『人にあって猫にはない体の部位』6選

猫の体には、人間にはないパーツがたくさんあります。例えば感覚器にもなるヒゲや長いしっぽ、鋭いキバなどです。では逆に、猫の体には存在しないものもあるのでしょうか?
ここでは『人にあって猫にはない体の部位』を6つ紹介いたします。
1.鼻毛

ふと愛猫の顔を覗き込んだら"鼻毛が伸びていた"という経験はないですよね。
猫には鼻毛自体がないため、ケアを怠ったら飛び出してしまうということはありません。
では、どのように鼻腔内に侵入した異物やウイルスなどを排除しているのでしょうか?実は粘膜の中に『線毛』と呼ばれる細かな毛が生えており、これが鼻毛のような役割を担っています。
ちなみに、時々鼻クソのような物体が飛び出てくることがありますが、これは正真正銘の鼻クソです。こよりでほじる必要はありませんが、鼻の入口にあるものはコットンで除去してあげましょう。
2.まつげ

少々意外に思われるかもしれませんが、猫の目には人間と同じような構造のまつげがありません。では、まぶたの上にある毛は何なのでしょうか。
それは『アクセサリーアイラッシュ』と呼ばれるもので、英名で「アイラッシュ=まつ毛」と名はついていますが、人でいうところのまつげとは異なる存在です。役割はまつげと同じで、目の中に異物が入ることを防いでいます。
3.眉毛

猫の顔には眉毛もありません。いかにもそれっぽく見える線は、模様です。
ちなみに、人間でいうところの眉毛が生えている付近から飛び出している毛は"ヒゲ"の一種でセンサーのような役割があり、異物や空気などが当たると反射的に目が閉じるようになっています。
このヒゲがあることで、弱い視力(猫の通常の視力は0.1程度)をカバーしています。
4.鎖骨

猫は余程の肥満でない限り、顔が入る場所には潜り込むことができます。正確には、頬のヒゲの幅に見合ったところへは難なく侵入することが可能です。
しかし、なぜヒゲの幅があれば余裕なのでしょうか?それは、人間とは違い『鎖骨』が機能していないからです。
厳密には鎖骨は存在していますが退化して目立たず(極小化している)、肩関節との連結がありません。ネズミが潜む穴に奇襲をかけるべく、進化の過程でこのような構造になりました。
5.後ろ足の『親指』

猫の爪切りをしていると、前足は5本の指があるのに対して後ろ足は4本しかないことに気がつくでしょう。
猫の後ろ足には『親指』にあたる指がありません。これは個性によるものではなく、どの猫にも共通しています。
猫の後ろ足は、跳躍の際に蹴る力が必要なこと以外に器用に使う場面がありません。進化の過程で消滅したと考えられています。
時々指の数が多い猫がいますが、これは『多指症』と呼ばれるものです。日常生活に支障をきたすことはありません。
6.臀部(でんぶ)

猫には目立った臀部(お尻)がありません。臀部周りに運動に特化した筋肉は存在しますが、人間と比較すると肉付きがよくありませんよね。
猫は人間のように座ったまま何かをする習慣がありません。食事をする際には軽く座るような体勢になりますが、実際にはしゃがんでいるだけです。
お尻に全体重をかけることがない猫には、座面が必要なかったのでしょう。肥満の猫を除きこの部位にはほとんど脂肪がないので萎んだ印象になりますが、それもまた可愛らしいですよね。
まとめ

猫は本来、自身の体を巧みに使って狩りをする動物です。道具を使いこなす人間とは異なるので、体のパーツや進化の過程に大きな違いがありました。
存在しなくても困らないものは消滅し、使われないものは退化する。そのうえで重要なパーツは人間以上に進化すると思うと、生命の魅力を感じます。猫と暮らしている方は、改めて愛猫の体の構造を観察してみてください。