猫の鼻が赤いとき考えられる原因
「今日はいつもより愛猫の鼻が、赤いような気がするんだけど、気のせいかな?」
「あれ?うちの猫の鼻の色がいつもより、白っぽいような感じがする、心配・・・」
このような経験は、愛猫を飼っているご家庭では良くありますよね。
猫の鼻先や鼻の表面を鼻鏡(びきょう)といいますが、猫の鼻鏡の色は、体毛と同じように、猫の種類や個体差によって様々な色をしています。
ですから、この色は病気!この色は異常!などと断定することはできません。それより、いつもの鼻の色と違ってきたときには、何かしらのトラブル等が発生している可能性があります。
一般的に、白っぽい体毛をしている猫の鼻色は、ピンク系のカラーをしています。ブラウン系やグレー系、ブラック系の体毛をしている猫の鼻色は、鼻鏡の周りがブラック系で縁取られていて、鼻鏡の中心部分の色はブラウン系からピンク系カラーになっています。
それでは、どのような状態のときにかわいい猫の鼻が赤くなるのでしょうか。
運動した後や興奮しているとき
確率が高く、もっとも多い原因は、猫が運動した後や興奮しているときです。
愛猫とコミュニケーションをとりつつ、激しく猫じゃらしなどで遊んだり、初めて訪れる場所などに連れていき、初体験や初経験をすることで興奮したりすると、私たち人間も顔色が紅潮しますよね。それと同じように、猫の鼻鏡も赤くなります。
個体差もあり、あまり変化しない猫もいますが、このような場合は、少しの間落ち着いて静かにしていると、猫の鼻の赤い色も落ち着いてきますので心配はいりません。
熱があるとき
猫も発熱することによって、やはり人間と同じように体全体の皮膚が紅潮することがあるので、それが原因で鼻鏡の色が赤い場合があります。
猫の鼻や皮膚が赤い色をして発熱しているときには、私たち人間と同じように猫も元気がなかったりして食欲不振になったりしますので、できることなら猫の肛門から体温を測ってみましょう。
外傷があるとき
猫の鼻鏡の一部分が赤い色をしているときには、外傷の可能性があります。万が一、擦り傷等の外傷により出血も見られる場合には、患部を水道水で軽めに払い流して、猫が舐めても大丈夫なワセリン等を塗って保護してあげましょう。
腫瘍があるとき
猫の鼻鏡に潰瘍のような赤い凹みが見られる場合や、盛り上がるように赤みがかった「しこり」がある場合は、悪性腫瘍も疑われますので、早めに動物病院に連れて行って診てもらいましょう。
猫の鼻が赤いときの対処法
安静にする
猫の鼻が1日の中で赤い色になることは、けっして珍しいことではありません。特に運動した後や興奮したときなど、猫の鼻鏡は赤い色になることが多いですが、このような場合には静かにして落ち着いていると、猫の鼻鏡の赤い色も時間とともに徐々に落ち着いてきますので、安静にしていましょう。
病院に行く
猫の鼻鏡にできる「しこり」には主に「扁平上皮癌」があり、発生する度合いは低いですが、「しこり」の診断には組織検査や細胞診が必要ですので、腫瘍がみられる場合には、直ちに動物病院で診察を受けましょう。
猫の鼻付近が赤い場合
無痛性潰瘍(むつうせいかいよう)
無痛性潰瘍は、けっこう痛々しげな見た目ですが、大抵の場合、かゆみや痛みはないです。無痛性潰瘍はメス猫の発症割合が高いといわれています。
好酸球性プラーク(こうさんきゅうせいプラーク)
好酸球性プラークは猫の体の主に、首や脇の下、指の間や腹部、又は内部に発症する割合が高いです。皮膚の赤みや、かゆみを伴う脱毛が患部に発症します。
好酸球性肉芽腫(こうさんきゅうせいにくがしゅ)
猫の好酸球性肉芽腫は大部分において、腹部の側面や太ももの裏側、前足の外側に発症するときと、口腔内部に大きめの肉芽腫ができるときがあります。
まとめ
猫の飼い主さんなら、うちの猫がしゃべれたらいいのになぁと、一度ならず何度も妄想を浮かべたことがあるはずです。ちなみに、私は毎日のように妄想しています!
しかし、現実は・・・悲しいかな、喋ってくれません。でも猫はしゃべらない代わりに、全身を使って懸命に飼い主さんに分かってもらおうと、鼻鏡が赤い色になるなどして、変化を通して知らせてくれます。
愛する猫のわずかな変化でも見逃さずに気付けるように、常日頃から身体の変化(鼻が赤いなど)や行動、しぐさなどをチェックすることが、早い段階で病気などを発見することにつながるのです。
また、猫の鼻の色が1日の中で赤く変化することは、一般的に生理的であることが、ほとんどなので心配する必要はありません。しかし、腫瘍が疑われた場合には注意が必要で、長い時間をかけてゆっくりと症状が進行していくので、飼い主の方でも鼻の色の変化に気づきにくいものです。
万が一つの確率で、猫が悪性腫瘍かもしれないと疑われるときには、一刻も早く動物病院へ向かい、診察を受けるようにすべきでしょう。