『猫の推定年齢』を判断するときに見るべき体のパーツ5選 歯や目…猫の状態が教えてくれること

『猫の推定年齢』を判断するときに見るべき体のパーツ5選 歯や目…猫の状態が教えてくれること

猫の年齢を正確に知ることは、適切なケアをする上でとても大切です。とくに保護猫や野良猫の場合、生年月日が分からないことが多く、外見から年齢を推定する必要があります。そこで今回は、猫の年齢を判断する際に注目すべき身体のパーツを5つをご紹介します。

SupervisorImage

記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.歯

猫の歯

猫の年齢を判断する上で、歯の状態は重要な指標のひとつです。猫は生後2〜3週間で乳歯が生え始め、3〜4ヵ月で永久歯へ生え変わりが始まります。そして6〜8ヵ月齢までには全ての永久歯が生えそろい、この時期の歯は真っ白で清潔です。

しかし1歳を過ぎると歯石が付き始めることが多く、時間の経過とともに歯石の付着や歯の黄ばみが出てきます。さらに3歳以上になると歯の磨耗が進み、7歳以上の高齢猫では歯の欠損や重度の歯周病が見られることもあります。

食べ物や体質、口腔環境や持病によって歯周病の進行度は変わるので、一概には言えませんが、歯の状態はおおよその目安にはなります。

2.目

美しい瞳の猫

猫の推定年齢は、目の状態も非常に参考になります。たとえば子猫の場合は、目が開いていなければ生後7日未満、焦点があっていれば生後2週間程度だと判断できます。

さらに若い猫の目はクリアで透明感があり、活力に満ちた輝きを放ちます。瞳孔の収縮と拡大がスムーズで、虹彩の色も鮮やかです。

一方、10歳を超えシニア期に入ると目に病気が出てくることがあり、水晶体の混濁が見られたり、目つきが穏やかになったり、涙やけが目立つようになるなどの変化が見られることがあります。

3.被毛と皮膚

長毛種の猫

若い猫の被毛はつやがあり弾力性に富んでいますが、5〜6歳など中年齢になると徐々に毛の質が変化し、光沢が低下傾向に。7歳以上では被毛のつやが減少し、部分的に白髪が目立ってきたりします。

高齢猫(10歳以上)になるとグルーミングの低下とともに、被毛にべたつきがあらわれたり、皮膚の弾力性もなくなり乾燥が目立つようになります。

4.爪

猫の爪

若い猫(1〜4歳)の爪は、透明感があり形もきれいです。爪の生え変わりも活発で、定期的な爪とぎにより、常に清潔で健康的な状態が保たれています。

しかし7歳以上の高齢猫になって活動性が落ちたり関節炎を患ったりすると、爪とぎをさぼるようになるため爪が厚くなり、透明感もなくなって割れやすくなりがちに。

10歳以上の猫では若い頃よりセルフケアを怠りがちになり、古い層が残ったままになり透明感が失われていきます。爪がもろくなって、層状に剥離することもあります。

爪とぎが行き届かなくなると、伸びすぎた爪が肉球に刺さってしまうこともあるため、爪切りなどのケアが必要になります。

5.体格

元気に遊ぶ若猫

猫の推定年齢を判断する際、体格の様子も有用な手がかりとなるでしょう。子猫の場合は、約100ℊ以下(誕生時)~約1.5kg(生後3ヵ月くらい)の小さい体つきなので、判断がつきやすいかもしれません。

1歳以降の若い猫は筋肉がしっかりついており、体全体に弾力性があります。体重は3〜5kgほど。特に運動量が多い猫は、引き締まった体型の子が多いです。

一方、高齢の猫では筋肉量が減少し、特に背中や腰回りが痩せて見えることがあります。また老化に伴い、骨が浮き出て見える場合も。体重も成猫に比べて軽い子が目立ちます。

まとめ

仲良く寄り添う白猫の親子

猫の年齢を推定する際は、今回紹介したような5つのポイントを総合的に見るといいでしょう。ただし個体差や生活環境による違いがあることも忘れずに…。

またこれらの身体的特徴に加えて、行動面での変化(活動量の変化、食欲の変化、睡眠時間の変化など)も年齢推定の参考になりますよ。

ただし確実性が高い年齢を知りたい場合は、獣医師に判断してもらった方がいいかもしれません!

年齢を知ることができれば、年齢に応じた適切なケアを行えるようになり、愛猫がより健康で幸せな生活を送れるようになります。「猫の年齢を知らない」という飼い主さんも、ぜひ本記事を参考に、愛猫の年齢を推測してみてください。

スポンサーリンク