猫に『またたび』をあげて本当に大丈夫?与える際に守るべき4つの注意点

猫に『またたび』をあげて本当に大丈夫?与える際に守るべき4つの注意点

ことわざになるくらい、猫が大好きといわれているまたたび。そもそもどんなもので、本当に猫に与えてもいいのでしょうか。今回は、またたびが猫に与える影響や、あげる際に気を付けるべき点について解説していきます。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

「またたび」とは?

またたびの実

またたびは、マタタビ科マタタビ属に属する落葉つる性植物です。
北海道から九州まで日本各地の山間部に自生しており、昔から漢方薬としても利用されてきました。

猫がまたたびに反応するのは、「マタタビラクトン」や「アクチニジン」、「β-フェニルエチルアルコール」といった成分が含まれているからだといわれています。

個体差はありますが、これらが猫の嗅覚を通じて神経に作用し、ゴロゴロ転がったり、よだれをたらしたりと、まるで酔っぱらったような姿を見せます。

最近では、「ネペタラクトール」という成分にも反応していることが判明。ネペタラクトールには、蚊を避ける効果があり、体にこすりつけることで蚊から身を守っているという研究結果が示されました。

またたびを与えるときの注意点4つ

またたびにじゃれる

1.与えすぎはNG

またたびは、人間にとってのお酒やタバコと似ていて、いわば「嗜好品」のようなもの。
喜ぶからといって頻繁に与えると、嘔吐や下痢をしたり、興奮しすぎて攻撃的になったりといった症状が出る可能性があります。
まずはにおいを嗅がせる程度にして、少しずつ与えると良いでしょう。

2.子猫や高齢猫には控える

またたびの刺激は、成長途中や体力の落ちている猫にとって負担になることがあります。
生後6か月未満の子猫や、シニア期(11歳前後)に入った高齢猫、持病(腎臓病や心臓病など)のある猫は避けた方が安全です。
どうしてもという場合は、少量から試したり、獣医師に相談したりすることがおすすめです。

3.粉末・スプレーは特に注意

市販のまたたび製品には、粉末やスプレー、枝・木の実など、色々なタイプがあります。粉末タイプは、フードにかけると食欲が増すことがありますが、刺激が強いため、要注意。

一方で枝は、過剰摂取の心配が少なく、かじったりスリスリしたりと、おもちゃやストレス解消のグッズとしても使えます。ただし、実を丸呑みした場合、腸に詰まらせてしまう可能性もありますので注意が必要です。年齢や個体差に応じて使い分けましょう。

4.ご褒美・リフレッシュ用として活用を

またたびは、おやつや栄養補助食品ではなく、ご褒美やストレス解消のためのグッズと考えましょう。
またたびに依存性はないといわれていますが、与えすぎると効果が薄れることもあります。
爪切りを頑張った後のご褒美や、運動不足解消のきっかけにしたいときなど、場面に応じて上手に使い分けることが大切です。

まとめ

撫でられる猫

猫にとってまたたびは、魅力的で楽しいアイテム。でも「安全に」「ほどほどに」が大切です。
少量で楽しむ、子猫や高齢の猫などには控える、ご褒美や気分転換に活用―といった点に注意しながら与えましょう。

上手に使えば、食欲不振や運動不足、ストレスといった問題を解消する手助けをしてくれるアイテムになるでしょう。

「うちの子はどんな反応をするかな?」と観察しながら、猫の個性に合わせて活用してみてくださいね。猫がゴロゴロと気持ちよさそうにしている姿は、飼い主にとっても癒やしになるはずです。

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