猫の『ティッキング』って何?被毛の特徴や魅力を解説 どんな猫種に多く見られる?

猫の『ティッキング』って何?被毛の特徴や魅力を解説 どんな猫種に多く見られる?

猫の毛色は基本となる8色をベースに、柄などを組み合わせると24色の毛色に分類できるとされています。そのひとつにティッキングがあります。ティッキングとは1本の毛に複数の色が混在している状態のこと。今回はこのティッキングの魅力について、そしてティッキングを持つ猫種について詳しく解説します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の毛色ティッキングとは?

立ち姿のビシニアン

猫の被毛には、1本の毛が2〜4色のグラデーションになっているものがあります。このような被毛を「ティッキング」と呼びます。ティッキングの被毛は、毛先だけに色素を沈着させる「ティッキング遺伝子」の働きによるものです。本来の毛色は毛先の色だとされています。

ティッキングは、毛先に色がある「ティップド」と、2〜4色からなる縞模様の「タビー」の2種類があります。毛先にいくほど色が濃くなるのが特徴です。またティッキングにはカモフラージュの役割もあります。

ちなみに猫の祖先であるリビアヤマネコの被毛もティッキングだと言われています。

ティッキングの魅力

正面からのソマリ

ティッキングは、トラ柄のようなくっきりとした縞模様とは異なり、波打つような美しいグラデーションで細かい縞模様が魅力的な被毛です。

とくに光が当たったときの光沢が美しく、ティッキングの光り輝くような被毛は、光沢のある高級な織物を見ているようだと評されることもあるほどです。

見た目の美しさが、ティッキングならではの魅力と言えるでしょう。

ティッキングの猫種

立ち姿のシンガプーラ

ティッキングの被毛を持つ猫種は数が少なく、代表的な猫種にはシンガプーラ、アビシニアン、ソマリがいます。

共通しているのは手触りの良い被毛と、光の加減でキラキラと光り輝く美しい被毛の持ち主だということです。

それぞれの猫種についてもう少し詳しく見ていきましょう。

シンガプーラ

シンガプーラは1970年にシンガポールで発見された比較的新しい猫種です。世界最小の猫として知られており、標準的な体重は2〜3kg。猫の平均体重が3〜5kg程度ですから、とても小さい猫だということがわかりますよね。

小さな体に大きな目と耳が印象的な愛嬌たっぷりの外見はまるで子猫のような印象を受けます。甘えん坊で優しく、好奇心旺盛な性格でほとんど鳴かないので集合住宅でもお迎えしやすい猫種です。

シンガプーラの被毛は、シルクのようななめらかな手触りで、毛色はセピアアグティのみです。動きや光の当たり方によってキラキラと光り輝く美しい被毛は、ティッキングならではと言えるでしょう。

アビシニアン

クレオパトラに愛された猫、バステトの化身としても知られているアビシニアン。世界最古のイエネコとも言われています。

性格はとにかく甘えん坊。人懐っこく、人見知りもしません。飼い主さんとのコミュニケーションを好み、取ってこい遊びもお手の物。まるで犬のような性格の持ち主です。

被毛はレッド、ルディ、ブルー、フォーンが基本で、ヨーロッパではシルバーやチョコレート、ライラックなどの繁殖もおこなわれています。

またアビシニアンの被毛は3〜4色からなるティッキングで、光の当たり方で見え方が微妙に変わるのも魅力です。子猫のときは首、足、尻尾にうっすらと縞模様が見られ成長とともに薄れていくのも特徴です。

ソマリ

ソマリは突然変異で生まれた長毛のアビシニアンがルーツの猫です。性格は好奇心旺盛で物おじをせず、活発で協調性が高く飼い主さんとのコミュニケーションを好む傾向があります。そのため「犬のような猫」と言われています。

被毛はやわらかくなめらかな手触りが心地よく、代表的な毛色は「レッド」「ルディ」「ブルー」「フォーン」の4種類です。ソマリの被毛は、3色の明るい色と暗い色からなるティッキングで光の加減によって、色の見え方が微妙に変化します。

大変活発な猫種のため飼育には十分な広さと、キャットタワーなどの上下運動ができる環境が必要です。

まとめ

カメラ目線のアビシニアン

ティッキングは、1本の毛の色が2〜4色のグラデーションで、光の当たり具合によってキラキラと光り輝いて見えたり、毛色が微妙に変化して見えたりする美しくも不思議な被毛です。

ティッキングの猫でも、毛の長さや、毛色、グラデーションの色数によって見え方はさまざまです。ティッキングはとても繊細な毛色とも言えるでしょう。

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