猫がずっと『ご飯を欲しがる』のは病気?考えられる原因4選

猫がずっと『ご飯を欲しがる』のは病気?考えられる原因4選

「猫が急にご飯を食べなくなった」と心配している飼い主さんを見かけますが、実は急に食欲が旺盛になるのも問題なのです。深刻な病気が隠れている可能性が否定できません。今回は、猫がずっとご飯を要求する原因について紹介します。もし思い当たることがあれば、早めに対処してあげましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.ご飯の量が足りない

カメラを見上げる食べたい猫

猫が常にご飯を食べたがるときは空腹の可能性が高いです。ご飯の量が足りているか確認しましょう。

基本的には、パッケージに記載されている給与量を与えていれば十分ですが、運動量によってお腹の空き具合も必要なエネルギー量も異なります。さらに年齢や健康状態なども考慮して、適切な量を決める必要があります。

パッケージに記載されている給与量はあくまでも目安ですから、愛猫の体重を確認しながら量を調整しあげましょう。

ダイエット中や量が足りているという場合は、食事の回数やタイミングを見直すことをおすすめします。

食事の量や回数に悩んだら、獣医師に相談すると良いでしょう。

2.栄養が不足している

野菜に顔を近づける猫

猫にとって必要な栄養が不足している場合にも、常にご飯を欲しがるようになります。

通常、年齢に合った総合栄養食のキャットフードを与えていれば、栄養が不足することはありません。

しかし手作りのご飯や一般食を与えている、おやつばかり食べているといった場合は注意が必要です。なんらかの栄養素が不足しているのかもしれません。

とくに手作りのご飯で猫に必要な栄養を満たすのは犬よりも難しく、栄養不足に陥ってしまうケースも少なくないようです。

またウエットフードは一般食が多く、気付かないうちになんらかの栄養素が不足している場合も考えられます。

食事の量は足りているはずなのにずっとご飯を要求される、といった場合は食事の内容を確認し、必要に応じて見直しましょう。

3.病気で食欲が増している

病気で寝ている猫

猫がずっとご飯を要求する原因として注意しなければいけないのが「病気」です。たとえば以下の病気が考えられます。

  • 甲状腺機能亢進症
  • 糖尿病
  • 認知症
  • 脳の病気(脳炎脳腫瘍など)

甲状腺機能亢進症では、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで多くのエネルギーを消費するため、食欲が増します。糖尿病では、必要な糖分を吸収できなくなることで体が飢餓状態になり、食べ物を欲しがるようになります。

また認知症や脳の病気で食欲が増すのは、脳の機能低下や満腹中枢の麻痺が原因で食欲がコントロールできなくなるためです。

老猫が異常にご飯に執着するようになった、急に食欲旺盛になったといった場合は動物病院を受診しましょう。

4.ストレスによる過食

丸くなって寝ている猫

愛猫にとって適切な食事を与えている、病気の可能性もないというときは、ストレスが原因かもしれません。

猫のストレスサインのひとつに「食欲不振」がありますが、逆に食欲が旺盛になることもあります。食べることでストレスを発散しているのでしょう。

猫のストレスの原因には、生活環境の変化、同居猫との不仲などが考えられます。また運動不足や遊びが足りずストレスを溜めることもあります。

猫は私たち人間が思っている以上に繊細です。日頃から愛猫の様子を観察し、快適な生活環境を整え、短時間でも良いのでいっしょに遊ぶ時間をつくるようにしましょう。

まとめ

食器の前に座る2匹の猫

猫の食欲が増すのは、一見すると良いことのように思えますが、実は良いことばかりではありません。食事の量が足りない、栄養不足が原因なら食事の量や内容を見直すことで解決できますが、深刻な病気が隠れている場合はそうもいきません。

猫の食欲がないのも、旺盛すぎるのも病気のサインとなり得ます。食事に問題がないにもかかわらず、頻繁にご飯を要求するようになったら、動物病院を受診することをおすすめします。

また同時に、安心して食事ができる環境を整えることも大切です。

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