1.性格の相性

人間でも合う相手と合わない相手がいるように、猫にも性格によって相性があります。
例えば、先住猫が穏やかで大人しい性格だと、新入りもできるだけ穏やかそうで控えめなタイプがおすすめ。気性の激しいタイプですと、先住猫のストレスになります。
また臆病で怖がりの先住猫のところに、運動量の多い活発な新入り猫をお迎えするのもおすすめできません。ただでさえビクビク生活しているので余計に、落ち着かず、ストレスを溜めやすくなってしまいます。
この他にも、甘えん坊で人間のことが好きなタイプなら、猫より人間を好むタイプなど、基本的に似たような性格が好ましいでしょう。
ただし、同じタイプでもどちらも主張が強いのは相性はよくありません。同性や同年齢で縄張り意識が高い場合、ケンカになりやすいので気をつけましょう。
2.年齢の相性

猫の多頭飼育には、年齢も相性が関係してきます。例えば10才以上の高齢の猫の場合、若い猫を新入りに迎えてしまうと元気すぎるので、先住猫のストレスになりやすいです。
先住猫が高齢の場合は無理に新入りを迎えない方が無難ですが、どうしても飼いたい場合は、おっとりした成猫がよいでしょう。
また先住猫が2~6才くらいの成猫の場合は、同年代ではなく年下の猫がおすすめ。理由は年下の猫は格下になりやすいので、先住猫との上下関係が自然なかたちになるからです。
なお、もし先住猫がまだ子猫であれば、新入りの猫も子猫がおすすめです。一緒に遊びやすく打ち解けるのも早いでしょう。
3.性別の相性

基本的に、性別の相性は異性同士だと比較的うまくいきます。「オス✕メス」は最もバランスがよく、成功率が高い組み合わせです。ただし、避妊や去勢は必須ですので早い段階で手術をする必要があります。
次に成功例が多いのは、去勢済の「オス✕オス」。一見、ケンカが懸念される組み合わせだし、活発なオス猫同士ですとケンカになることもありますし、性格や体格に差があると、片方が怖がってストレスになってしまいます。
「メス✕メス」は、もっとも対立しやすい組み合わせです。生まれたときから一緒に育っていれば慣れやすいですが、メスは自分のテリトリーに他のメス猫が入ることを嫌う傾向があります。もしメス同士の組み合わせになる場合は、どちらも控えめでおっとりした性格がおすすめです。
4.トイレの数と空間の必要性

猫を多頭飼育する場合、トイレの数は「頭数+1個」が基本です。猫はニオイに敏感ですし、ニオイでテリトリーを確認するので、トイレには神経質になりがち。トイレ環境がしっかり整備されていないと、トイレ以外の場所で粗相をしたり、排泄をガマンして体調不良になったりすることがあるので、あらかじめ把握しておきましょう。
またSNSでは猫同士が仲良く寝ていたり、寄り添っていたりする写真がたくさん見られますが、多頭飼育の全ての猫がそうなるとは言えません。
自宅の中で、猫がそれぞれの居場所をもてるか否か、確認してみましょう。猫は単独で生きたり、縄張りを重んじる動物なので、部屋やフロア、空間などで生活を分けられるかどうか、あらかじめシミュレーションすると安心ですね。
まとめ

「猫を1匹飼うと、もう1匹飼いたくなる」という人が多いようです。しかし、頭数が増えるから「可愛さも2倍になる」と安易な考えは禁物。多頭飼育がうまくいかなかった場合、猫たちも飼い主さんも幸せとはいえないからです。
また多頭飼育になると、猫にかかるフード代やトイレ砂などの消耗品、医療費なども倍以上になります。多頭飼育を考えるなら、猫の相性をはじめ、居住空間や家計のことも含めて、受け入れ準備を整えましょう。