猫に「コラーゲン」が有用な理由
猫の健康にも「コラーゲン」が有用、と冒頭で書きましたが、コラーゲンの具体的な働きには以下のようなものがあります。これらは猫において調べられた結果ではなく人において言われていることですが、猫でも大体同じことが言えると思います。
皮膚と被毛の健康をサポートする
コラーゲンは、皮膚の中でも表皮の下にある真皮を構成している主な成分です。そのため、コラーゲンを積極的に摂取することで、皮膚に弾力を与えハリのある若々しい皮膚を作ることが期待できるでしょう。
またコラーゲンの摂取によって、被毛が太く丈夫になる効果が期待できるかもしれません。
骨や関節の健康をサポートする
コラーゲンはカルシウムが沈着するための骨の土台であると同時に、関節を滑らかに動かすために重要な軟骨の成分でもあります。しかしコラーゲンは、老化とともに減少してしまいます。
高齢の猫が今までよりも遊ばなくなったり、高い場所に登らなくなったりするのは、年をとって興味がなくなったのではなく、「変形性関節症」を患っている可能性があります。とくに、7歳以上の猫は要注意です。
そのような場合、炎症や痛みを抑えてあげる治療をしたり、コンドロイチンやグルコサミンを補給してあげたりしますが、コラーゲンを積極的に摂取することも症状の緩和に役立つかもしれません。
猫にコラーゲンを摂取させる方法
では、猫に「コラーゲン」を摂取させるには、どのような方法があるのでしょうか。
実はコラーゲンはたんぱく質の一種です。また、口から摂取したコラーゲンは消化の過程でアミノ酸などに分解されて吸収されますので、摂取したコラーゲンがそのまま体内でコラーゲンとして利用されるわけではありません。
ですから基本的には、良質なフードを適量与えていれば必要なコラーゲンは体内で作られます。しかし年齢によって作られる量が減ったりコラーゲンをより強化してあげたい場合には、以下のような方法でコラーゲンを与えることができるでしょう。
1.コラーゲンサプリメントを与える
猫用のサプリメントには様々な種類がありますが、コラーゲンのサプリメントも存在します。
猫にコラーゲンを与える場合は人間用ではなく、猫用のサプリメントを与えましょう。
サプリメントを与える場合、指示された量を守って過剰摂取とならないように注意することや、バランスのとれた食事も猫にしっかり食べてもらうことが大事です。
病気を持っている猫や療法食を食べている猫、アレルギーや体質に合うかどうかなどが気になる場合は、動物病院に相談をしてからコラーゲンサプリメントを与えましょう。
2.コラーゲン入りのフードを与える
最近は、コラーゲンが含まれているキャットフードもありますので、コラーゲンを特に強化した場合にはそのようなフードを活用するのもいいでしょう。
しかし突然キャットフードを変えると猫がお腹を壊してしまうことがありますので、新しいフードを与えたい場合は、今までのフードに少しずつ新しいフードを加えて1週間ほどかけて切り替えます。
なお、病気の治療や予防のために療法食を与えるように獣医師から指示されている場合は、くれぐれもその指示に従ってください。
まとめ
猫にとってコラーゲンは、皮膚や被毛、骨や関節の健康をサポートする働きがあると考えられます。老化などによって猫の体内のコラーゲンが減少した場合には、コラーゲンを補給してあげると皮膚や関節の保護に役立つかもしれません。
たんぱく質の一種であるコラーゲンは、適切なフードを与えていれば体内で合成されますが、猫用のコラーゲンサプリメントやコラーゲンが配合されたキャットフードを利用することで猫にコラーゲンを積極的に与えることもできます。
たんぱく質であるコラーゲンを多く与えない方が良い場合もありますので、猫にコラーゲンを与えたいと思っている方は、まず動物病院に相談しましょう。