冬に多い肉球のトラブル
冬場の乾燥は、肉球にも影響を及ぼします。ここでは冬に多い肉球のトラブルを5つご紹介いたします。
1.ひび割れ
乾燥した状態を放置してしまうと、ひび割れを起こし、さらに悪化すると出血してしまうことがあります。
冬場を乗り切れば自然治癒すると、甘く見てはいけません。猫の肉球は、損傷すると完治が難しいのです。
2.怪我
若い猫は、部屋中を走り回ったりジャンプしたりと活発に動き回ります。ひび割れに気づかずに、フローリングを猛ダッシュすると肉球を損傷する恐れがあります。
また、カサカサした肉球では普段通りのジャンプ力が発揮できずに失敗してしまうことがあります。これが怪我に繋がる可能性があるので危険です。
肉球を怪我してしまった場合は、負傷した部分を柔らかい布で保護して動物病院へ連れて行きましょう。
3.やけど
冬特有の怪我は、肉球の乾燥による負傷だけではありません。暖房器具によるやけどのリスクが高くなります。
電気ストーブに直接触れてしまうという悲劇に留まらず、見落としがちなのが「低温やけど」です。特に熱さの感覚が鈍くなる高齢の猫は、ホットカーペットでも低温やけどを引き起こす恐れがあります。
4.形質細胞皮膚炎
「形質細胞皮膚炎」は、猫の肉球が腫れてしまう病気です。はっきりとした原因は不明ですが、免疫力の低下が関与している可能性が考えられています。
この病気の特徴は「肉球が柔らかく腫れる」という初期症状を持つことです。進行すると潰瘍ができ、痛みや出血を伴います。
寒い時期は人間と同様に、抵抗力が落ちやすくなります。肉球の触り心地に違和感がある、不自然な腫れがあるなどの異常があれば、診察を受けましょう。
5.水虫
人間の水虫の原因菌は「白癬菌」です。本来であれば猫に伝染するものではありませんが、稀に移ってしまうことがあります。
猫に水虫が移る原因も、免疫力の低下が絡んでいます。特に子猫や高齢の猫、エイズキャリアの猫と暮らす飼い主さんは気をつけてください。
肉球を乾燥から守る方法
ひび割れやあかぎれ、乾燥が原因による肉球の怪我は日頃のケアで予防することができます。ここではその方法を2つご紹介いたします。
クリームで保湿する
肉球の乾燥が目立つようであれば、クリームを塗ってケアしてあげましょう。
ただし、人間用のハンドクリームは使えません。特にアロマやキシリトールは、猫には大変危険な成分です。必ず猫専用の肉球クリームを使いましょう。
肉球マッサージ
あたたかい手で肉球をマッサージすることも有効です。肉球のコンディションや、不自然な腫れがないかもチェックすることができます。
肉球に触れられることが苦手な猫の場合は、眠っている最中に軽く触れることから始めましょう。
まとめ
ひび割れによる負傷、免疫力の低下が招く病気など、冷え込みが厳しい時期は様々な肉球トラブルを引き起こす恐れがあります。
スキンシップの一環として、肉球のチェックをしてみてください。カサカサしていたら、早めにケアしましょう。そして適度な室温(26℃程度)を保ち、免疫力を落とさないように気をつけてください。