猫の病気の中でも恐れられている『慢性腎臓病』の特徴2つ 発覚した後に飼い主がすべきこと

猫の病気の中でも恐れられている『慢性腎臓病』の特徴2つ 発覚した後に飼い主がすべきこと

猫の慢性腎臓病は死亡原因の上位に挙げられる、気をつけたい病気のひとつです。慢性腎臓病にはどのような特徴があるのでしょうか?もし、愛猫が慢性腎臓病と診断されてしまったら、飼い主にできることは何でしょうか?

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

猫の腎臓病って?

診察台の上で点滴をする猫

腎臓病は、色々な原因で腎臓の機能が低下してしまう病気です。腎臓は、体内の老廃物を尿として排出する役割を担う大切な器官。この機能が低下してしまうので、腎臓病になると体内に毒素が留まってしまいます。

腎臓病は、大きく慢性腎臓病と急性腎臓病に分けられます。慢性腎臓病では、少しずつ長期間に渡って腎臓の機能が低下し続けていきます。猫の慢性腎臓病は、進行度合いによってステージ1~4に分けられます。初期には症状がなく、飼い主さんが異変に気付くのはある程度病気が進んでからになります。ステージ4とは、腎臓の機能はほとんど失われていて重症の尿毒症を起こしている状態です。

急性腎不全は、急激に腎臓機能が低下する病気です。尿路閉塞や中毒など、原因は色々あります。早期に治療しなければ死亡することもありますが、早期に適切な治療を受ければ、腎機能を回復させることができます。ただし、治療によって救命できても慢性腎不全になってしまうこともあります。

慢性腎臓病は高齢の猫に多く、死亡原因になる確率の高い病気です。できる限り病気の進行を遅らせるには、できるだけ早期に発見し、早くから治療を始める必要があります。では、慢性腎臓病になるとどのような症状が表れるのでしょうか?

1.多飲多尿

水を飲む猫

猫の慢性腎臓病で最初に現れる症状が、多飲多尿です。水をよく飲むようになり、尿の量が増えます。猫はもともと乾燥地帯で生きてきたこともあり、水をあまり飲まず、濃縮した尿を排出します。それが、腎臓の機能が低下すると、色が薄く、量も多くなるのです。

初期のこの症状はわかりにくく、気付かれないこともよくあります。日頃から尿や水を飲む量のチェックをしていると、早期発見につながるかも知れません。

2.消化器症状

猫ベッドの中から見上げる猫

腎機能がさらに低下すると、次に尿毒症による消化器症状が見られます。症状は、食欲不振や嘔吐、下痢など様々です。体重が落ち、毛づやも悪くなってきます。末期には1日に何度も吐くことがあります。吐血することもあります。

猫が慢性腎臓病と診断されたら?

猫に触れる獣医師

慢性腎臓病は進行性で、現在のところ不治の病です。一度失われた腎臓の機能を元に戻すことはできないからです。そのため、治療は対症療法と病気の進行を遅らせることを目的としています。

慢性腎臓病と診断されたら、できるだけたくさん水を飲んでくれるように工夫することが必要です。療法食や薬は、状態や検査結果によって開始時期を検討します。療法食を開始することになったら、獣医師の指導のもと、許可されたものだけを食べさせるようにしましょう。

一度にあまり食べられない場合は、1日4~5回に分けて与えるのもいいでしょう。ドライフードが食べにくい場合はウェットタイプの療法食もあります。水分補給が足りない場合は、定期的に通院しての点滴や自宅での点滴が必要になることもあります。水を十分に飲まない場合は、少量ずつスポイトなどで飲ませたり、液状おやつやささみのゆで汁などで水に味をつけることもあります。

慢性腎不全と診断されたら大事なことの一つは、獣医師の指示に基づいて定期的に検診を受けることです。検診では、現在の状態を把握し、治療の継続や変更を検討します。

慢性腎臓病が進むと、食事ができなくなったり体温が下がったりします。室温に気を配ったり、毛布などで猫の体を温められるようにしましょう。

体力が落ちてトイレに行くことが困難な場合には、排泄の介助も必要になります。猫の様子を見てトイレに行きたそうならつれていき、排泄の体勢が辛そうな場合は腰を支えてあげて下さい。場合によっては、おむつが必要になることもあります。

末期になるとほとんど寝たきりになってしまうこともあります。そうなると、床ずれを起こすこともあるので、長時間同じ姿勢で寝ている場合は、2~3時間おきに体の向きを変えてあげましょう。

まとめ

膝の上の猫を撫でる女性

腎臓病は命に関わる重大な病気です。慢性腎臓病と診断されてしまったら、ショックが大きいかと思いますが、早く治療を開始することができるだけ進行を遅らせることになります。獣医師と相談のうえ、治療を進めていきましょう。

愛猫が少しでも快適に暮らせるよう、飲み水やベッド、トイレなどについて生活しやすい環境を整えて、ケアしてあげて下さいね。

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