1.寒暖差
春の寒暖の差がストレスとなり、猫風邪や特発性膀胱炎になってしまうことがあります。
「猫風邪」はウイルスや細菌の感染が原因です。感染すると体内にウイルスが潜む場合があり、ストレスなどで体が弱ると猫風邪が再発することがあります。
鼻水で呼吸が苦しくなる、鼻が詰まってにおいがわからず食欲がなくなる、舌に潰瘍ができて食事ができない、結膜炎が悪化すると失明する可能性があるなど、危険な状態になることもあります。
「特発性膀胱炎」は原因がはっきりしていない膀胱炎のことで、ストレスが影響していると考えられます。
トイレに行く回数が多いのにおしっこの量が少ない、血尿が出る、トイレ以外の場所で排泄してしまうなどの症状が見られます。おしっこがまったくでなくなってしまうと急性腎不全を引き起こし命を脅かす可能性もある病気です。
気温差のストレスは、こまめに室温をチェックし調整して対応してあげましょう。冬用の寝床、春用の寝床を用意して猫が気温に合わせて選べるようにしてあげます。
2.換毛期
春は猫の毛が、冬毛から夏毛へと生え変わる時期です。そうすると困るのが毛球です。
「毛球症」は、毛づくろいで飲み込んでしまった毛が胃の中で塊になってしまい、胃腸の働きを悪くしてしまう病気です。
吐き出すことも、うんちと一緒に排出することもできないほど大きくなった毛球は、腸閉塞や腹膜炎を起こす危険があるため、手術で取り除く必要があります。
春はブラッシングの回数を増やして、猫が毛づくろいで飲み込む抜け毛の量を減らしたり、毛づくろいの回数を減らしてあげましょう。
専用のフードやサプリを使用して毛球をできにくくしたり、排出しやすくしたりする方法もあります。
3.外部寄生虫、花粉症
春から夏は、ノミが繁殖しやすい季節です。そのためノミ刺咬症やノミアレルギー性皮膚炎などを起こす猫がいます。
ただ、エアコンなどで気温や湿度が一定に保たれている室内では、季節に関係なくノミが繁殖できるとされています。
また、春になると人と同じように花粉症になる猫もいます。目や皮膚を傷つけるほどかいてしまうこともあります。
ノミ、ダニの予防薬の使用、こまめな掃除、風通しをよくするようにしましょう。花粉症の場合は、花粉が気になる時期だけはエアコンや空気清浄機を使って窓を開けないようにしましょう。
4.発情期
春はメス猫が発情する季節です。メス猫をめぐってオス同士で喧嘩が起きるなどストレスを感じやすくなります。喧嘩でケガをすれば感染症の危険があります。
室内で暮らす猫も、外にいる猫の発情期特有の鳴き声を聞いたり、家の周囲をウロウロされると落ち着きがなくなり脱走しようとすることもあるんです。
対処法は、繁殖を希望しないのであれば避妊去勢を受けさせることです。室内飼育にして脱走対策を強化します。
また、おもちゃで遊んであげるなど、気を紛らわせてあげることもストレス対策になります。
5.飼い主さんのライフスタイルの変化
春は進学、就職、転勤など、飼い主さんの生活の場所が変わることがありますよね。
引っ越しでは自分の縄張りではない知らない場所、知らないにおいがする場所へ連れていかれるため、猫が大きなストレスを感じてしまいます。
おしっこをかけてマーキングをしたり、元の家に帰ろうと脱走してしまうこともあるんです。
猫のストレスを和らげるために、引っ越し先でも猫のにおいがついたものを引き続き使うようにしましょう。
また、猫が懐いている家族が家を離れる、家を離れていた家族が戻ってくる場合もあります。
ストレスから攻撃的になったり、過剰な毛づくろいで皮膚炎になってしまうケースがあります。
遊んで寂しさを紛らわせたり、慣れていない猫にかまいすぎないように接してあげましょう。
まとめ
春は気候の変化や飼い主さんの生活の変化などで猫がストレスを感じやすくなります。場合によっては病気の危険も出てきます。
室温の調整、体のお手入れ、おもちゃで遊ぶなどして猫の春のストレスをできるだけ解消してあげましょう。