猫が肉球を怪我してしまった!症状別の治療法や対処法

猫が肉球を怪我してしまった!症状別の治療法や対処法

猫が肉球を怪我してしまったとき、どのような症状が起こるか知っていますか?いつもより肉球を気にしている場合はチェックしてみましょう。やけど、切り傷、爪による猫の肉球の怪我の応急処置や治療法、怪我の予防についてまとめました。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫が肉球を怪我した時の症状

猫の肉球

猫の肉球の怪我に気付くきっかけ

猫が肉球を怪我しているとき、怪我をした瞬間を見ていればすぐに気が付くことができますが、見ていない場合は気付きにくい場所です。

肉球の怪我を見て気付く以外には、猫が肉球を頻繁に舐める、歩き方がいつもと違う、肉球を気にしているといったことがきっかけとなる場合があります。

猫の肉球の怪我の症状「やけど」

猫の肉球の怪我がやけどの場合は以下のような症状がみられます。

  • 皮膚が赤くなる
  • 腫れる
  • ただれる
  • 皮膚がはがれる
  • 水ぶくれ

また、肉球周りの毛が焼けていたり、簡単に毛が抜けてしまうこともあります。

猫の肉球の怪我の症状「切り傷、皮むけ」

猫の肉球の怪我から出血することもありますが、皮がむけるだけで、血が出ない場合もあります。

猫の肉球の怪我の症状「爪が肉球に刺さる」

伸びた爪が猫の肉球側に巻いてしまい、肉球に刺さってしまうと、出血、腫れ、化膿することがあります。

猫が肉球を怪我した時の治療法

怪我をした猫

猫の肉球の怪我の基本的な治療

  • 傷口の洗浄
  • 抗生物質の飲み薬
  • 傷口の保護

猫の肉球の治療は、傷口の洗浄、化膿させないように抗生物質の飲み薬、傷口の保護などが主に行われます。怪我の原因、怪我をしてからどのくらい経過しているのか、化膿しているか、猫が気にしているのかなどから治療法が変わることもありますが、基本的には同じです。

猫の肉球は歩くときに体重がかかること、血管が少ないことなどから怪我が治りにくいと言われています。また、肉球に薬を塗ったり、テープや包帯を巻いたりしても、歩いたり舐めたりして取れてしまうので、効果的な治療をするためには飲み薬が出されるようです。

猫の肉球の怪我の治療法「やけど」の場合

猫の肉球がやけどをしてしまった場合、程度によって治療内容は変わります。やけど直後はそれほど問題がないように見えても、時間が経つにつれて症状が悪化することがあります。

応急処置は、猫の肉球を冷やすことです。タオルを巻いてから氷で冷やします。軟膏などは塗らないで動物病院を受診しましょう。

猫の肉球の怪我の治療法「切り傷、皮むけ」の場合

猫の肉球の怪我が軽い切り傷や皮がむけているだけなら自然に治りますが、肉球が裂けているような重症の場合は病院を受診しましょう。怪我の状況に応じて縫合が行われ、ギプスやエリザベスカラーを付けて傷口を保護します。

応急処置は、傷口に異物がないか確認し、ぬるま湯で傷口を洗い流すか、ぬるま湯で濡らしたガーゼで優しくぬぐいます。乾いたガーゼを当てて手で圧迫して止血します。

血が止まらないときは圧迫しながら動物病院へ連れて行きましょう。

猫の肉球の怪我の治療法「爪が肉球に刺さる」場合

老猫になると爪とぎをしなくなるため、爪が伸びるのが早くなります。放っておくとやがて肉球に刺さってしまいます。

猫の肉球の怪我が軽い場合は、切り傷のときと同じ処置をして、爪を切る処置を行いましょう。爪が深く刺さっている、肉球を貫通している、爪が硬くて切りづらいといった場合は動物病院で処置をしてもらいます。

猫の肉球の怪我を予防する方法

爪を切ってもらう猫

肉球の乾燥を防いで怪我を予防

若い猫の肉球は潤っていて弾力がありますが、肉球が乾燥すると割れやすくなり、怪我もしやすくなってしまいます。特に8歳ごろになったら、専用のクリームを使って肉球のケアしてあげましょう。

爪の手入れをして肉球の怪我を予防

自分で爪のお手入れをあまりしない猫は、飼い主さんがこまめにケアをしてあげましょう。特に老猫は爪とぎをしなくなってしまうことがあり、爪とぎをする猫と比べて爪が伸びるのが早いです。

こまめに猫の爪切りをして、肉球に刺さらないようにします。爪が厚く硬くなってしまうこともあり、切れないときは動物病院で処置をしてもらう方法もあります。

家の中の危険な場所に猫を近づけないようにして怪我を予防

【危険な場所】

  • キッチン
  • 暖房器具
  • ベランダ
  • 花瓶やガラスの置物が置いてある所

やけどや出血などの猫の肉球の怪我が起こりやすい場所を知って対策を取りましょう。キッチンは、コンロや包丁など怪我の原因となる物が多い場所です。

猫がキッチンにあるものに興味を持って近づいて怪我をすることもあれば、飼い主さんのうっかりミスで猫に怪我をさせてしまうこともあります。

柵を設置するなどして、キッチンに近づけないようにすると安全です。

冬は、暖房器具で猫が肉球をやけどしてしまうことがあります。熱いものだと分からずに触れてしまうことがあるので、暖房器具もストーブガードなどで囲うと良いでしょう。

夏は地面やベランダが熱せられて高温になっていることがあり、それにより猫がやけどすることがあります。日中は家の中で過ごさせると安心です。

その他に、花瓶やガラスの置物などが割れて、猫がその上に着地してケガをしてしまった、など予防しきれないこともありますが、家の中を一度確認してみると安心ですね。

まとめ

肉球を怪我していない猫

猫が肉球に怪我をすると、肉球を気にしたり、歩き方がいつもと違っていたりします。治療は怪我の症状や状態によって若干変わりますが、共通しているのは化膿させないことです。

肉球は怪我をすると治りにくい場所です。動物病院を受診するときは、怪我をした経緯などを伝えます。

乾燥を防いだり、家の中の危険な場所に近づけないなど、猫の肉球の怪我を予防する方法や応急処置を覚えておきましょう。

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