猫に『プロテイン』って必要?3つの効果と注意点

猫に『プロテイン』って必要?3つの効果と注意点

タンパク質を効率的に摂取できるプロテインドリンクを日常的に飲むという方も多いかと思います。今回は、猫にもプロテインが必要なのか、また、注意したいポイントについてもご紹介します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

猫にもプロテインは必要?

猫とフード

プロテインは日本語でタンパク質のことで、人間と猫、どちらにとっても必要不可欠な栄養素の1つです。

特に、最近では人間の健康維持やボディメイクなどにおいてプロテインに対する注目度が高まっており、さまざまな種類やフレーバーのドリンクやサプリメントが登場しています。

肉食動物である猫にとって、タンパク質は重要なエネルギー源です。キャットフードにも多くのタンパク質が含まれていますし、年齢や活動量などによってはより多くのタンパク質を摂取する必要があります。

タンパク質には他にも役割があるので、十分なタンパク質を摂取することで、猫にとってどのような効果があるのかをご紹介していきます。

1.筋力の成長と維持

プロテイン

猫も人間と同様に、筋肉が作られるのにタンパク質が必須です。筋肉が作られる成長期にはとても多くのタンパク質を必要としますし、成猫になってからも筋肉を維持するためにタンパク質が必要です。

猫も年齢とともに筋力が低下しますが、シニアになってからも十分なタンパク質を与えることによって、できるだけ筋肉がおちるのを防ぐことができます。

2.皮膚や爪の健康、毛艶を保つ

毛づくろい

猫の皮膚や爪、被毛を構成するコラーゲンやケラチンなどもタンパク質の一種です。

タンパク質が不足すると、皮膚が弱くなったり毛がパサついて毛艶が悪くなったりします。

3.シニア期の健康を守る

体重計と猫

猫でも年齢を重ねるごとに筋力が低下することは上記で述べた通りですが、シニア猫では筋力の低下は生活の質を大きく低下させ寿命にも影響します。

食べる量が減ることも多いシニア猫では、十分なカロリーとタンパク質を摂取できる食事を与えることが健康で過ごすためにとても重要です。

一方で、高齢になると腎臓機能が低下して慢性腎臓病を患う猫がとても多くなります。腎機能が低下している状態で多くのタンパク質を摂取すると、老廃物の排泄を行う腎臓に過度の負担をかけてしまうため、慢性腎臓病の猫では一般的にタンパク質の摂取量を制限します。

ただし、過度な制限も良くないため、どのような食事をどれ位食べさせれば良いのか、獣医師と相談しましょう。

タンパク質を与える際の注意点

プロテイン

上記ではタンパク質の役割についてご紹介しましたが、基本的に猫が必要なタンパク質は食事から摂取させます。そのため、成長段階や活動量、持病に合わせたフードを選ぶことが最も大切です。

食事以外にタンパク質をさらに与えたい場合には、猫用のサプリメントを活用しましょう。人間用のプロテインドリンクやサプリメントは猫に与えてはいけません。

人間用プロテインドリンクには、ホエイやカゼインという乳タンパクを含む製品が多く、それらには乳糖が含まれているものが多くあります。猫は乳糖を分解する酵素を持っていないといわれているため、人間用のプロテイン製品は猫には適さないのです。

また、人工甘味料やチョコレートなどの猫にとって危険だったり不要な成分が含まれていることが多い点からも、人間用プロテイン製品は猫に向きません。

海外では猫用のホエイプロテインのサプリメントが売られています。これは、ホエイプロテインアイソレートと言われるもので、乳糖や脂肪などが取り除かれたホエイプロテインです。

タンパク質はアミノ酸から出来ていて、プロテインの種類ごとに含まれるアミノ酸が異なります。目的によって摂取すべきアミノ酸は違いますので、「毛艶を良くしたい」「筋肉をつけさせたい」など、何のためにタンパク質をさらに摂取させたいのかを伝えて動物病院やお店で相談すると、適切なプロテインサプリメントを選んであげられるでしょう。

タンパク質の与え過ぎは肥満の原因になりますので、サプリメントでタンパク質を強化する場合には適量を守りましょう。

まとめ

プロテインと猫

プロテインとはタンパク質のことで、猫の健康管理にも必要な栄養素です。

多くのタンパク質を必要とする猫には、基本的に食事からタンパク質を摂取させましょう。そのためには、成長段階や活動量などに合わせた猫用フードを選んであげることが重要です。

慢性腎臓病の猫にはタンパク質を多くは与えたくありませんし、タンパク質の与え過ぎは肥満の原因ともなります。そのため、フード以外でさらにタンパク質を摂取させたい場合には、何のために何をどの位与えるのかを専門家に相談すると良いでしょう。

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