猫の『見える色・見えない色』って?人と異なる色覚について解説!

猫の『見える色・見えない色』って?人と異なる色覚について解説!

猫と人間では、見える色が違うと言いますよね。特に赤色が見えないという説か有名ですが、本当なのでしょうか?今回は、猫の色覚の謎に迫りたいと思います。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫と人間は色覚が違う!?

寝転がる猫

私達が生活するうえで欠かせない色覚。多彩な色を認識できるからこそオシャレを楽しんだり、危険を察知することができます。

なぜ多くの色を理解できるかというと、人間の網膜(光を感じ取る器官)は、色を認識する錐状体細胞が3種類ある「3色型色覚」という構造だからです。

一方、猫の網膜は錐状体細胞が2種類しかない「2色型色覚」という構造になっています。つまり人間ほど多くの色を認識することはできず、見えない色が存在するのです。

猫が認識できる色

毛糸で遊ぶ猫

猫が認識できる色は次の5色です。

  • 青色
  • 黄色
  • 緑色
  • 黒色
  • 白色

これらは自然界に生息する、猫の天敵に多い色です。迫り来る危険をいち早くキャッチし、身を守るために強い反応を示すという説があります。(猫の色覚に関しては、未だに謎が多い)

猫が認識できない色

猫とトマト

逆に認識できない色は次の2色です。

  • 赤色
  • グレー

特に赤色に対する反応は鈍く、グレーとの区別は付きません。人間にとって赤色は危険を知らせる色ですが、猫にとって恐怖を感じる色は他にあります。

ちなみに人間は、果実の熟し加減を判断するために赤色を認識できるようになったといわれています。一方、直接肉を食べる猫には必要性がなかったため、赤色を見る能力が備わらなかったといわれています。

猫が最も恐れている色は「黒色」

驚く猫

猫が最も恐れているのは「光沢のある黒色」です。強い威圧感があり、怖いと感じるようです。初対面の猫と親しくなりたければ、黒い服は避けたほうが良さそうです。

さらに脱走した猫を捕獲する際に、捕獲器に被せる布や中に入れる飼い主さんの衣類も黒はNGです。警戒して遠ざかってしまいます。

猫の目に映る世界は何色?

窓際の猫

結局のところ、猫の目に映る世界は何色なのでしょうか?シンプルに表現するのであればモノクロ調です。薄ぼんやりと青や緑は見えつつも、基本的には白黒テレビのような雰囲気でしょう。

しかしそれで生活に支障はないのでしょうか?

猫は主に暗がりの中で活発に動きます。狩りをする際も、優れた動体視力や暗転カメラのような機能が活躍するので困ることはありません。

むしろ猫の網膜は、より多くの光を取り込むことに長けているため、色覚が強いと眩しく感じたり混乱が生じてしまいます。このほうが余程危険なのです。

まとめ

ボールを見つめる猫

猫と人は、網膜の中にある錐状体細胞の構造が異なることから色覚にも違いがありました。猫には認識できない色もありましたが、全く気の毒なことではありません。

人間には人間の生活に必要な能力が伸び、猫には猫が必要とする能力が伸びたに過ぎないのです。

1つだけ気をつけてほしいことがあるとすれば、人馴れしていない猫と接する際は黒を避けることでしょう。恐怖を感じる色である以上は、ストレスがかかる恐れがあります。

一説によると、猫はピンクが好きなようです。赤色は認識できませんが、暖色系のピンクには興味があることから認識できてると考えられているようです。初めましての機会には、優しいピンク系のアイテムを取り入れると良いかもしれません。

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