知ってる?『和猫』と『洋猫』の違い3つ

知ってる?『和猫』と『洋猫』の違い3つ

昔から日本にいる和猫と、海外から渡ってきた洋猫。両者にはどのような違いがあるのでしょうか?また実際に家族として迎えた場合、何に気をつければよいのでしょうか?今回は和猫と洋猫の相違点と生活上の注意点についてご紹介いたします。

和猫と洋猫の違いとは?

桜の花と猫

和猫(日本猫)といえば、キジトラや三毛猫など昔から日本で親しまれている猫が挙げられます。特にキジトラは、その柄の特徴が天敵から身を隠すことに長けていて、厳しい野生を生き抜いてきました。一方洋猫といえば、ペルシャ猫やアメリカンショートヘアなど、海外から日本へ渡ってきた猫が有名でしょう。

ペルシャ猫は純血種の中で最も歴史が古いとされています。さて古くから日本で慣れ親しまれてきた和猫と、海外からやってきた洋猫はどのような違いがあるのでしょうか。ここからは両者の異なる特徴をご紹介いたします。

1.血統の違い

見つめるペルシャ

洋猫の場合、純血種といって公式団体から認められた特徴を、代々受け継がれるように計画的に交配されています。ペットショップやブリーダーの元にいる猫は皆純血種に該当し、それぞれの猫種の特徴を持っています。

一方和猫の場合は、定められた交配基準はなく、自然に交配が進み様々な猫の特徴を持ち合わせています。和猫は多くの猫が自然と掛け合わされる過程から混血種や雑種と呼ばれています。

2.身体的特徴の違い

障子の穴から覗く猫

和猫の身体的特徴は、主に被毛が短い短毛種が多いことです。稀に突然変異で長毛種が誕生することもありますが、圧倒的に短毛種の存在が目立ちます。そして顔立ちが丸いことも特徴的です。そして、大きさは成猫で3~5kg程度が標準的です。

洋猫は、その猫種ごとに特徴が異なります。例えばメインクーンのように10kg程度まで大きく成長する猫もいれば、成猫でも2kg程度のシンガプーラなど、体型にも幅がみられます。被毛もベンガルのような短毛種からラグドールのような長毛種まで様々な被毛の猫が存在します。顔立ちにもそれぞれの猫種の特徴があります。洋猫は種類の幅が広く、和猫は柄の種類が豊富で同じ個体が存在しないといっても過言ではないでしょう。

3.かかりやすい病気の違い

診察される猫

猫は元々砂漠で暮らしていた動物です。よって、あまり水を飲む習慣がないために、腎臓や泌尿器系の病気にかかりやすい特徴があります。これは和猫、洋猫ともに注意が必要です。その他の病気に関してはそれぞれ異なることがあります。

和猫は、混血種という特徴から様々な遺伝子を受け継いでいます。一定の基準にこだわりがないため、概ね丈夫な傾向にあります。一方洋猫の場合は、公式の血統団体が定める基準があり、その基準を満たすために決められた品種同士で交配されます。よって交配の幅がとても狭くなります。だからその品種によってかかりやすい病気が出てきてしまうのです。

人為的発生猫のリスク

そして独特の風貌を目指し、人間の手によって作られた人為的発生と呼ばれる品種の猫は、万が一脱走してしまった場合に即命に関わることがあります。例えば被毛が極端に薄いスフィンクスや、短足が特徴的なマンチカンなどがそれに該当します。これらの猫種は野生ではまず生きられません。

もちろん和猫であっても、室内で生活していた猫は、外界での生活に適応することに限界があります。しかし脱走が死に直結するというわけではありません。どちらも完全室内飼育が好ましいことに変わりありませんが、人為的発生の猫の場合は特に気をつけなければなりません。

純粋な和猫はもう存在しない!?

カメラ目線のハチワレ猫

先の項目で、和猫は昔から日本で親しまれている猫と紹介しました。そして現在は日本のみならず海外からも注目されています。しかし残念なことに、もう純粋な日本猫はほぼ存在しません。和猫の中にも、どこかに洋猫の血が入っているからです。

招き猫のモデルとなったジャパニーズボブテイルは、日本猫の中で唯一の純血種です。しかしそれも、日本ではなく海外で品種改良が進められています。だから、日本固有の猫というわけではないのです。現在我々が目にする日本の猫は、純粋な日本猫には属さないものの、和猫として古くから知られている特徴を持ち続けています。

昔は天敵に見つかりやすいことから、あまり個体数が維持されて来なかった白猫や、黒猫もたくさん見られるようになりました。そしてキジトラに次いで多いハチワレ猫は、映画の影響から注目されつつあります。ちなみにハチワレ猫は猫種ではなく、柄の名称です。額が八の字に見えるブチ猫は皆「ハチワレ」と呼ばれています。

洋猫の現状

散歩するベンガル猫

猫は現代人のライフスタイル上の相性から、ともに暮らす動物として人気が高く、その飼育頭数は犬を追い越しました。その過程で多くの洋猫が繁殖されてしまいます。そして、買い手がつかない猫が路頭に迷っているという現状があります。バックヤードで里親を募集し、無事に里親が見つかった猫は家庭で幸せに暮らしています。しかし皆がそうではありません。

また洋猫の中には手入れに手がかかる品種、大きくなる品種など和猫にはない特有の特徴を持つ猫がいます。それらの猫が飼い主さんの身勝手から捨てられてしまうケースもあります。猫という動物が多くに人々に愛されることは嬉しいことです。でもそれには多くのリスクが伴い、辛い思いをする猫を増やしかねないという現実も、大きな問題として受け止めていかなければならないのです。

猫と暮らすということ

三匹の猫を抱く人

一昔前は、洋猫といえばペットショップやブリーダーから迎えることが主流でした。しかし現在は選択肢が増え、保護猫として出会うこともあります。ペットショップによる販売というシステム自体がなくならない限り、猫が販売され続ける現状は変わりません。

どのような場で出会うにしても猫の命の重さは平等です。家族として迎えると決意したならば、その猫が血統書付きの純血種であれ、混血種であれ天寿をまっとうするまで大切に育てることが、飼い主さんの責任です。ここで、和猫と洋猫、暮らしていくために気をつけてほしいことをご紹介いたします。

和猫と暮らすということ

和猫は主に自身で保護した猫や、知人や保護猫団体から譲り受けるケースが多いでしょう。概ね丈夫といわれる和猫にも注意点があります。それは次のようなことです。

  • 人見知りをする
  • お腹に虫がいる可能性がある
  • その猫特有のかかりやすい病気が分からない

人見知りな傾向

まず保護猫の場合は、家族以外の人間を苦手とする猫が多く人見知りをしてしまうことがあります。猫は元々環境の変化が苦手ということも相まって、来客が多い家庭では注意が必要です。来客時に猫が落ち着ける環境を整えましょう。特にトイレを我慢することは回避しなければなりません。

寄生虫がいるリスク

そして、往々にしてお腹に虫がいることがあります。この場合、動物病院で虫下しの治療を受けなければなりません。はじめて経験する方は、治療以前に便から虫が出てくることに驚愕するでしょう。

遺伝的病気の把握が難しい

また最大の盲点は、どのような遺伝子を持った猫が交配されたのかを特定することが困難であるが故に、かかりやすい病気への予防策が立てにくくなります。基本的には年齢に応じたフードを食事とし、ストレスをなるべく与えない環境で生活していれば無事に育つことがほとんどです。ただし、先にも述べたように腎臓や泌尿器系の病気には気をつけてください。

洋猫と暮らすということ

洋猫を家族に迎えた場合は、次のようなことに気をつけましょう。

  • かかりやすい病気を把握する
  • 猫種に合った環境を整える
  • 食事や運動習慣などに注意する

血統による病気の把握

まず、血統が明らかになっている洋猫の場合はかかりやすい病気が存在する可能性があります。こらは一見ネガティブな印象を持つでしょう。しかし捉え方によっては、予防策が立てやすいというメリットがあるということです。予め家族になった猫がかかりやすい病気について調べ、日頃から気をつけるようにしましょう。予防に力を入れることで、高額な医療費を工面しなくても良くなる場合が十分にあるといえるでしょう。

猫種によって生活環境を整える

また、猫種によって生活環境が大きく異なります。それぞれの猫種の特徴を理解し、その猫に合う環境を整えるようにしましょう。そして、食事や運動習慣などにも気を配る必要があります。必要とするエネルギー量や運動量は猫種による差が大きいので、やはり猫の特徴をしっかりと理解することが大切です。中には運動習慣がつきにくい猫もいます。だからといって運動しなくて良いということはありません。少しでも興味をもってくれそうな遊びを見つけてあげましょう。

猫にあった食事を与える

食事も、現在はその猫種に合った餌を販売しているメーカーもあります。そこに含まれる成分などをよく見て参考にしてみてください。食事の基本は総合栄養食です。かかりやすい病気が判明したからといって、安易に療法食を食べさせることはやめてください。

和猫と洋猫の不仲説は本当なの?

多頭飼育の場合、和猫と洋猫が同居することがあります。相性の良し悪しはあるものの、和猫と洋猫だから不仲になるということはありません。また、性格は遺伝的なものや生活環境などによって形成されるため、双方による違いというよりは飼い主さんの接し方がポイントになります。

大切なことは平等に可愛がることです。猫は些細なことで不安を抱き、時には嫉妬や執着心を強めることもありえます。食事順番は先住猫を先にすることが好ましいですが、それ以外では平等に接することが安心感に繋がります。この点に気をつければ、和猫と洋猫の同居は可能です。

まとめ

なつ&ゆず

和猫と洋猫には明らかな違いがある一方で、多くの共通点を持っています。猫と暮らすということは、命と向き合うということには変わりありません。ご縁があって出会った猫は、どちらにしても天寿をまっとうするまで大切にしてください。

特に洋猫の場合はその特徴をよく理解するようにしてください。大きくなりすぎた、活発すぎたなど理不尽で身勝手な理由から手放すことだけはしないでください。和猫の場合も、たとえ日本に馴染んだ猫だからといって猫だけで外出させてはいけません。外にはたくさんの危険が潜んでいるため、室内で生活させるようにしましょう。

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