愛猫が「認知症」かもと思ったら見るべきチェック項目
猫界においても高齢化が進む現代、もはや認知症は人間だけの病気ではありません。中~高齢の猫は、猫種を問わず認知症を発症する可能性があります。
今回は、認知症を疑うべきサインを5つ紹介いたします。シニア猫と暮らす飼い主さんはもちろん、まだまだ若い猫と暮らす飼い主さんもこれからに備えて参考にしてみてください。
1.食事の催促頻度
認知症を発症すると、直近の出来事を記憶することが困難になります。それが顕著に現れるのが、食事の催促の頻度です。
今さっき食べ終えたばかりなのにという状況ながら、まるで貰っていないかのように欲しがります。
こればかりは仕方がない現象です。認知症の診断が下った場合は、気持ち程度のキャットフードを与えられる量を考慮しながら食事を用意してみてください。
2.徘徊の有無
これも定番の症状なのですが、認知症を患うと「徘徊」という行動が目立つようになります。これは、明確な目的地が不明なままウロウロするものです。
猫の場合は同じルートを行ったり来たりすることを繰り返したり、円を描くように歩き回ります。
年齢柄、視覚や聴覚が衰えている場合も多いので、可能な限り障害物をなくしておきましょう。テーブルや椅子の足には柔らかい布などを巻き付けて保護しておくと安心です。
3.トイレの失敗の回数
最初に記憶のお話が出てきましたが、猫の認知症における記憶障害は他にもあります。
例えば、住み慣れた家にも関わらず、トイレの場所が分からなくなり失敗が増えることです。
嗅覚が優れた猫も例外ではなく、やはり混乱を来たした結果、粗相をしてしまう場面が生じるでしょう。
トイレと誤解しやすいポイントにペットシーツを敷いておいたり、大きめのサークルの中で生活させるなどの策を講じてみると良いでしょう。最終的にはオムツの活用も視野に入れてみてください。
4.夜鳴きや無駄鳴きの頻度
猫が認知症を発症した場合、これまでとは明らかに違う鳴き声を上げる場面も増えてくると思います。特に多いのが「夜鳴き」や「無駄鳴き」です。
なぜ多くなるのかというと、その根底には不安があります。迎えたばかりの子猫が抱く寂しさや不安とは異なり、様々なことがわからなくなる恐怖や違和感などが主な原因です。
少々大変だと思いますが、愛猫の鳴き声が聞こえたらそばに寄り添い、優しく声をかけてあげてください。飼い主さんが誰かということが曖昧になってしまったとしても、安心できる相手であることが理解できれば不安が解消します。
5.意欲の減退の有無
最初はしつこいくらいに催促していたご飯も、認知症が発症することで、やがては食べなくなってしまいます。先述したような声をあげて鳴く機会も徘徊も、最終的にはなくなるでしょう。
これは意欲の減退で、食事を取るという目的すら見失ってしまいます。これは命にも関わることなので、獣医さんと相談する中で今後の方針(栄養補給の手段など)を検討していくことになるでしょう。
まとめ
猫が長生きできる時代になったことは喜ばしいことですが、その反面、認知症という病気と向き合うことになる飼い主さんが今後は増えていくことでしょう。
残念ながら、認知症自体を根治させる治療法はありません。発症した場合は、ここで紹介したような症状や行動に合わせた対応が必要になります。
ただ、その都度不安を和らげる薬などは活用できるので獣医さんに相談しながら介護をしてあげてください。
ちなみに、認知症はある程度予防していくことが可能です。その1つが、不安要素を増やさない生活です。
日頃から適度なスキンシップやコミュニケーションを取ることを大切にし、愛猫が穏やかな気持ちで過ごせる環境を整えてあげてください。
最後に、今回ピックアップした症状や行動は認知症以外の病気でも起こり得るものです。「もしかして…」と思ったら、まずは動物病院を受診してください。