遺伝子で異なる白!白猫とアルビノ猫の違い
- 白猫とアルビノ猫の違いは突然変異なのか、遺伝の物なのかの違い
- 白猫:W遺伝子を持つ猫
- アルビノ猫:突然変異で色素を持たず産まれてきた猫
遺伝子『W』により毛色が白くなる『白猫』
白猫の毛を白くするのは優勢遺伝子の『W』が鍵を握っています。W遺伝子は他の毛色や模様よりも優勢に働く『絶対優勢の白』と呼ばれ、猫の毛色に強い影響力を持っているのです。
白猫のW遺伝子はメラノサイトと呼ばれるメラニン色素を造り出す色素細胞を欠乏させ、毛色を決定する遺伝子の働きが抑えます。このことにより毛色が白い猫が生まれるのです。
白猫の『W』遺伝子の受け継ぎ方
両親のどちらか片方からでも『W』遺伝子を受け継ぐと白猫が生まれます。
- 両方の親からW遺伝子を受け継ぐ:『WW』=白猫
- どちらか片方の親からW遺伝子を受け継ぐ:『Ww』=白猫
- 両方の親から劣性遺伝子『w』を受け継ぐ:『ww』=有色の猫
親のどちらかが白猫なら仔猫もオス・メス関係なく白猫の確率が高いでしょう。W遺伝子により生まれる白猫を『優勢ホワイト』と呼びます。
突然変異の白猫『アルビノ』
W遺伝子に関係なく、突然変異で色素を持たないことにより生まれた白猫が『アルビノ』です。医学的に『先天性白皮症』や『先天性色素欠乏症』とアルビノは呼ばれています。
色素を持たないアルビノの白猫は『アルビノホワイト』と呼ばれます。希少なアルビノホワイトですが、かつてはアルビノの猫を新しい品種として認めさせようとする動きがありました。しかし、関連する遺伝子が健全とはいえないという理由で、アルビノ猫を認める公認団体はありませんでした。
目の色でわかる!『白猫』と『アルビノ』の違い
見た目だけではわかりにくい『白猫』と『アルビノ』を見分けるヒントは目の色です。
猫の目の色
猫の目の色は主に次の7種類に分けられます。
- カッパー(銅色):メラニン色素が一番多い
- アンバー(琥珀色)
- ヘーゼル(グリーンからブラウンのグラデーション)
- グリーン
- ブルー
- レッド
- オッドアイ(金眼銀眼)
メラニン色素を持たないアルビノの目は赤い
色素を持たないアルビノの目の色はレッドです。赤味のある水色に見えることもあるでしょう。色素がないことで目の奥の血管が透けて赤く見えるのです。
赤味のないブルーやグリーン、黄色や茶色っぽい目の色ならアルビノではありません。
アルビノ猫にはない『キトンキャップ』は白猫特有の物
- 白い仔猫の頭にある灰色の毛の事
- 白い仔猫が成長すると消えてる
- キトンキャップは白猫特有のものでアルビノの猫にはない
生まれて間もない白い仔猫の頭などに灰色の毛が現れて、成長するに従って消えていくことがあります。これを『キトンキャップ(ゴースト・マーキング)』と呼びます。
白以外の色が現れることで『W』遺伝子の無い猫と考える人もいますが、この色はW遺伝子によって抑えられている本来の毛色が出現したものです。キトンキャップはW遺伝子を持つ仔猫特有のものです。
白猫やアルビノの猫を飼う時の注意
青い目の白猫は難聴が多い!
- 青い目を持つ白猫は難聴の確率が高い
- 白猫に多いオッドアイの場合青いほうだけ難聴になっている可能性が高い
比較的白猫に多く見られる青い目は、虹彩に含まれるメラノサイトの欠乏が要因で発生します。青い目を持つ白猫は、難聴の確率が高いことが知られていますが、実はこのメラノサイトが深く関わっている可能性があるのです。
内耳にある『コルチ器』は音を増幅する器官で、メラノサイトと同じ細胞から分化して形成されます。W遺伝子の影響でメラノサイトが欠乏すると、コルチ器が影響を受けるため、白猫が難聴になる原因の一つではないかと考えられています。
また片方の目が青いオッドアイの猫は、片方の耳にだけ聴覚障害を抱えることが多いとされています。
特殊な遺伝子で短命?オッドアイの白猫
オッドアイの猫は特殊な遺伝子を持つとされ、寿命が短いという説があります。しかし、難聴になりやすい以外は、他の猫と比べて特に大きな寿命の差は確認されていません。
ただ、特殊な遺伝子をもつことで完全な健康体ではない可能性があり、通常の猫に比べて弱い部分があることも考えられます。
白猫は紫外線に弱い
人間にも害があることが知られている紫外線ですが、猫にも有害です。メラニン色素は紫外線から皮膚を守る役割をしてくれますが、白猫にはメラニン色素を造るメラノサイトが少ないため、紫外線のダメージを受けやすいのです。メラノサイトを持たないアルビノならなおさらでしょう。
紫外線のダメージによる火傷や皮膚がんにならないよう、直射日光を避け、紫外線防止フィルムなどを窓に張るなどして紫外線から守ってあげましょう。
まとめ
白猫とアルビノ、どちらも可愛らしい白猫だけれど遺伝子的には全く発生する要因が違うなんて不思議ですね。
真っ白な猫は神秘的で、ブルーやレッド、オッドアイなどの目の色も宝石のようで本当に美しいです。しかしこの美しい毛色や目の色を造り出す『W』遺伝子は同時に聴覚障害や紫外線への弱さも造り出しています。このため通常の猫より少しだけ飼い方には注意が必要になります。
ただ、あまり神経質になる必要はありません。白猫もアルビノもそれぞれ遺伝子の特性はありますが、紫外線などに気を付けてストレスの少ない環境でゆったり飼ってあげれば、健康にさほど問題を感じないでしょう。
40代 女性 さや
白い猫ちゃんは、日光に弱いので肌が炎症を起こさないように注意してあげましょう。
服を着せることも、重要かと思います。
あとは、肉球もケアしてあげないといけませんね。あとは、日光に弱い猫ちゃんの場合は目の回りの皮膚が赤くなりやすいので、注意が必要ですね。