猫に『ワクチン接種』をしたほうがいい3つの理由 種類や頻度についても解説

猫に『ワクチン接種』をしたほうがいい3つの理由 種類や頻度についても解説

猫の健康を維持するために、ワクチン接種はとても大切です。今回は、ワクチン接種するメリットやおすすめの種類、頻度について解説します。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

1.感染症の予防

子猫に注射を打つ獣医

生まれたての子猫は、母乳に含まれる抗体によって免疫が保たれています。しかし、効果は2~3ヵ月程度で消えてしまうため、そのあとは定期的なワクチン接種で病気を防ぐことが大切です。

ワクチン接種では「パルボウイルス感染症」「カリシウイルス感染症」「ヘルペスウイルス感染症」などの予防が可能ですが、ワクチンの種類によっては、さらに多くの感染症予防をすることもできます。なかには命を落とす可能性のある感染症もあるため、ワクチン接種は欠かせないといえるでしょう。

ちなみに、室内猫だからといって感染症にならないということはありません。飼い主さんの衣類や持ち物にウイルスが付着して、猫にうつしてしまう場合があるのです。もし感染して発症した場合も、ワクチン接種をしていれば症状が軽く済むこともメリットです。

2.健診の習慣がつく

診察を受ける猫

多くの猫は、動物病院に苦手意識があると思います。キャリーを出しただけで家中を大暴れする猫も少なくないことでしょう。そんな愛猫の姿に耐えられず、動物病院から足が遠のいていないでしょうか。

定期的にワクチン接種を受けていれば、ついでに健康状態を診察することも可能です。健診の習慣をつけることは、病気の早期発見にもつながります。実際に、ワクチン接種のタイミングで病気が発覚する猫は多いのです。

もともと、猫は痛みや苦痛を我慢する動物です。長年一緒にいる飼い主さんでさえ、愛猫の変化に気が付かないことも珍しくありません。ワクチン接種の主な目的は感染症予防ですが、さまざまな病気やケガの早期発見の役割も果たしています。

3.感染拡大を防ぐ

3匹の猫

多頭飼いの家庭こそ、ワクチン接種が大切です。すべての猫にワクチン接種を受けさせることで、爆発的な拡散のリスクを減らすことができるからです。屋内で一緒に暮らす猫は、そもそも感染しやすい環境にいるのです。

感染症は、猫同士のケンカやグルーミング、猫用品の共有などから広がります。新しい猫を迎えるときは、事前に全頭のワクチン接種を済ませておくことが大切です。新しく迎える猫は、病気を持っていないか検査も行うといいでしょう。

また、猫同士の感染拡大を防ぐために、検査で陰性を確認できるまでは部屋を隔離することが理想です。

ワクチンの種類や頻度

注射に怯える猫

ワクチンの種類

猫のワクチンは、一般的に「3種ワクチン」と呼ばれるものが主流です。これは、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症を予防できるというもの。1匹で飼っている猫の場合は、こちらで問題ないでしょう。

多頭飼いしていたり、他の猫と接触する機会があったりする猫の場合は、「4種ワクチン」「5種ワクチン」を選びましょう。前述の感染症にくわえて、猫白血病ウイルス感染症や猫クラミジア感染症の予防もできます。新しく猫を迎えるタイミングでも、4種以上のワクチン接種が好ましいでしょう。

ワクチンの頻度

生まれて初めてのワクチン接種は、生後2ヵ月から数回に分けて行います。初回は、母親からの抗体が消え始めるころ。さらに、その1ヵ月後、1ヵ月後といったタイミングで追加接種を行います。最後のワクチンは、生後16週目以降に行うことが大切です。

成猫になってからは、1年に1回の接種が推奨されています。

まとめ

ゴロリンする猫

ワクチン接種に怖いイメージを持っている人もいるかもしれませんが、ワクチンにはさまざまなメリットがあります。

なにより、愛猫が健康でいられることは飼い主さんにとっても安心につながるでしょう。

子猫を迎えたときは、まずは獣医さんと接種時期について相談してみるのがおすすめです。

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