肝リピドーシスとは?
![動物病院で診察を受ける猫](https://cdn.p-nest.co.jp/c/nekochan.jp/pro/resize/700x500/100/2/5b20164851b532badc7e97428c7cb7ee.jpg)
肝リピドーシスは、猫の肝臓に過剰な脂肪が蓄積する病気です。とくに肥満の猫が急激に食事がとれなくなった場合に多く見られます。
猫は飢餓状態に陥ると体脂肪をエネルギーとして利用しますが、これにより肝臓で代謝できる量を超える脂肪が蓄積すると、肝細胞が変性し、肝臓が正常に機能しなくなってしまうのです。それが肝リピドーシスと呼ばれる状態で、猫にさまざまな健康問題を引き起こし、放置すると命に関わります。
肥満で中高年の猫に多いとされますが、スリムな若い猫でも発症するケースもあるので、全年齢、すべての猫種において注意すべき病気と言えるでしょう。そのため飼い主が病気の兆候を早期に発見し、迅速に治療を開始できるようにしなければいけません。
治療は基本的に入院治療で、猫が自力で食事を摂れるようになるまで長期にわたるケースもあります。
肝リピドーシスの症状や兆候?
![食欲不振?の猫](https://cdn.p-nest.co.jp/c/nekochan.jp/pro/resize/700x500/100/9/1ebcb77a9664327d4bfd04b6a8b4d3d2.jpg)
肝リピドーシスの症状や兆候は主に次のようなものがあります。
- 食欲不振
- 体重減少
- 嘔吐や下痢
- 黄疸
- 無気力や疲労感
- よだれ
- 昏睡
- けいれん など
注意すべき点は、猫の肝リピドーシスは自然治癒が見込めないことです。必ず専門的な治療を受けなければ治すことはできません。最悪の事態にもつながる病態です。
そのため上記のような症状・兆候が見られた場合、すぐに獣医師に相談し、適切な診断と治療を受けてください。
肝リピドーシスの原因は?
![肥満の猫](https://cdn.p-nest.co.jp/c/nekochan.jp/pro/resize/700x500/100/9/672d50610e0124935bbe94dd4e357280.jpg)
肝リピドーシスは、猫がなにかしらの原因により食事を摂れなくなった場合に発症しますが、その原因としてはたとえば次のようなものがあります。
- 急激なダイエットによる食事制限
- ストレス
- 肥満(原因というよりは肝リピドーシスになりやすい要因の一つ)
- ほかの疾患(膵炎、炎症性腸炎、胆管肝炎、糖尿病、脂質代謝異常など)
なかでも猫の肝リピドーシスは、膵炎、腸炎、胆管肝炎に続けて発生するパターンが多いとされます。
肝リピドーシスの予防法は?
![ご飯を食べる猫](https://cdn.p-nest.co.jp/c/nekochan.jp/pro/resize/700x500/100/2/834c02c209359687469198f2d8ffa116.jpg)
肝リピドーシスを予防するためには、以下のポイントを意識することが大切です。
適切な体重管理
肥満を防ぎ、適切な体重を維持するよう心がけましょう。運動が苦手な猫でも、できるだけ毎日5~10分程度の遊びを取り入れ、運動を促すことが大切です。
ストレスの軽減
環境の変化が少ない生活を心がけ、猫がリラックスできる空間を整えましょう。どうしてもストレスがかかってしまう場合は、猫の隠れ家を用意し、そこで食事を摂れるようにしてあげてください。
食欲不振には迅速に対応する
猫の肝リピドーシスは、食欲不振が長く続くと発症するリスクが高まる病気です。このため元気でうんち・おしっこが出ていても、2日以上食欲不振が続く場合は獣医師に相談しましょう。
急激なダイエットを避ける
注意したいのは急激なダイエットです。飼い主が猫のダイエットのためにと、急激に食事の量を減らしたり、食事を制限すると肝リピドーシスの原因となってしまう場合があります。そのため猫のダイエットは獣医師と相談しながら、ゆっくり始めることが大切です。くれぐれも断食などはさせないでください。
まとめ
![おいしそうにご飯を食べる猫](https://cdn.p-nest.co.jp/c/nekochan.jp/pro/resize/700x500/100/6/16ccd1754c7ee793228be4f06dad37d8.jpg)
猫の肝リピドーシスは、放置すると命に関わる危険な病気ですが、適切な予防と早期発見によって治癒が見込める病気です。
予防のためには定期的な食事管理やほかの病気の発見はもちろん、環境の変化などのストレスがかかる場合は、食欲の変化に十分注意を払うことが大切です。
飼い主は猫の健康状態に常に注意を払い、異変(とくに食欲不振)を感じたら早めに獣医師に相談しましょう。
治療には時間を要するかもしれませんが、早期発見・早期治療が何よりも重要であることを忘れないでくださいね。