『ストレスでダメージを受けている猫』に起きる異変4選

1.攻撃的・破壊的になる
攻撃的になる、破壊行動を起こすなどは、猫がストレスを感じているときによく見られる変化です。
これまで穏やかだったのに急に飼い主や同居の猫に対して威嚇や攻撃をしたり、壁や家具で爪とぎをしたり、ものを壊したりする行動が増えた場合は要注意。
いわば「八つ当たり」のようなもので、たまったストレスを発散するために、周囲のものを攻撃・破壊します。
特に環境の急激な変化や新しいペット・人間が増える、騒音などが引き金になりやすく、長引くと性格が変わったように見えることも。
飼い主の頭を悩ませるものですが、叱るのではなく、原因を探り、取り除くことが第一です。
2.食欲不振、もしくは過食
ストレスによって食欲不振、もしくは過食になる猫は少なくありません。
ごはんをまったく食べない・食べる量が急に減った・好きだったおやつに興味を示さなくなった、反対にごはんを食べる量が増えた・ごはんの催促が尋常でないなどの様子が見られる場合は、何らかのストレスを抱えている可能性を考えましょう。
ただし、こうした食欲の変化は、ストレスだけでなく病気のサインである場合もあります。
そのため食欲の変化に加えて、嘔吐や下痢、元気がないなどのほかの症状が見られる場合は、必ず動物病院を受診してください。
3.過剰にグルーミングをする
ストレスを受けた猫は、自分を落ち着かせるためにグルーミングを過剰に行うことがあります。
本来の毛づくろいは清潔を保つためですが、ストレス時は自分をなだめる「転位行動」として繰り返されるのです。
これが度を越すと毛が薄くなったり、皮膚が赤くただれたりする「心因性脱毛症」に発展するケースもあり、特にお腹や内ももなど、舐めやすい部位が集中してハゲてくるのが特徴です。
叱ってやめさせるのは逆効果なので、エリザベスカラーをつけて舐めるのを阻止しつつ、環境改善するほか、皮膚の状態が悪いなら動物病院を受診するようにしましょう。
4.真空行動
刺激のない状態で突然走り出す「真空行動」もストレスのサインといえます。
たとえば家具によじ登ったり、廊下を何往復も全力疾走したり、空中を見つめながら飛び跳ねるなど、一見ふざけているように見える動きもありますが、これはストレスが溜まり、そのエネルギーを爆発的に発散しようとしているからです。
エネルギーを持て余しやすい若い猫で起こりやすく、遊びや運動不足、環境の刺激不足が背景にあると考えられます。
猫のストレスを溜めないようにする、解決法は?

生活環境を安定させる
猫は変化を嫌う動物なので、できるだけ規則正しい生活リズムを心がけましょう。なるべく食事や遊びの時間を毎日統一したり、家具の配置変更や引っ越しは最小限に抑えます。
新しいペットや人が家に来る場合は、段階的に慣れさせることはもちろん、猫だけの安全な隠れ場所を用意し、ストレスを感じた時に逃げ込める空間を確保してあげてください。
適度な運動と遊びの時間
毎日15分~20分程度、猫と積極的に遊び、ストレス解消につなげましょう。
ただおもちゃを与えるのではなく、飼い主も積極的に参加して狩猟本能を満たす遊びを取り入れるのが効果的。また、キャットタワーや爪とぎスポットを設置し、縦の運動空間も提供してください。
十分な運動は肥満防止にもなり、心身の健康維持に効果的です。室内飼いの猫には特に重要な要素と言えるでしょう。
コミュニケーションの充実
猫との適度なスキンシップを心がけ、愛情を示してあげるのも忘れずに。猫はマイペースですが、実は飼い主とのコミュニケーションも大切にしています。
ただし、猫が嫌がる時は無理強いせず、猫のペースに合わせるのが鉄則。声をかけたり、優しく撫でたりすることで、猫との信頼関係を深めましょう。
環境エンリッチメントを意識する
環境エンリッチメントとは、動物の本来の行動を引き出し、心身の健康を維持するための工夫をすることを指します。動物園や水族館が行っている取り組みのひとつですが、飼い猫に応用することも可能です。
詳しい方法は割愛しますが、たとえば猫は狩りをする動物なので、獲物を追いかける「疑似狩猟遊び」をしたり、周囲を探検する好奇心を満たす行動(おやつを隠して探させるなど)を取り入れたり。
また高所に上る習性があるので、キャットタワーや窓の外を眺められる場所を用意してあげるのも効果的です。
こうした工夫は猫の「退屈」を減らし、心身ともに満たされた状態を保つのに役立つもの。ぜひ愛猫の性格や興味に合わせて、日々の生活に少しずつ環境エンリッチメントを取り入れてみてくださいね。
まとめ

猫は繊細な生き物であり、ちょっとした環境の変化でストレスを感じます。
今回紹介した変化は、猫からの「助けて」のサインかもしれません。飼い主さんは、こうした異変にいち早く気づき、ストレスが少ない環境を整えてあげる必要があります。
猫の心と体の健康を守るためには、日々の観察と愛情ある対応が不可欠!猫との信頼関係を築きながら、ストレスフリーな暮らしを目指しましょう。