猫にとっての『良い食器・悪い食器』2つの特徴 実は重要な食事タイムの分かれ道

猫にとっての『良い食器・悪い食器』2つの特徴 実は重要な食事タイムの分かれ道

何気なく選んでしまいがちな猫の食器ですが、実は猫にも食べやすい食器や身体的に好ましい食器があるのをご存じでしたか?猫に合わない食器は、食べるときに身体の負担になってしまうこともあるのです。特に高齢になってくると、食器が原因で食欲不振になることも考えられます。猫に適した良い食器と悪い食器の特徴を知って、愛猫に合った食器を選んであげましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫にとって「良い食器」の特徴2つ

食事中の猫

猫用の食器にはいろいろな色や形がありますが、ここでは猫が食べるときに負担の少ない食器を「良い食器」と考えます。

ここでは良い食器の特徴を2つ紹介します。

1.高さがある

器を床に置いている家庭もあるかもしれませんが、猫には、底に適度に高さがある食器がおすすめです。

猫の座高や好みによって変わりますが、一般的な成猫のサイズであれば、高さは8~12cmほどあれば十分でしょう。

猫の食道は、地面と平行になっていて、食べるときに下を向いてしまうと食道に食べ物がたまりやすくなります。そのため、不要な食べ物が食道に溜まっていると、吐き戻ししやすくなってしまうのです。

ただし、食器自体に高さを設けている食器は、メーカーが限られます。食べるときに食事台を使用するのも良いでしょう。

2.ヒゲの当たらない大きさ

ヒゲは繊細な感覚器官なので、猫はヒゲが汚れるのを嫌います。そのため、食器のサイズは、ヒゲが当たらない大きさがある食器を選ぶようにしましょう。

ただし、直径に対して深さがあるお椀のような器は、食べ物がヒゲに触れないので猫に向いているように見えますが、今度は器の方にヒゲが触れてしまいます。

猫は食べるときに、ヒゲが当たると気が散ってしまうので、食べること自体やめてしまう可能性もあります。

猫にとって「悪い食器」の特徴2つ

お皿からフードを食べる猫

「悪い食器」は、猫が集中して食事を楽しめないような食器を指します。

空腹な猫は、なんとか頑張って食べようとするかもしれませんが、できれば改善したい食器の特徴です。

1.平らなお皿

猫は舌を使って食事を舐めとるため、食べ物はだんだん手前から奥へ移動してしまいます。

その際に、向こう側へ食べ物を落とさないためには、適度な深さが必要です。

だいたい3〜4cmくらいの深さがあれば、ドライでもウエットでも問題ないでしょう。

平らなお皿のように浅すぎる食器は、食べ物が逃げてしまい食器周辺を汚してしまいますし、あまりに底が深い食器は、猫の舌と食器の角度が合わずに食べにくいので避けたほうがよいでしょう。

ただし、鼻ぺちゃの猫種は、ドンブリ型よりも平たいお皿の方が食べやすいかもしれません。

2.ステンレスやプラスチック素材

ステンレス製の食器は人間から見ると、洗いやすくて割れないなどのメリットもあります。

しかし、猫にとっては表面が滑りやすく食べにくい、光を反射しやすいなどのデメリットがあります。また、熱伝導が悪く温まりにくいので、冬場は冷たくなってしまうことなどから、いろいろな素材の食器の中では、あまり好まれない傾向にあります。

また、プラスチック製の食器は、細かいキズなどから雑菌繁殖しやすく、ニオイが残りやすい、軽すぎてひっくり返しやすいなど衛生面での懸念があるのでできれば避けたい素材です。

「良い食器」がないときの対処法

カラフル食器

食器の良し悪しがわかっても、すぐに交換できないケースもあるでしょう。

すこしでも改善したいなと思ったら、次の対策を試してみてください。

  • 食器が低い→食器の下に台を作る
  • 平らなお皿→奥側が高くなるよう傾斜をつける
  • 素材が合わない→人間用の使わない器を代用

ただし、神経質な猫には、新しい食器とこれまでの食器を並べて使うようにしてください。

どんなに「良い食器」でも、これまで使用していた食器からガラリと替わると、警戒して食事を拒否してしまうケースもあるためです。

まとめ

コース料理を待つ猫

猫にとっての食器の良し悪しは、基本的に食べやすいかどうかがポイント。食べるときに頭が下がらない高さ、ヒゲの当たらない大きさや深さが大切です。

食器の素材は、ステンレス、プラスチック、陶磁器などさまざまですが、汚れが落としやすい材質を選びましょう。定期的に熱湯消毒や電子レンジであたためをするなら、陶磁器がおすすめです。

今回は一般的な良し悪しを紹介しましたが、具体的な高さや大きさなどの要素は猫によって変わります。

猫が食べている様子を見て、吐き戻しはないか、食べにくそうにしていないかなどを定期的に観察してあげるようにしましょう。

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