猫に『とうもろこし』を与えるメリット・デメリット3つ!与える場合の加工方法や注意点も

猫に『とうもろこし』を与えるメリット・デメリット3つ!与える場合の加工方法や注意点も

とうもろこしを好きな猫は意外と多いものです。「与えても大丈夫?」と心配する人いますが、猫に有害な成分はとうもろこしに含まれていません。ただし与え方の注意点やメリットとデメリットも把握しておきましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.貴重なビタミンB群が摂取できる

とうもろこしと猫

猫は、必要以上のビタミンを体内に蓄えておくことができません。

しかし、ビタミンBは健康な体調をキープするのに必要な栄養素で、なかでもビタミンB1は、炭水化物を代謝してエネルギーに変えたり、心臓や肝臓、腎臓といった臓器の働きを正常化したり、猫の健康に大きな役割をもっています。

しかも、猫は犬の5倍もビタミンB1を必要とする動物なので、猫にとっては適量をきちんと摂取したい栄養素なのです。

とうもろこしにはビタミンB群が含まれていて、中でもビタミンB1とB2が豊富です。神経の伝達や成長促進、疲労回復にも役立つので、猫にとって摂取するメリットはあります。ただし、『ビタミンB群を期待するなら、とうもろこしの胚芽までも食べないと意味がない』ということも知っておきましょう。

また、とうもろこしのヒゲを好む猫もいますが、ひげや葉っぱは与えるのは禁止です。特に中毒成分は含まれていませんが、消化不良の原因となるほか、農薬やカビの付着も懸念されるからです。

2.糖質の過剰摂取のリスク

とうもろこしを必死に食べる肥満ぎみの猫

糖質の過剰摂取は、猫でも肥満を招きます。とうもろこしは糖質が多く、他の根菜類に比べても高カロリー。多量に与えると、糖尿病や呼吸器不全など、さまざまな病気のリスクも高くなってしまいます。

また、とうもろこしにはカリウムも含まれています。カリウムは余分な塩分を排出し、血圧を下げる力ももちますが、必要以上のカリウムを摂取するのは逆に体に負担がかかります。腎臓で処理が追いつかなくなり、腎臓病の発症リスクにつながってしまうのです。

腎臓病は猫がかかりやすく、死亡率も高い病気です。猫にとって、カリウムを摂取しすぎても、不足しすぎてもよくありません。そのため、腎臓病や持病のある猫にとうもろこしを与えるときは、かかりつけの医師に相談してから与えると安心です。

3.「食物繊維=整腸作用」は賛否両論

コーンを食べる猫

とうもろこしには、食物繊維が豊富に含まれています。もっとも含有量が多いのは、ひと粒ひと粒を包んでいる皮の部分。ここに含まれるセルロースという食物繊維は、水に溶けない不溶性食物繊維です。

基本的に食物繊維は、排便リズムや腸環境を整える働きがあるとされていますが、過剰摂取は便を硬くしてしまうことを把握しておきましょう。

また食物繊維が豊富とされる薄皮の部分ですが、猫にとうもろこしを与えるときには、薄皮部分を取り除くことが推奨されています。猫の喉は人間よりも細いため、喉に詰まらせてしまう危険性があるからです。

もし、食物繊維を期待するなら、とうもろこしの薄皮をすり潰したり、細かく刻んだりする等の下処理をする必要があります。

与える場合の加工方法や注意点

トウモロコシを舐める猫

猫に与えても良いとうもろこしの量は、1日に1粒か2粒程度にとどめるのが安心です。また生のままでは皮は固いので食べにくく、体内に入っても消化器官に負担がかかるので、必ず火を通しましょう。

調理方法としては、茹でるだけでなく、電子レンジでも、蒸すでも、実がしっかり加熱できていれば大丈夫です。そして、先述したように、茹で上がったとうもろこしでも薄皮ははずしましょう。葉やひげ、芯をあたえるのも禁止ですよ。

また、とうもろこしはとうもろこしでも、缶詰めのものはNGです。人間の嗜好にあわせて加工してあるため、思っている以上に塩分過多です。もちろん、とうもろこしを加工したポップコーンや市販のポタージュスープも禁止です。

猫に与えても良いのは、素材の状態のとうもろこしであることをお忘れなく。

まとめ

トウモロコシと猫

とうもろこしは、猫にとって絶対に必要な食材ではありません。与えるときは、調理方法や分量を守って、安全な範囲であたえましょう。

なお、とうもろこしは穀物です。猫の中には穀物アレルギーの子もいて、グレインフリー(穀物不使用)のキャットフードが売っているほど。そのため、愛猫が穀物アレルギーの場合は、絶対にとうもろこしは与えないようにしてくださいね。

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