猫に『スイカ』を与えるといい効果が?与える際の量や注意点もご紹介

猫に『スイカ』を与えるといい効果が?与える際の量や注意点もご紹介

甘くておいしい夏の味覚の「スイカ」。実は、猫も食べられる果物なので食べると嬉しい効果があると言われています。本記事では、猫に「スイカ」を与えると得られる効果や与えるのに適切な量、与える際に注意すべきポイントをまとめました。夏の水分補給に上手に活用してみてください。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫に「スイカ」を与えてもよい?

カットされたスイカを見つめる猫

スイカには猫が中毒を起こすような成分は入っていないため与えても問題ありません。スイカの果肉の約90%は水分でできており、ミネラルやビタミンが豊富に含まれています。

猫は砂漠地帯にルーツを持つ動物のため水分の必要量は少ないですが、体内の水分が不足すると腎臓に負担がかかる上、尿が濃くなり膀胱炎や尿路結石を引き起こすリスクがあります。また、暑い時期には熱中症になる可能性も高まるでしょう。

猫がスイカを食べてくれるかどうかは好みにもよりますが、おやつとして少量与えたり果汁を舐めさせたりすると、暑い時期の水分補給に役立ってくれます。

猫に「スイカ」を与えることで得られる効果

スイカ柄の枕に座る猫

スイカには豊富な水分だけでなく、糖分を初めとした様々な栄養素も含まれています。

  • 果糖、ブドウ糖…エネルギー源となる
  • ビタミンA…視力の維持
  • ビタミンC、β-カロテン…抗酸化作用、免疫力アップ
  • カリウム…血圧の安定
  • リコピン…肥満予防
  • シトルリン…血液循環の促進、疲労回復

増えすぎると健康な細胞を酸化させる「活性酸素」の発生を抑えて免疫力の低下を防ぐ抗酸化作用や、血流の循環を良くして疲労回復の効果が期待できるなど、健康的で病気に強い体づくりの助けとなってくれる食品なのです。

正しく与えれば様々な恩恵が得られるスイカですが、与え方や与える量によっては猫の健康を害してしまう可能性もあるため、どのような注意点があるのかもきちんと把握しておきましょう。

猫に「スイカ」を与える際の注意点

スイカに乗っかる猫

スイカに含まれる果糖やブドウ糖といった糖分はエネルギー源となりますが、過剰に摂取すると糖尿病や肥満のリスクを高めてしまいます。また、果肉を与えすぎると消化不良から下痢を引き起こすことがあるので、猫の一口分もしくは二口分程度に留めておきましょう。

ウリ科の食品でアレルギー反応が出る猫もいますので、最初は一気にあげずに少量ずつ様子を見ていくと良いでしょう。

スイカの皮や種は消化不良を起こす上、種には「シアン化物」という毒性のある成分が含まれているため与えないようにしてください。

心臓や腎臓に病気を抱えていて働きが弱まっている猫や高齢の猫は、カリウムを摂りすぎるとうまく体外へ排出されず、高カリウム血症を引き起こす場合があります。最悪のケースでは、心不全になったり心停止してしまったりする可能性もあるので注意が必要です。

まとめ

スイカを舐める子猫

自然な甘味があり、シャリシャリしてみずみずしい果肉がおいしい「スイカ」ですが、甘味をほとんど感じられない猫にとってはおいしさは感じられないものの、食感を好んで食べるという場合もあるようです。

幸い「スイカ」には、猫が中毒を起こすような成分は含まれておらず、代わりに水分とミネラル・ビタミンが豊富なため暑い日の水分補給に適しています。

とはいえ、過剰に与えてしまうと肥満や糖尿病のリスクがありますし、かたい皮や種の部分は消化不良を起こす可能性も。猫に「スイカ」を与える場合は正しく与えないと、猫の健康を害する可能性もあるので注意が必要です。

そして猫はスイカを与えなくても生きていけますのでそれは忘れないようにしてください。

もし愛猫がスイカを食べたがったら、おやつ代わりに少量ずつ、必ず愛猫の様子を見ながら与えてみてください。

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