夏場の『猫の脱走』は危険がいっぱい!3つのリスクと脱走予防法

夏場の『猫の脱走』は危険がいっぱい!3つのリスクと脱走予防法

猫の脱走はいつだって危険と隣り合わせです。交通事故や猫同士のケンカはもちろん、虐待などの悲しいニュースも聞かれます。さらに夏の脱走では、暑い季節ならではの危険もあります。今回は、夏の脱走でとくに知っておきたい3つのリスクと、脱走防止のための対策を紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.熱中症のリスク

伸びて寝ている猫

夏の脱走で怖いのは、なんといっても熱中症です。猫は汗をかくことができないため、人間と比べて体温調節が苦手です。そのため体温が上がっても自力で下げることが難しく、熱中症になりやすいと言われています。

とくに気温30度以上、または30度以下でも湿度が高い環境では熱中症のリスクが高まります。日本の夏は高温多湿であること、近年は40度近い気温になることもあり、猫にとっては大変危険な環境なのです。

2.アスファルトで肉球を火傷をするリスク

猫の肉球

夏の強い日差しに照らされたアスファルトの表面温度は50〜60度に達すると言われており、65度以上になることも。そんなアスファルトの上を裸足の猫が歩けば、やけどをしてしまうリスクがあるでしょう。

肉球を火傷すると、皮がめくれて赤くなることが多く、歩くことで強い痛みを感じている可能性があります。脱走した愛猫が無事に帰ってきたときは、肉球の確認をしてあげてください。

3.寄生虫に感染するリスク

体を掻いている猫

猫が脱走した際は、寄生虫への感染リスクも無視できません。寄生虫といえば、ノミやダニが有名ですが、夏は猫の突然死の原因にもなり得るフィラリアにも注意が必要です。

ノミやダニは草むらに生息しており、道路脇の花壇や公園や河原の繁みなど、いたるところに潜んでいます。ノミやダニは病気を媒介することもあり、なかでもマダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は猫だけでなく、人間にとっても危険です。

また蚊に刺されると、フィラリアへの感染リスクがあります。フィラリアは犬の病気というイメージを持っている人も多いと思いますが、猫も感染します。脱走の有無にかかわらず、ぜひ予防を検討しましょう。

猫の脱走経路と予防法

猫と脱走対策済みの窓

猫の脱走経路として多いのは以下の場所です。

  • 玄関
  • ベランダ
  • キャリーバッグ

この中でも多いのが「玄関」と「窓」です。

とくに玄関は、出入りも多く開け閉めの頻度も高い場所です。外出時や帰宅時、来客の対応の際にドアの隙間から外に飛び出してしまうことが多いと言われています。柵をつけるなどして、玄関に行けないようにしておくと安心です。

窓は網戸を閉めていても、開けて、もしくは破って脱走することもあります。猫用の網戸にする、防犯グッズを利用するなどして、開けられないようにするといった対策が必要でしょう。

またベランダは、落下防止のネットを使うなどの対策をしている人も多いですが、いちばんの対策は出さないことです。

通院時は、キャリーバッグからの脱走に注意が必要です。対策としては、猫を洗濯ネットに入れる、キャリーバッグに網をかぶせるなどの方法があります。

まとめ

猫とスイカ

夏は猫の脱走が多くなります。脱走の原因としては、玄関の扉を開けた瞬間に跳び出してしまった、うっかり窓を開けっ放しにしてしまったなど、だれもがやってしまいがちなミスが多いと言います。

愛猫を迷子にしないためには「やり過ぎかも」と思うくらいの脱走対策をするのがちょうどいいのかもしれません。

また万が一のときに慌てないように、迷子猫の探し方を確認するなど備えておくことも大切です。

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