猫が「衰弱」しているサインと対処法
猫が明らかに弱っている、すなわち「衰弱」している時にはどのようなサインが見られるのでしょうか。
ここでは見逃さないでほしい5つのサインと、それぞれの対処法について紹介いたします。
1.くしゃみ、鼻水、粘り気のある目やにがある
連発するくしゃみ・鼻水・粘り気のある目やになどは、猫風邪の代表的な症状です。いわゆる人間の風邪と似ているものの、静養だけでは治りにくいという特徴があります。
「風邪かな?」という症状に気がついたら、翌朝には診察を受けてください(子猫の場合は夜間でも受診しましょう)。
2.耳、肉球など体が熱くなっている
猫の耳や肉球は、他の部位と比べて体温を感じやすい箇所です。猫の眠気が強い時もほんのり温かくなるのですが、明らかに熱いと感じる場合や、体も熱いと感じる場合は発熱しています。その場合、猫風邪やその他の感染症などが疑われるので、病院で診察を受けてください。
熱中症の可能性が高い場合は応急処置が必要です。愛猫の体をタオルでくるみ直接水をかけます。さらに脇の下や足の付け根を氷嚢で冷やします。(なければ保冷剤でもOK)
氷嚢や保冷剤は直接当てず、必ずタオルで包んでください。この処置を行ったうえで病院に連絡しましょう。
3.極端に体温が低い
猫の体は、37.2℃以下の体温になると危険です。いわゆる「低体温」と呼ばれる状態になります。
ご自宅では体温測定が困難な場合もありますので、先ほど紹介した部位が極端に冷たい、意識がもうろうとして反応が鈍いなどが判断材料になります。
やはり一刻を争う状況なので、すぐに診てもらいましょう。かかりつけの病院が遠い場合は、最寄りの病院に連絡してください。
通院の際は無理やり体温を上げようとはせずに、厚手の毛布でしっかりくるんで熱を逃がさないようにしましょう。「これ以上低下させない」「今ある体温を維持する」ことを心がけましょう。
4.下痢や嘔吐を繰り返す
毛玉吐きではない嘔吐が続く、下痢が続くという症状が見られたら、早めに動物病院に連れていきましょう。
、下痢が続くという症状が見られたら、早めに動物病院に連れていきましょう。
消化器症状があらわれる病気は多々あるので、他にも気になる症状がないか観察してみてください。ある場合や、誤飲が疑わしい場合はその旨を伝えましょう。
また、急激な環境の変化(飼い主さん側の変化も含まれる)があった場合は、そのストレスも体調不良の原因になります。お話できる範囲で構わないので、環境の変化で猫にストレスを与えてしまったかもしれないことを獣医さんに伝えてください。
5.闘病中の猫や高齢猫が飲まず食わずになる
末期ガンや腎不全などの慢性疾患や、15歳を超える高齢猫が突然飲まず食わずになることがあります。
これは悲しいことに、お別れの時が近づいているサインです。猫は死期を悟り、その時が間近に迫った際には飲食をやめてしまいます。体にかかる負荷を軽減させるためです。
ここでの対処法に正解はありません。静かに見守るという選択もありますし、かかりつけの病院に電話で相談しても構いません。
高齢の猫と暮らすご家庭や、慢性疾患を抱えた猫と暮らすご家庭では、もしもの時の対応について一度よく話し合っておくことをおすすめします。
緊急性が高い「子猫衰弱症候群」
子猫がかかりやすい疾患の1つに「子猫衰弱症候群」というものがあります。これは、生まれた子猫が数日の間に命を落としてしまう現象です。
主な原因は、先天的な奇形や疾患がある・発育の遅れがある・感染症に罹っている・初乳が飲めなかった(母乳による免疫が得られない)、などです。
他の子猫に比べて体温が低い、ミルクが飲めないなどの状況もリスクファクターになります。
生後間もない子猫を保護した場合は、体温の維持・2〜3時間おきの授乳と排泄ケアが欠かせません。加えて、少しでも異変があれば夜間でも病院に連れて行きましょう。対処が早ければ助かる可能性も上がってきます。
しかしながら、何の前触れもなく亡くなるケースも珍しくありません。子猫はそれだけデリケートなのです。
まとめ
今回は、猫が「衰弱」しているサインとその対処法について紹介いたしました。
若くて健康的な成猫は、理由もなく弱ることはありません。(おかしいな…)と感じたら、すみやかにかかりつけの病院に相談してください。
高齢の猫や慢性疾患のある猫の場合は、いつ衰弱しても不思議ではない状況もあると思います。家族に連絡したり、かかりつけの病院に相談しておきましょう。
「子猫衰弱症候群」は緊急性が高いものになります。乳飲み子を保護した際は、夜間救急を含めた病院の候補を見つけておくと良いでしょう。
いずれの場合でも、愛猫が「衰弱」しているサインを目にしたら、出来る限りすみやかに対応できるよう、普段からこまめに愛猫の様子を確認しておきたいですね。