1.母猫から早く離された
ウールサッキングは、生後1ヵ月半までの早い時期に母猫から離された猫に多い傾向があると言われています。母猫や兄妹猫からの離乳、社会化、自立を段階的に踏めなかったために、毛布などをかじってしまうのです。やわらかいものをかじることは、母猫のおっぱいを吸うという行動に似ています。安心感を得ているのでしょう。
また、飼い主がいる目の前でのみウールサッキングする場合は、飼い主の気を引こうとする行動であることもあります。この場合も寂しさからの行動で、甘えたい、構ってほしいという気持ちがあるのです。
2.ストレスを抱えている
猫はストレスに弱い動物です。特に環境の変化は苦手で、移動や引っ越しが大きなストレスとなり、それがウールサッキングの原因になってしまう場合があります。
他にも、飼い主の生活リズムが変わったり、家族構成に変化があったり、工事など外からの大きな音もストレスになります。この場合は、ストレスの要因を取り除いたり、それができない場合は、隠れ場所を設ける、以前から気に入っていたものを置く、知育トイなど他に気を取られる安全なものを用意する、以前から慣れている人を中心にお世話するなどして、少しでも猫が落ち着いて暮らせるよう工夫してあげましょう。
3.病気によるもの
ウールサッキングの要因は、心の不調によるものだけでなく、体の不調から起こることもあります。胃腸の調子が悪いために異物を口にしたくなったり、歯の具合が悪く何かを噛みたくなるなどです。
また、分離不安症や不安障害、常同行動といって心の病気からウールサッキングをしてしまうこともあります。
様子がおかしいと感じたら、動物病院で診てもらって下さいね。
ウールサッキングが体に及ぼす影響は?
ウールサッキングは、布類の誤飲を特徴としますが、段ボールやビニールなどを食べてしまう異嗜行動を示すこともあります。これらはいずれも消化されず、体内で詰まると腸閉塞を起こす恐れがあるのです。そうなると、手術が必要になったり、命を落としてしまったりすることもあります。
猫がウールサッキングをしていたら、なぜそのような行動が起こるのかを突きとめ、その要因を排除しなければいけません。猫が暮らす環境を整え、飼い主が遊んであげたりスキンシップをとって心の平安を保ってあげることも大切です。
ウールサッキングをしていたからといって、叱るのは絶対にやめて下さいね。また、猫が口にいれてしまいそうなものは片付けておきましょう。
まとめ
今回は、猫が「ウールサッキング」する理由について解説しました。
単なる好奇心から噛んだり吸ったりしているうちにウールサッキングすることが癖になってしまう場合もありますが、大抵そこには心の不調が隠れています。つまり、ウールサッキングをやめさせるには、猫が抱えている不安に気づいてあげる必要があるのです。
あまりにもウールサッキングがやめられない様子で違和感を感じたら、すみやかに動物病院で相談しましょう。猫の心の不調は飼い主だけでは手に負えない場合がありますし、手遅れになってしまうのは避けなければいけません。
まずはウールサッキングをしてしまうようになった原因を突き止め、可能な限り猫のいる場所から排除して環境を整えることから始めてみることをおすすめします。