猫のケンカが始まる原因4選

1.遊びのつもりが「本気」になってしまったから
猫同士のじゃれあいは、コミュニケーションや遊びの一環であり、本気のケンカとは異なります。
たとえば、片方が寝転んで「取っ組み合い」に誘ったり、尻尾で合図して「追いかけっこ」をしたりと、お互いに力加減をしながら楽しんでいるのが特徴です。
しかし、だんだんと興奮が高まると、威嚇をしたり、しつこく追いかけまわしたりといった行動が見られることもあります。
最初はじゃれあいのつもりだったのに、いつの間にか本気のケンカに発展してしまうことも少なくありません。
2.お気に入りのスペースを守りたかったから
猫にとって、寝床や窓際は、特にお気に入りのスペース。くつろぎやすい、ひなたぼっこができるといった理由から、特定のスペースを強く好む猫は多いです。
しかし、そんなお気に入りが他の同居猫とかぶってしまうことは、意外とよくあります。
他に寝床を設けていても、人気が1ヵ所に集中してしまい、先に寝ていた猫に威嚇したり、猫パンチしたりします。
また、猫が「ひとりでいたい」気分のときには、ただ一緒に寝ようと寄ってきただけの猫に対しても、強引に追い払ってしまうことがあるでしょう。
3.しつこくグルーミングをされたから
親しい猫同士なら、毛づくろいし合う「アログルーミング」をすることがあります。
お互いの信頼関係が築けている証拠であり、普段自分では行き届かない頭や耳周りを舐めてもらえるのは、とても気持ちがよいものです。
とはいえ、あまりにも執拗にグルーミングをされると、気持ちが一転してイライラのもとになることがあります。
やがて耳を倒したイカ耳になり、尻尾をばたばたし始めたら、そろそろ限界のサイン。それでもやめないときは、噛んで意思表示をします。
これは、飼い主さんがなですぎて噛まれる現象によく似ています。
4.もともと相性がよくないから
もともと猫同士の相性があまりよくない場合は、ちょっとしたことでもケンカが勃発しやすいです。顔を合わせたり、近くを横切ったりしただけでもご機嫌ななめになり、本気の攻撃をすることがあります。
同じ空間で過ごすことがストレスになっているようなら、部屋を分けて生活させるのも、ひとつの方法です。
筆者も学生時代に、先住猫が新入り猫をどうしても受け入れることができず、接し方に悩んだ経験があります。先住猫を優先することで一定の効果はありましたが、結局仲良しにはなれませんでした。
猫のケンカは止めたほうがいい?

まだじゃれあいの段階のうちは、基本的には様子を見守ったほうがよいでしょう。
一方、本気の威嚇・攻撃が見られる場合は、そのまま放置してはいけません。特に、片方の猫が悲鳴のような鳴き声を上げているときや、お腹を見せて降参のサインを出しているのに攻撃がやまないときは、すぐに仲裁に入りましょう。
このとき興奮状態の猫に直接触れると、飼い主さんが噛まれたり、引っかかれたりする可能性があるため、ケガをしないよう注意する必要があります。
直接手を出すのではなく「物音やおやつなどで猫の気をそらす」「間にクッションを入れて猫の視界を遮る」といった方法をおすすめします。
ある程度猫が落ち着いてきたら、それぞれを別室に移動させるとよいでしょう。
まとめ

普段は仲良しの猫たちでも、じゃれあいやグルーミングの度が過ぎてしまうと、ケンカに発展することがあります。ときにはお気に入りの寝床などを巡り、つい熱くなってしまうことも。
一方で、もともと相性が合わない猫同士の場合は、些細なことでも攻撃的になりやすいため、飼い主さんが注意深く見守ることが大切です。
じゃれあいの段階であれば猫同士に任せて問題ありませんが、本気のケンカは放置せず、速やかに仲裁に入りましょう。
猫同士の関係性や、その場の状況を適切に理解し、無理のない距離感を保てるように配慮してあげてください。