猫は『ベランダ』に出してはダメ?できれば避けたほうがいい3つの理由

猫は『ベランダ』に出してはダメ?できれば避けたほうがいい3つの理由

ベランダなら猫を出しても大丈夫と思うかもしれませんが、さまざまな危険があります。猫をベランダに出したときに起こる可能性がある危険と、その危険から猫を守る方法をご紹介します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

猫をベランダに出すのを避けたほうがいい理由

ベランダで座るキジトラ猫

1.脱走する危険がある

体が柔軟で身体能力が高いため、隙間を通り抜けてしまったり、ジャンプして柵などを飛び越えてしまったりして、家の外に出てしまうおそれがあります。

集合住宅の場合、隙間から隣の部屋のベランダへ侵入してしまい、トラブルになることもあります。規約によってはペットの飼育ができる物件でも、ベランダは共有部分にあたり、猫を遊ばせることを禁止している場合もあるのです。

外に出てしまうと、交通事故に遭ったり、他の猫や動物に襲われてけがや感染症にかかったりする可能性があります。自分の縄張りではない場所でパニックになったり、他の猫に追われたりして、自宅からどんどん離れてしまい、見つけることが難しくなることもあるのです。

2.落下の危険

ベランダから落下してけがをするおそれがあります。猫は運動能力が高いので、うまく着地するケースもありますが、足や関節を痛めたり、体を強く打ち付けて命を落としてしまう可能性もあります。

フライングキャットシンドロームという、高所から猫が自分から飛び降りてしまう病態があります。高いところが好きな猫や、以前に高いところから飛び降りてしまったことがある猫は注意しましょう。繰り返し飛び降りてしまうことがあると言われています。

3.感染症の危険

ノミ、マダニなどの寄生虫に感染するリスクがあります。蚊に刺されフィラリアに感染したり、ベランダに侵入した野生動物と接触して感染症がうつったりする可能性もあります。ベランダに出た猫が寄生虫を室内に持ち込み、同居ペットや飼い主さんにも感染することもあるのです。

猫を守るためにできること

ネットが張られた窓の近くにいる猫

脱走対策

網戸だけだと器用な猫は爪を引っ掛けて開けてしまったり、体当たりをして網戸が外れたりすることがあります。ベランダに出られる窓に脱走防止柵などを設置して、ベランダに出られないようにしましょう。

室内の環境を充実させる

ベランダに出なくても室内だけで充実できるように環境を整えます。キャットタワーなど高いところから外を眺められるようにしたり、飼い主さんと遊ぶ時間や回数を増やして運動をさせたりしてみましょう。

ハーネスとリードを使用する

ベランダに猫を出す必要があるときは、ハーネスを装着し、リードを繋いでおきましょう。ハーネスは猫の体のサイズにあったものを選び、着用してみて体が抜けてしまわないか確認したり、着用する練習をしたりしてからベランダに出るようにします。

ただし、この方法でも完全な対策ではないため、特に活発な子や怖がりな子にはおすすめできません。

寄生虫の予防をする

動物病院を受診して、予防薬を処方してもらいましょう。ベランダに出なくなったとしても、人の服や靴に寄生虫が付着して室内に持ち込まれる可能性があるので、定期的に予防薬を使う必要があります。

まとめ

ベランダを見る3匹の猫

猫がベランダに出ると、外に逃げてしまったり、落ちてけがをするおそれがあります。また、感染症にかかるリスクもあります。ベランダに出られないように脱走対策をしたり、環境を整えたりして、猫がベランダに出なくても問題なく過ごせるようにしましょう。

外の世界を知らなくても、家の中だけでも充分に満足して生活をすることが可能です。飼い主さんとの信頼関係を充分に築き、安全な室内で楽しめるようにしてあげましょう。

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