かぎしっぽの猫が縁起物とされる理由

かぎしっぽの猫は、その独特な姿から古くから「幸運を招く猫」として親しまれてきました。しっぽが途中で折れていたり、くるっと曲がっている様子が「福を引っかけて逃がさない」と考えられたのです。
日本ではとくに、家に幸せを運んでくれる存在として愛されてきました。実際、昔の人々は不思議な特徴を持つ動物に特別な力を感じる傾向が強く、かぎしっぽもその一つとされたのでしょう。
また、海外でも似たような言い伝えがあり、たとえばヨーロッパでは「財産や幸運を守る猫」と信じられていた記録が残っています。見た目が少し変わっているだけで「特別な存在」と感じるのは、人間が自然に持つ心理とも言えるでしょう。
かぎしっぽは病気やケガではない?

かぎしっぽを見ると「痛そう」「骨折なのでは?」と心配する人もいるかもしれません。けれども、ほとんどの場合は生まれつきの骨格の特徴です。
人でたとえるなら「生まれつき耳の形が少し違う」ようなものに近いです。猫自身にとっては違和感もなく、健康上の問題が起きるケースは少ないとされています。
ただし、しっぽの骨格は猫ごとに差があるため、稀に神経や筋肉に影響する場合もゼロではありません。
もし、しっぽを触られるのを極端に嫌がったり、動かしづらそうにしているなら動物病院で相談してみると安心です。
大半のかぎしっぽは体への影響は考えられず「その子らしい個性」として受け止められます。
猫のしっぽが折れてしまう原因

一方で、すべての「曲がったしっぽ」が生まれつきではないことも覚えておきたいポイントです。
猫のしっぽはとても繊細な骨の連なりでできています。そのため、高い所から落ちた場合やドアに挟まれたり、人に踏まれてしまったりするケースでは、強い力が加わると脱臼や骨折をしてしまいます。
しっぽは猫にとってバランスを取る大切な役割を持つため、怪我をすると歩き方に影響が出ることもあります。
外で暮らす猫は特にリスクが高く、交通事故やケンカでしっぽを痛めることも少なくありません。
飼い猫の場合は、家の中での思わぬ事故に注意してあげることが予防につながります。ドアを閉めるときに猫のしっぽが近くにないか確認する、といった小さな配慮で守れることも多いのです。
まとめ

かぎしっぽの猫は、古くから「幸せを招く存在」として人々に愛されてきました。その理由は、しっぽの形が福を引き寄せると信じられていたからです。
多くの場合、生まれつきの特徴で健康に問題はありませんが、後天的にしっぽが曲がってしまうケースもあるため注意が必要です。
猫のしっぽは身体の一部であり、大切な個性でもあります。もともと少し曲がっていても、それは「その子にしかない魅力」といえます。
縁起の良さと同時に、愛猫らしさを受け入れてあげることが、猫も人も幸せに暮らす秘訣になるでしょう。