オスとメスで違いはあるの?
パッと見では分からない猫の性別。特徴的な違いはあるのでしょうか?
健康管理のお話に入る前に、それぞれの特徴について紹介いたします。
オス猫の特徴
オス猫には次のような特徴があります。
- 骨格ががっしりしていて筋肉質
- 体重もメスより重い
- 縄張り主張のためスプレー行為をすることがある
- 縄張りの範囲が広い(縄張り意識も強い)
- 甘えん坊で遊び好き
「スプレー行為」とは、通常の尿の比にならないほど強烈な臭いの尿を吹きかけることです。
これはマーキングの1つで、お尻を上げたまま放尿する姿勢が特徴的です。
オス猫は子育てをしないため、甘えん坊で子猫らしさが残りやすいという可愛い面を持っています。
メス猫の特徴
メス猫には次のような特徴があります。
- 華奢な印象を受ける体格
- 体重もオスより軽い
- 頻度は少ないがスプレーをすることもある
- 発情中は人間の赤ちゃんのように鳴く(大声で)
- ツンデレでクールな印象が強い性格
メス猫は厳しい環境下で子育てをしなければなりません。
そのため、オス猫と比べてしっかり者が多いでしょう。
人に対してもべったり甘えるというよりは、何となくそばにいるという感じです。
健康管理で気をつけてほしいこと
オス猫とメス猫では、体格や性格に違いがありましたね。
ということは、健康管理をするうえでも配慮してほしいポイントが異なります(もちろん共通している部分もあります)。
ここからは、それぞれの性別で気をつけてほしいことを5つ紹介いたします。
1.去勢手術で生殖器官の病気を防ぐ
オス猫には精巣や前立腺という生殖器官が存在します。
将来的に前立腺肥大を起こしたり、精巣腫瘍になる可能性があります。
これらの病は去勢手術によって防ぐことができます。
繁殖を望まない場合は、獣医さんに相談しながら検討してみてください。
スプレー行為も、早期に手術を受けることによって解消することができます。
ただしスプレー行為が癖になってから去勢手術を行っても残念ながらなおりません。
2.婦人科系疾患から守る
避妊手術を行わず、出産をしない場合、将来的に子宮蓄膿症や乳腺腫瘍になる恐れがあります。
乳腺腫瘍の厄介なところは、その8割は悪性であることです。
こちらも去勢手術と同様に、避妊手術を受けることによって予防することが可能です。ただしはじめての発情前に行えばほとんど乳腺腫瘍の発生を予防することが可能ですが、発情がきてしまうと予防できる確率は下がりますので注意してください。
繁殖を望まないのであれば、発情期を迎える前の生後6ヶ月頃を目安に検討してみてください。
3.オスは尿トラブルに気をつけて
オス猫は尿道が細い関係で、メス猫よりも泌尿器系のトラブルが起こりやすくなっています。
積極的に水を飲んでもらうと共に、オシッコの状態をよく見てあげてください。
猫砂にキラキラした物体が含まれていたら、膀胱炎や尿路結石の初期症状になります。
できればその日のうちに、遅くとも翌朝には診察を受けてください。
オス猫の尿トラブルを放置すると、命を落とす危険性があります。
4.メス猫は構いすぎない
メス猫は構いすぎるとストレスを感じてしまいます。
ストレスがもとで膀胱炎になることもあるので気をつけましょう。(もちろんオス猫もストレスから膀胱炎になります)。
自分から積極的に関わるのではなく、猫のほうから甘えてくるタイミングを待つことが大切です。
5.オス猫には十分な運動を
オス猫はメス猫と比べて活発です。元々活動範囲も広いので、室内でパトロールができるようにしてあげましょう。
遊び自体も好きな猫が多いので、飼い主さんが一緒になって遊びに参加してあげると喜びます。
特に去勢後は太りやすいので、十分な運動量を確保しましょう。
まとめ
オス猫とメス猫の違いと、それぞれの健康管理のポイントを紹介いたしました。
オス猫は積極的に飼い主さんが関わり、メス猫は自立心を尊重してあげることがストレス予防につながります。
もちろん個体差があります。接し方に関しては、愛猫の性格を見ながら調整してください。
愛猫の望みを叶えてあげることが1番のストレス対策になります。
それぞれの性別によってかかりやすい疾患が異なるので、よりリスクが高いものに目を光らせておきましょう。
少しでも異変があれば、診察を受けるようにしてください。