猫に対する虐待とは?

日本では「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」が定められており、猫もその対象です。この法律では、以下のような行為が虐待にあたるとされています。
- 殴る、蹴る、熱湯をかけるなど身体に危害を加える
- 食事や水を与えず衰弱させる
- 狭い檻や不衛生な環境に閉じ込める
- 医療やケアが必要なのに放置する
- 猫を公園や道端に捨てる
暴力を加えるなどの意図的な行為はもちろん、必要なお世話をしない、病気を治療せずに放置するといったネグレクトや、飼育を放棄するといった行為も虐待に含まれます。
これらはすべて犯罪です。違反すると次のような懲役や罰金が科せられる可能性があります。
- 殺したり傷つけた:5年以下の懲役または500万円以下の罰金
- みだりに虐待した(エサや水を与えずに衰弱させるなど):1年以下の懲役または100万円以下の罰金
- 遺棄した:1年以下の懲役または100万円以下の罰金
虐待を目撃したときの対処法4つ

では、実際に虐待を目撃したらどのように行動すればよいのでしょうか。
ここでは、代表的な4つの対処法をご紹介します。
1.状況確認と安全確保
虐待を疑う現場を目にしたときには、すぐに行動せず落ち着いて状況を確認しましょう。
また、虐待している人に直接注意したり接触したりするのは、注意が必要です。感情的な衝突が起こり、猫だけでなく自分自身にも被害が及ぶこともあります。
まずは冷静になって距離をとり、自分と猫の安全を確保しましょう。
2.証拠を残す
虐待があったことを証明したり、行為を止めさせたりするには、客観的な証拠が重要になってきます。
スマートフォンで写真や動画を撮影したり、目撃した情報をメモしたり(日時、場所、虐待の内容、加害者の特徴など)して、証拠を集めましょう。
同じように虐待を目撃した人がいれば、証言を記録したり、連絡先を交換したりしておくのも有効です。
3.警察へ通報する
冒頭で説明した通り、虐待は犯罪です。虐待やそれを疑うような行為を見たら、ためらわずに最寄りの警察署に通報しましょう。
動物虐待の事案について通報や相談ができる「アニマルポリス」が設置されている地域もあります。通報の際には、落ち着いて目撃した情報をなるべく詳しく伝えることを心がけましょう。
4.行政に連絡・相談する
虐待かどうか確証が得られない際は、目撃した場所の地方自治体に連絡するのも手です。必要に応じて担当者が現地確認や調査を実施し、場合によっては警察などの関係機関と連携して対応してくれます。
環境省が、各自治体の虐待に関する通報窓口を公開していますので、こちらも参考にしてみてください。
まとめ

もしも猫が虐待されている場面を見てしまったら、動揺したり、強い憤りを感じたりするかもしれません。ただ、猫を救うためには冷静に行動することが大切です。
慌てずに、まずは証拠をしっかりと集めて、専門の機関への通報や相談につなげましょう。
飼い猫であっても、地域で暮らす猫であっても、勇気を出して一歩踏み出すことで、小さな命を救うことができます。
人も猫も安心して暮らせる優しい社会を目指して、ほんのささいなことでも、私たちにできることを積み重ねていきたいですね。