猫の怪我の原因第1位は猫同士の喧嘩!
外へ行った猫が、怪我をして帰ってくることがあります。怪我のほとんどは、他の猫との喧嘩による傷です。あるデータによると、猫の怪我の原因第1位は喧嘩によるものだとか。
特にオス猫は、メスをめぐっての喧嘩や縄張り争いによる喧嘩に巻き込まれやすいです。完全室内飼いの猫であっても、オス猫の多頭飼いで喧嘩をすることがあるので注意が必要です。
猫が本気で喧嘩をすると、噛みついたりひっかいたりすることで、怪我をしてしまいます。猫が喧嘩で怪我をしたらどうしたらいいでしょうか。
喧嘩による怪我の種類から見る応急処置方法
ひっかき傷
猫の喧嘩による怪我で最も多いのがひっかき傷です。掻き傷は鼻や耳などは見つけやすいですが、毛に覆われている部分は出血していてもわかりにくいです。毛をかき分けて傷を探して下さい。
出血箇所が見つかったらぬるま湯で湿らせたガーゼや脱脂綿で拭いてから、消毒液で消毒します。
傷が腫れたり化膿してきた時は、動物病院へ連れて行きましょう。すでにかさぶたになっている場合も、患部が腫れていたら中で膿が溜まっている可能性があります。
目の傷
ひっかき傷が目にある場合は特に注意が必要です。角膜が傷ついていることがあるからです。応急処置としては、ぬるま湯で湿らせたガーゼや脱脂綿で優しく拭きます。
出血がある時はガーゼなどで押さえて止血して下さい。猫が目に触れて炎症や感染症にならないよう、エリザベスカラーを付けるといいでしょう。その上で獣医さんに診てもらって下さいね。
爪の怪我
爪に怪我がある時は、水道水で汚れを洗い流します。猫が嫌がる時は、洗面器などに水を入れてかけるようにして洗いましょう。出血がある場合は、爪の近くの肉球を押さえて止血します。
出血が止まらない時は、ガーゼを当てて包帯で巻きます。出血が止まっていれば様子を見て大丈夫ですが、獣医さんの指示を仰ぐと安心です。爪が根元から折れていたり、抜けてしまっている場合は、化膿しやすいので動物病院に連れて行きましょう。
骨折
猫同士の喧嘩で骨折することは稀ですが、喧嘩しているうちに落下するなどして、骨折することがあります。栄養不足や高齢の猫では骨がもろくなっていて骨折しやすくなっています。
骨折は一見わかりにくいですが、猫が足を引きずっている時は注意が必要です。引きずっている足を触ると嫌がり、患部が腫れているなら骨折しているかも知れません。手足だけでなく、口や顎を骨折していることもあります。
その場合は、口が閉じなくなります。様子がおかしいなら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。怪我をしたのが数時間以内なら、添え木で固定する必要はありません。
添え木で固定する場合も強く縛らないようにします。猫が痛がるなら無理に添え木はせず、安静にした状態で動物病院へ運びましょう。出血がある場合は、ガーゼなどで止血します。
出血がひどい
出血がひどい場合は、早く動物病院へ連れて行くことが大事ですが、それまでに応急処置をしておきましょう。出血している部分にガーゼを当てて圧迫して止血し、包帯を巻きます。出血が鮮紅色の場合は傷口よりも心臓に近い部分を止血し、暗紅色の場合は傷口を止血すると効果的です。
穴があいている
猫の犬歯は長くて鋭いので、噛みつかれた場合、見た目は小さな穴でも深いことが多く、筋肉まで達していることも。見た目にはわからなくても、奥で細菌感染を起こし、炎症を起こしたり化膿することがあります。
膿が溜まって腫れると、皮膚に穴が開いて膿が出てくることもあります。このようになる前に、小さな穴でもしっかり消毒しましょう。犬歯で噛まれた傷は上下で4箇所のことが多いです。噛み傷をひとつ見つけたら、他にも怪我がないか確認して下さい。
肉が見える
猫の皮膚は薄いので、少しの怪我でも肉が見えてしまうことがあります。首の周りや背中に肉が見えるほどの怪我をしてくることも。大きな怪我でなければ患部を洗って消毒しますが、出血がひどい場合はガーゼなどで押さえて止血し、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
欠損
ケンカ傷が原因で、尻尾が欠損してしまうことがあります。尻尾の先端に血液が循環せずに壊死してしまうと、その分部が取れてしまうことがあるのです。喧嘩で傷を負ったものの、数日で治ったので放っておいたら尻尾の先が取れてしまったということがあります。
怪我自体は治ったように見えても、内部の動脈が傷ついていて血液循環が悪くなり、壊死してしまった状態です。壊死が進行してしまう危険性があるので、尻尾が切れてしまった時は獣医さんに診てもらいましょう。
喧嘩による猫の怪我にかかる治療費
猫同士の喧嘩による小さな怪我の場合、治療費の相場は2,000円前後です。ただ、飼い主さんが気づいている怪我の他にも傷があるかも知れません。動物病院では、全身を検査しますが、レントゲンや血液検査が必要になることもあるので、もう少しかかると考えておいて下さい。
治療のため抗生物質などが処方される場合は、薬の種類によっても変わりますが、薬代が1週間で1,000~3,000円ほどかかります。大きな怪我の場合は、手術が必要になることもあるので、手術費用で50,000円前後かかります。入院が必要な時はさらに数万円の費用がかかります。
猫が喧嘩で怪我をしないための対策
完全室内飼いにする
外へ出るとどうしても他の猫と出会うことが多くなります。メス猫や縄張りをめぐって喧嘩になることも。できれば完全室内飼いにして、外に出さないようにすることです。
爪を切っておく
猫の爪はいつも短く切っておきます。そうすれば、外へ行っても他の猫に深いひっかき傷で怪我を負わせることも少なくなりますし、室内で多頭飼いの場合も一緒に暮らす猫同士の喧嘩の怪我を減らすことになります。
仲裁する
猫同士が喧嘩を始めたら、飼い主さんは止めに入りたくなりますが、仲裁するのは怪我の危険性がある場合のみにしておきましょう。知っている猫とはじゃれ合っているだけの場合もあるからです。
ただし、大きな声で激しく鳴いたり、威嚇しているような時は喧嘩なので怪我をする危険性があります。猫同士の喧嘩を仲裁するには、猫が嫌がる大きな音を立てるのが一番です。水をかけるのも効果があります。
まとめ
外へ行った猫が喧嘩をして怪我をすることがあります。室内飼いでも多頭飼いは喧嘩になることがあります。小さな怪我でも化膿したり、傷口から雑菌が侵入して感染症になることもあるので油断できません。
猫が外から帰って来た時や、室内の猫同士で喧嘩をした後は、怪我をしていないか、よく観察してみて下さい。怪我をしていたら、傷の種類や度合いによって応急処置をし、動物病院へ連れて行きましょう。猫が喧嘩で怪我をしないように、事前の対策も大切です。