猫が『分離不安症』かもしれない症状3つ 飼い主がとるべき行動とは

猫が『分離不安症』かもしれない症状3つ 飼い主がとるべき行動とは

「分離不安症」は犬の病気として知られていましたが、近年では猫の病気として耳にする機会も増えました。今回は、猫が「分離不安症」かもしれない症状と、その際に飼い主がとるべき行動について解説します。ぜひ愛猫の様子と比較しながら判断してみてくださいね。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

分離不安症は、飼い主さんがでかけたり別の部屋へ長時間移動したりした際に、孤独等の強い不安を感じたことで、そのストレスから自分を傷つけたり、粗相をするなどの症状が見られることをいいます。

今回は、猫がこの「分離不安症」かもしれない症状や、そのとき飼い主がとるべき行動について解説します。愛猫に対して(もしかして分離不安症かな?)と感じている場合は、ぜひ参考にしてみてください。

猫が「分離不安症」かもしれない症状とは

椅子を壊そうとする猫

愛猫が「分離不安症」かも…と心配になったら、以下のような症状が見られないかどうか、確認してみましょう。

1.モノを壊す

猫が「分離不安症」かもしれない場合、不安や不満がMaxになると、その感情をモノにぶつけてしまう可能性があります。

普段使用しているおもちゃや飼い主さんが使用しているもの、家具などに気持ちをぶつけることで、ストレスを発散しようとするようです。

2.誤飲する

上記の症状と関連して、おもちゃの一部などを誤飲してしまうこともあります。

タオルの一部などのやわらかいものはもちろん、思いがけないものを飲み込んでしまい、手術が必要となる可能性もあるため、注意が必要です。

3.過剰なグルーミング

ストレスから過剰にグルーミングしてしまい、一部がはげてしまったり炎症を起こしてしまうこともあります。

他の病気の症状としても挙げられることがありますが、分離不安症の症状の1つの可能性も考えられるため、日頃からよく観察するようにしましょう。

「分離不安症」かもしれない症状が見られた時に飼い主がとるべき行動とは

猫とケージ

ここまでは、猫が「分離不安症」かもしれない症状についてご紹介してきました。

これらの症状がある場合、猫の住環境について見直すことで症状が改善する場合があります。程度に差はありますが、まずは下記の対策を試した上で、改善がみられない場合には動物病院の受診をおすすめします。

安心できるテリトリーをつくる

まず初めに試していただきたいのは、「猫が安心できる環境づくり」です。

たとえば、猫用トイレを置くことができるような大きめのケージを用意し、飼い主さんが家の中にいるかどうかに関わらず、一日数時間はケージの中で過ごさせるようにします。

最初は飼い主のにおいを感じられるような物をケージ内に入れるなど工夫し、食事や水分補給もケージ内で済ませられるようにします。

高い所から周りを見渡せるように高さのあるケージを使用すると、さらに安心度が高まるようです。

留守番に慣れてもらう

猫は、飼い主が長時間留守にするのか、短時間で帰ってくるのかを状況によって判断しているともいわれています。

留守番に慣れていない猫の場合、家の中に一人でいるという状況が不安の原因になってしまうこともあります。そのため、まずは短時間の留守番から始めて、留守番自体に慣れさせることが大切です。

少しずつ留守番の時間を長くするようにしたり、帰宅した後も過度に褒めたりせず、普通に接するように心掛けましょう。

外出前のルーティン行動を避ける

飼い主や家族が外出前に行う行動(鍵をジャラジャラ鳴らす、バッグを用意する、上着を羽織るなど)を猫が外出と結び付けてしまうと、実際に出かける前から寂しさや孤独を感じてしまうことがあります。

「ルーティン行動=外出」だと認識されないように、鍵を持っても移動するだけ、バッグを用意しても洗濯をするだけなど、飼い主さんが意識的にルーティン行動を避けて外出を悟られないようにすることも効果的です。

まとめ

毛づくろいをする子猫

今回は、猫が「分離不安症」かもしれない症状と、その際飼い主がとるべき行動についてご紹介しました。

分離不安症は特に若い猫によくみられ、その原因は1歳までにつくられるともいわれています。飼い主さんが留守の間に起こったことがトラウマになってしまうこともあるようですが、まずは対処法を試してみた上で、改善しないようであれば専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

愛猫との健やかな生活に向けて、愛猫がみせる小さな変化も見落とさないように気を付けていきましょう!

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