猫には危険な『秋の味覚』4選とその理由 飼い主さんが楽しむときはご注意を

猫には危険な『秋の味覚』4選とその理由 飼い主さんが楽しむときはご注意を

涼しくなってくると、楽しみなのが「秋の味覚」ですね。秋にはたくさんのおいしいものがあります。愛猫にもお裾分けしたくなりますが、猫が食べると危険な食材も多いので要注意です。ここでは、猫には危険な「秋の味覚」とその理由についてまとめました。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.ブドウ

お皿の上のブドウと猫

秋においしい果物の代表格と言えば、ブドウではないでしょうか。しかし、ブドウは猫にとって最も危険な果物のひとつなのです。誤って食べてしまうと、急性腎不全を引き起こす恐れがあります。命に関わることもあるため、注意が必要です。

症状としては、食欲不振や下痢、嘔吐などの消化器症状が現れます。また、尿の量が増えたり、逆に尿が出なくなることもあります。

ブドウだけでなく、ブドウの加工品であるレーズンも同様です。むしろ、成分が凝縮されているため、危険度が増してしまいます。

レーズンは、パンや焼き菓子などにも使われることが多いため、猫に食べられないよう気を付けましょう。

2.秋ナス

箱の中のナスを見る猫

ナスには「アルカロイド」という成分が含まれます。これを猫が摂取すると、下痢や嘔吐、血便などの中毒症状が現れることがあります。また、痙攣や麻痺などの神経症状を引き起こすこともあり、大変危険です。

茎や葉、根は、実よりもさらに多くのアルカロイドを含んでいるため、気を付けましょう。

トマトやホオズキ、チョウセンアサガオなどの他のナス科の植物にもアルカロイドが含まれています。トマトには「トマチン」、観賞用のホオズキには「ヒストニン」、チョウセンアサガオには「トロパンアルカロイド」というアルカロイドが含まれています。野菜だけでなく、観葉植物にも注意が必要です。

3.ギンナン

イチョウの落ち葉の上の猫

茶碗蒸しや鍋物に使われるギンナンですが、人間でも大量に摂取すると中毒症状を起こすことがあります。特に幼児は注意が必要とされています。

中毒症状を引き起こす成分「メチルピリドキシン」は、体の小さな猫にとっては大変危険なものです。

猫がギンナンを食べた場合、下痢や嘔吐などの消化器症状があらわれることが多く、痙攣や呼吸困難を引き起こすこともあります。最悪の場合、命に関わることも。特に子猫はたとえ少量でも口にすると危険です。

4.イチジク

イチジクの枝の間の猫

イチジクには「フィシン(フィカイン)」や「フロクマリン」という成分が含まれ、これらは猫には危険なものです。

猫がイチジクを食べてしまうと、下痢や嘔吐を引き起こすだけでなく、口の中に炎症が起きたり、触れるだけでも皮膚炎になることがあります。

イチジクの実や葉、茎に触らせないようにしましょう。乾燥イチジクやジャムなども食べられないよう気を付けて下さいね。

まとめ

仰向けの猫とカボチャや松ぼっくりなど

秋にはおいしいものがたくさん出回ります。しかし、猫にとっては危険なものもあるため、注意が必要です。

猫に有害な食材を扱う際には、出しっぱなしにしないよう気を付けて下さいね。食事をするときも、猫に食べられないように注意しましょう。

猫に与えることのできる秋の味覚は、カボチャやサツマイモです。味付けせずに加熱したものを、トッピング程度に少量なら問題ありません。なお、糖分が多いので与え過ぎには気を付けましょう。

猫には安心な「秋の味覚」を用意して、一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。

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