猫と犬、実はルーツが同じだった!『猫の祖先』になった生き物2選

猫と犬、実はルーツが同じだった!『猫の祖先』になった生き物2選

犬と猫のルーツは同じ!?知っているようで知らない『猫の祖先』について徹底解説いたします。奥深いネコの世界をお楽しみください。

『猫の祖先』になった生き物2選

犬と猫

今現在、私たちと暮らす猫は『イエネコ』と呼ばれる種です。ではその祖先は、どのようなネコだったのでしょうか。

今回は、『猫の祖先』にあたる重要な生き物を2つ紹介いたします。実は、猫と犬には意外な共通点が。どのように枝分かれしたかについても詳しく解説いたします。

1.犬猫共通の祖先『ミアキス』

ミアキスは、約6,500万年前から4,800万年前に生息していたとされる生き物です。体長は30cmほどで、見た目はテンやイタチに似ています。

ミアキスという名は、ラテン語で『動物の母』という意味です。なぜこの名が付けられたかというと、実に様々な動物の祖先だからです。

犬や猫はもちろんのこと、ハイエナやセイウチ、アザラシやクマも皆、ミアキスが起源とされています。

ミアキスは小型の肉食動物に位置づけられる動物で、森を居住地とし、鳥類や爬虫類を食糧として生きていました。

身体的な特徴としては猫に近く、爪を器用に出し入れできる他、木に登ることも得意だったそうです。

当然のことながら、森をフィールドとする動物はミアキスだけではありません。他の動物との争いや、ミアキス自体の数が増えた頃、一部のミアキスは草原に進出して行きました。

これが犬の祖先です。後に犬へと進化を遂げたミアキスは、広い草原を駆け抜けるために爪の形状が変化し、本来あった出し入れ機能を捨て、スパイクのような強靭な爪を手に入れました。

一方、森に残ったミアキスはより猫らしい姿へと進化。樹上で生活できるなどのスキルを身につけたのですが、やはり数が増え、徐々に生存競争が激化していくのでした。

そこで、一部のミアキスは砂漠に進出することになります。これが、後に重要な祖先となる『ヨーロッパヤマネコ』へと進化します。

2.イエネコのルーツ『リビアヤマネコ』

African wildcat

ミアキスからヨーロッパヤマネコへと進化したネコ科の動物は、いくつかの亜種を生み出しました。その1つが『リビアヤマネコ』です。

ヨーロッパヤマネコの亜種として誕生したリビアヤマネコも、主な拠点は砂漠でした。そこでウサギやネズミ、ヘビやサソリなどを捕食しながら生き延びたのです。

やがて砂漠での生存が厳しくなり、農耕をしていた人間の里へと進出。元々穏やかだった性格と、狩りの腕前が人々に受け、共存の道を歩むことになりました。

現在もアフリカや中近東を中心に生息しているリビアヤマネコですが、その外見はキジトラにそっくり。体長は45 cm〜80cm、体重は3kg〜8kgと、体の造りも大差はありません。

実はキジトラはイエネコのルーツとされる猫です。リビアヤマネコに最も近い種で、日本には奈良時代にやって来たとされています。

平安時代にはちょっとした猫ブームが巻き起こり、より一層人々に愛される存在となりました。宇多天皇が猫好きだったことも拍車をかけていたようです。

先ほども紹介したように、リビアヤマネコは他のヤマネコと比較すると穏やかな性格の持ち主でした。

さらにリビアヤマネコが生活していた地域と人里は、他のヤマネコの生息地よりも近かったため、進出しやすかったようです。

しかも農耕の大敵はネズミです。人を襲わないリビアヤマネコと、ネズミの食べ放題のような環境は互いにとってWin-Winの関係だったといえます。

ことのきっかけは偶然だったにせよ、人里に降りたヤマネコが人に懐く素質があったことは確かです。もしも凶暴なヤマネコであれば、滅んでいた可能性もあります。

まとめ

甘える猫

今でこそ習性や食文化に大きな違いがある犬と猫ですが、両者は『ミアキス』という共通の祖先によって繋がりを持っていました。

後に森から砂漠に進出したミアキスがヨーロッパヤマネコとなり、その亜種にあたる『リビアヤマネコ』がイエネコに最も近いルーツです。

ちなみにイエネコであるキジトラに進出するにあたり、脳は小型化され、より人に懐く性格を手に入れました。

現代っ子のキジトラは狩りの本能を忘れ、虫を嫌がり、飼い主に撃退せよと命令する始末。(我が家のキジトラの話)これも進化の過程によるものでしょうか。

何はともあれ、人類が猫と接点を持てたのはリビアヤマネコのおかげ。そう思うと愛着が湧きそうなご先祖さまになりそうです。

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