を正しすぎたり、格好を気にしすぎると成功できないという内容です。
目標を達成するために、人の目を気にしていられないという解釈もでき、常識や形式にとらわれない手段が時に必要であるといいたい言葉です。
8.When the cat’s away, the mice will play(猫がいないとネズミが遊ぶ/英語)
日本では、江戸時代にねずみ避けとして猫を飼う習慣が広がりました。このように海外でも、猫はネズミ避けになるという印象が強いのでしょう。
そんな状況を活字に込めた「猫がいないとネズミが遊ぶ」という言葉は、監視する人がいないと、自由にしてしまうという意味があります。
9.Like herding cats(猫を群れさせるようなもの/英語)

猫がたくさんいる光景を思い浮かべてみてください。おそらく、それぞれが気の向くままに行動しているのではないでしょうか?
「猫を群れさせるようなもの」は、収集がつかず、まとめるのが極めて困難な状況を表現した英語。言葉とイメージが直結する、分かりやすい表現ですね。
10.Die Katze im Sack kaufen(袋の中の猫を買う/ドイツ語)
これは、袋の中が猫であることを確認しないまま、物を買ってしまうことを表現した言葉。意味は、「中身を確かめずに買う」ことで、簡単に言うとだまされることです。
猫好きさんは「カワイイ」と思ってしまうような表現ですが、詳細を確認せずに決断することを指します。
まとめ

記事では、誰もが知っている有名な言葉以外のものをチョイスしましたが、メジャーな言葉もおさらいしておきましょう。
価値がわからない相手には宝も無駄という意味の「猫に小判」、忙しくて誰でもいいから手伝って欲しいものの例えは「猫の手も借りたい」、本性を隠して大人しく見せる「猫をかぶる」、とても狭いことを表現した「猫の額ほど」、誰もいなく静まり返っている様子を「猫の子一匹いない」などがあります。
どれも猫の習性や体の特徴などを表現した言葉ばかりですね。ただし、現代の猫は昔と違って、飼い主より上の存在として大切にされることが多いので、もしかしたら今後、新しい視点の「新語」が生まれるかもしれませんね。