猫が体調を崩しかねない『危険な暑さ対策』4選

1.エアコンの過度な温度設定
多くの飼い主が陥りがちな間違いの一つが、エアコンの温度設定を人間の快適温度に合わせてしまうことです。
猫の適温は26〜28度程度とされており、それ以上低くなると猫にとって寒すぎる可能性があります。とくに高齢猫や子猫、病気を患っている猫は体温調節機能が低下しているため、急激な温度変化によって体調を崩すリスクが高くなります。
また、エアコンの冷風や扇風機の風が、直接猫に当たるのもNG。人間でも冷房の風が直接当たり続けると体調不良を起こすように、猫も同様に体調を崩しかねません。
エアコンを使う際は、室温計を用いながら25度以上となるよう設定し、風が当たらない場所や猫が寒いと感じた時に隠れられる場所を設けましょう。
2.水飲み場が1ヵ所しかない
猫の危険な暑さ対策の2つ目は、水飲み場が1ヵ所しかないという状況です。夏場は熱中症のリスクが高まるため、猫がいつでもどこでも水を飲める環境を整えることが大切です。
とくに広い家や複数の部屋を行き来する場合、水飲み場が1ヵ所だけだと猫がそこまで移動せずに水分補給を控えてしまうことも。また、誤って水皿をひっくり返してしまうと、以後水が飲めません。
その結果、水分不足が加速し、熱中症を引き起こしやすくなってしまうので、注意が必要です。
3.部屋を締め切る
猫の健康を脅かす危険な暑さ対策として、部屋を締め切るという行動も挙げられます。
人間の場合は、基本的に冷房効率を上げるために部屋を締め切ってエアコンを稼働させますよね。しかし猫だけでいる場合は、部屋の締め切りに注意が必要です。
というのも飼い主が不在の間、エアコンが効いた部屋に締め切ってしまうと、猫が「少し寒いな」と思ったときに、暖かい場所へ避難することができないからです。寒さから逃げられる場所がないのは、結果として猫の体に負担をかけることになります。
冷房効率は落ちるかもしれませんが、冷房が効いた部屋で猫を閉じ込めるのは避けましょう。
猫のお留守番場所として一部屋しか使えない場合は、エアコンの風の当たらない暖かい場所や、日向ぼっこができる場所を確保しておきましょう。カーテンを全開放すると室温が上がりやすいので、レースカーテンを使って部分的に開けることがおすすめです。
4.窓を開けっ放しにする
猫の危険な暑さ対策として、窓を開けっぱなしにすることも注意が必要です。たとえ網戸があるとしても、猫が自ら押し破って外へ出てしまう事故は少なくありません。
とくに発情期の猫や、外への興味が強い猫の場合、ほんのわずかな隙間からでも脱走する可能性があります。
また直射日光が差し込む場所では室温が高くなり、開けた窓から熱風が入ることで逆に室内が暑くなることも。
最近の夏の気温は異常ですから、風通しだけに頼らず、きっちりエアコンを使って室温を調整するのが望ましいと言えます。
猫が安全に過ごせる夏の環境作りのポイント

猫が快適に過ごすためには、温度・湿度・空気の流れ・水分補給・寝床の工夫など、総合的な環境整備が必要です。
まず、エアコンの設定温度は27〜28℃前後が理想で、湿度は50~60%を保つようにしましょう。室温計を使うとより正確に室温調整ができます。サーキュレーターや扇風機は空気を循環させる目的で使い、猫に直接風が当たらないように注意します。
また、遮光カーテンで日差しを遮り、猫が自由に移動できるように部屋のドアを開放しておくのも忘れてはいけません。
ひんやりマットや大理石プレートなどの冷却グッズ、飲み水は、猫の好みに合わせて複数設置するとより効果的です。
このようにさまざまな工夫を施し、猫が快適でかつ熱中症リスクが抑えられる環境を整えましょう!
まとめ

猫にとって夏は、思いのほか過酷な季節です。「人間にとって快適=猫にとっても快適」とは限らず、誤った対策が体調を悪化させる原因になることもあります。
今回紹介したような危険な暑さ対策は、一見効果的に思えるかもしれませんが、猫に害となる可能性があるので注意しましょう。
また、もし少しでも熱中症を疑ったら、早めに獣医師に相談して愛猫の命を守ってくださいね。暑い夏も安心して過ごせるように、今日から準備を始めましょう。