猫が鼻血を出す場合
猫が鼻血を出している姿というのは、ある程度猫を飼い慣れている方でもあまり見かけたことはないのではないでしょうか。それもその通り、猫は人間とは違い、そもそもあまり鼻血を出す生き物ではありません。中には何かにぶつかった衝撃やくしゃみの連続などで鼻血を出す場合がありますが、そういった原因以外で鼻血を出す場合には、もしかしたら重大な病気にかかっているかもしれません。
猫が鼻血を出した時に考えられる病気
衝撃やくしゃみ以外で猫が鼻血を出す場合、考えられる病気は以下の通りになります。
鼻炎
鼻炎とは、鼻の粘膜に炎症が起こる病気のこと。原因としては各種の猫風邪やクリプトコッカス症(真菌の一種に感染することで発症)、花粉やダニ、タバコなどのアレルギー物質などその原因は様々です。この鼻炎を発症するとくしゃみや鼻水・鼻血、口呼吸などの症状を引き起こし、悪化すると副鼻腔炎を引き起こすこともあります。
副鼻腔炎
猫の副鼻腔炎の主な症状はドロっとした鼻水や鼻血、そして鼻詰まりによる口呼吸からの呼吸困難(苦しそうにする)、鼻の周りの腫れなどです。それと同時に元気や食欲も減退し、悪化すると膿が溜まって蓄膿症になってしまうことも。
鼻腔内腫瘍
鼻腔内腫瘍とはその名の通り鼻腔や副鼻腔内にできる腫瘍のことで、厄介なことに悪性である場合が多いのが特徴です。猫の場合は腺がんやリンパ種が多く見られ、高齢の猫になるほど発症率が高くなります。主症状としては鼻炎や副鼻腔炎と同じような症状の他、進行すると腫瘍が鼻腔内の骨を溶かしてしまうこともある非常に危険なものです。
口鼻瘻管
口鼻瘻管はなんと歯周病を放置することで発症する病気で、鼻と口の間の骨が溶け出して穴が開いてしまった状態を口鼻瘻管といいます。これは猫の鼻と口とが薄い骨を境にしてつながっているために起こるもので、鼻汁や鼻血の他、食事中の食べ物が口の中から鼻へを入り込んでしまうために、よくくしゃみをするようにもなります。
猫白血病ウイルス感染症
猫白血病ウイルス感染症とは、いわゆる猫白血病ともいわれます。この病気は猫白血病ウイルスに感染することで発症するウイルス感染症で、感染源は猫同士の喧嘩や母子感染、日常生活の中では食器の共用などのよくあるシーンで感染する可能性がある病気です。
猫白血病ウイルス感染症の症状として、ちょっとした衝撃で内出血が起きたり血が止まりにくくなったりするため、鼻血が出ることがあります。
高血圧症
高血圧症とは、猫に多い慢性腎不全が引き金になって起こることがある病気です。
この病気の恐ろしいところは症状の悪化に気づくことか難しく、知らない間に症状がどんどん進行してしまうところ。気づいた頃には重症化していた、なんていう場合も少なくありません。
猫が高血圧症を発症した時の主症状としては、まず目や腎臓、心臓などに悪影響が出、さらに鼻の血管が傷むため鼻血が出ることもあります。
まとめ
冒頭にも書いた通り、猫はあまり鼻血を出す動物ではありません。滅多にないことだからこそ、万が一猫が鼻血を出していた際には早期対処しなければいけません。もしかしたら…の事態、早期治療に備えるためにも、愛猫に異変が見られた際にはできるだけ早くかかりつけの獣医さんに相談し、冷静に対処するようにしてくださいね。