免疫力が低下すると起こる症状
免疫力はいわば、感染症から身を守るためのバリア機能です。特に寒い時期は免疫力が低下しやすくなります。
防御力が低くなった状況では、具体的にどのような弊害が生じるのでしょうか? そのような場合に起こり得る症状を4つ紹介いたします。
1.くしゃみ・鼻水・目やになど
最も多いのは、鼻や目に起こるトラブルです。これはいわゆる風邪で、猫の場合は「猫風邪」と呼ばれます。
子猫や高齢の猫は重症化する恐れがあるので、小さな症状でも診察を受けましょう。
2.下痢や嘔吐・食欲不振・元気がない
免疫力が低下すると、食欲不振や下痢・嘔吐といった症状が起こることもあります。人間も消化器症状が現れるとぐったりしてしまうように、猫も脱水や衰弱を起こします。
やはり「おかしいな」と思ったら、獣医さんに診てもらいましょう。
3.持病の悪化・再発
ヘルペスウイルス感染症である猫風邪は1度罹患すると、体内にウイルスが残ってしまいます。体内にウイルスが潜んでいるため、免疫力が落ちたタイミングで再び悪さをしてくるのです。
ヘルペスウイルスが体内で増えるとそれに伴い、喘息などの持病が再発、悪化する場合もあります。ストレスがかかったり、季節の変わり目や寒い時期には注意が必要です。
4.アレルギー症状
体のバリア機能が弱ってしまうと、アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状が起こる可能性があります。症状が重くなると、より強い薬を使わなければ対処できなくなってしまいます。逆にいえば、早期発見ができれば優しい治療薬から始められるので、異変があれば獣医さんに相談しましょう。
免疫力を高めよう!
免疫力は、日々の配慮やケアによってその機能を維持したり、高めたりすることができます。具体的な方法をいくつか紹介いたします。
ワクチン接種
猫風邪はワクチン接種によって予防することができます。ワクチンプログラムに沿って定期的に予防接種を行いましょう。室内のみの生活であれば、3種混合が推奨されています。とはいえ、猫のワクチンにも副反応が存在します。
メリット・デメリット・副反応について、獣医さんに積極的に質問してみてください。
ストレスフリーな生活
愛猫がのびのびと暮らせる環境であることは、それだけで免疫力の低下を防いでくれます。さらに、適度な刺激がある生活を送ることで、免疫力がアップします。
窓越しに外を眺める・キャットタワーで遊ぶ・愛猫が求めるタイミングでスキンシップをとるなどの行動を大切にしていきましょう。
早期治療につなげる
持病がある猫と暮らしている場合は、異変があればすぐに診察を受けるようにしましょう。早期治療に結びつけることで、悪化を防ぎます。
持病がない場合でも、体調に変化があれば早い段階で診てもらいましょう。優しい治療という選択肢があることで、薬の副作用が原因の免疫力低下を予防することができます。
完全室内飼育の徹底
猫を外出させないことも大切です。外の世界には危険が潜んでいますし、猫エイズや白血病ウイルスを持つ猫もいます。
保菌した猫との喧嘩を防ぐ(感染を防ぐ)意味でも、完全室内飼育を徹底してください。
まとめ
猫の免疫力が低下すると、風邪を引きやすくなる・元々の持病が悪化する(再発する)・アレルギー症状が出やすくなるなどの変化が生じます。実際に起きてしまった場合は、早めに診察を受けるようにしましょう。
そして普段から大きなストレスがかからないように心がけることで、心身共にバリア機能を高めておくことも大切です。
ちなみに人間は笑うと免疫力が高まります。愛猫と楽しく過ごすことは、お互いの免疫力を維持し、そこから高める相乗効果が期待できるのです。
寒い季節だからこそ共に気を配り、お互いを守っていきたいですね。