猫が一日に必要な水の量を解説!飲まない時、飲み過ぎの時の原因

【獣医師監修】猫が一日に必要な水の量を解説!飲まない時、飲み過ぎの時の原因

猫が一日に必要な水の量はどのくらいなのか皆さんはご存じですか?猫に必要な水の量は猫の体の大きさや体重年齢や基礎疾患によるのですが全く飲まないのも逆に飲み過ぎるのも「病気」が原因の可能性もあります。そこで今回は「猫が一日に必要な水の量!飲まない時、飲み過ぎの時の原因とは」についてご紹介させていただきます。

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記事の監修

北里大学獣医学科卒業。埼玉県内の動物病院で勤務医をしながら教育・研究にも携わっており、大学では『伴侶動物の鉄代謝』をテーマに研究しています。『猫は小さな犬ではない』という格言のもと、何よりも猫ちゃんの健康と福祉の向上を一番に考え、日々の診療に励んでおります。

猫が一日に必要な水の量

器から水を飲む黒猫

猫が一日に必要な水の量はどのくらいなのでしょうか。猫の飲み水は、メモリがついていないものを使っていると一日にどれくらいの水を飲んでいるのかわからないですよね。

猫に必要な水の量を求める計算

猫が生活する上で一日に必要な水の量はおおよそ決まっており、健康な成猫であれば「1.2×70×(体重)の0.75乗」と言われています。この式でいう「1.2」のところは補正係数と言われ、猫の年齢や状態によって変動します。

この式は猫の1日のエネルギー要求量の計算方法なのですが、必要な水の量もこちらと同様になります。また、猫は飲み水以外にも、ウェットフードなどからも水分を摂取することができます。

そして、体重別のおおよその必要な水の量としては以下のようになります。

猫の体重 4kg 4.5kg 5kg 5.5kg 6kg 6.5kg
一日に必要な水の量 214ml 234ml 253ml 272ml 290ml 325ml

おおよそでありますが、このようになります。

猫には、飼い主さんが新鮮できちんと飲むことのできる飲み水を用意してあげる必要があります。もし、水を飲む量が足りているか心配であれば「目盛りがついているお皿」を使ってみても良いでしょう。

猫が水を飲まない原因と対処法

水の入った器の前に座る猫

猫が水をあまり飲まない原因やその対処法はどのようにすれば良いのでしょうか。

猫は砂漠の生き物だったから

猫の先祖はリビアヤマネコが有力と言われており、大昔は砂漠に生息をしていました。砂漠はあまり水のない環境だったので少ない水でも生き抜けるような身体になったと考えられています。

その名残からか健康な猫でも水を飲む機会が少ないときもあります。しかし、その他にも水を飲まなくなってしまう原因があり対処法とともにご紹介させていただきます。

器が嫌だから

猫は派手な柄の器に水が入っていたり形が複雑な器だったりすると水を飲むことを避ける可能性があります。

またその他にも水の存在に気づいていなかったり、器が気に入らなかったりして水を飲まないということがあります。このようなときは「器を変えてみる」ということをしてみましょう。

器を変えただけで、しっかりと水を飲んでくれるようになることもあります。

水が嫌だから

猫の飲み水はいつも新鮮な状態にしてありますか?猫が新鮮な水を飲めるようにこまめに取り替えてあげるようにしましょう。

基本的には、水道水で問題ありません。水道水をどうしても飲まないときには水を沸騰させて冷ましてから飲ましてあげたりするなどといった対処法をしてみると良いでしょう。

水を飲む場所が嫌だから

猫は水を設置してある場所が気に入らないことが原因で、水を飲まなくなってしまうことがあります。

このようなときの対処法としては、猫の水の飲み場所を変えてみたり複数箇所に飲み水を設置してみると良いでしょう。

食欲がないから

食欲がないときに水も飲まないということがあります。

また、歳をとって老猫になってきても水を飲む量が減ってしまいがちです。このようなときの対処法としては、猫が水を飲みやすいように近くに設置してあげたり、食事にウェットフードを取り入れてフードからも水分をとれるようにしたりして工夫をすることです。

猫が水を飲まなくなることで悪化する病気

獣医師に診察される猫

水を飲まないことによって病気を引き起こすきっかけになったり、既に持っている病気が悪化する可能性があります。

  • 慢性腎不全
  • 膀胱炎
  • 尿結石

などがあげられます。

慢性腎不全

慢性腎不全は猫の宿命とも言われる病気で、高齢の猫は非常になりやすいとされています。慢性腎不全は一度なってしまうと腎臓の機能を回復させることはできません。また、脱水を起こしやすくなる病気なので既に発症している猫が水を十分量飲まなかった場合、病状が悪化することがあります。

膀胱炎

その他にも膀胱炎を起こすきっかけにもなります。あまり水を飲まないと排尿の間隔が長くなり、膀胱に尿が溜まる時間が長くなります。そういった状況では細菌が増殖して炎症を起こしたりすることによって発症のきっかけになってをしてしまいます。

また、トイレを我慢してしまわないようにする対処法としてトイレを設置しているところに行きやすい環境作りをしてあげましょう。部屋を暖かくしてあげたり(特に冬場)、トイレまでの道のりを通りやすくしてあげるなどの工夫も良いでしょう。

尿結石

先ほどお話したように膀胱内に尿が溜まっている時間が長いと尿結石を作る原因にもなってしまいます。尿結石は、尿の中にマグネシウムやリン、カルシウムなどの成分が原因で結石ができてしまいます。

また、結石が原因で膀胱炎になったり、排尿時に痛がるようなこともあるのでそういった症状がみられるようであれば病院を受診するようにしましょう。

猫が水を飲み過ぎる原因と対処法

コップの水を飲む猫

猫が水を飲み過ぎている場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。

猫が水を飲まないのも心配ですが、ふと器を見ると空っぽになるほどたくさん飲んでいるということもありますよね。では飲み過ぎのときはどのような原因が考えられるのでしょうか。一般的に体重1kgあたり50ml以上飲むようであれば多飲とされています。

ここでは、猫が水を飲み過ぎのときの原因と対処法についてご紹介させていただきます。

慢性腎不全

猫が慢性腎不全になっていると、尿を濃縮できないため薄い尿を大量に排泄しなければいけません。

その分、たくさんの水を飲むことで補っているので多飲多尿という症状が出てきます。

また腎不全が進行してくると貧血によるふらつき、嘔吐や下痢、食欲不振などの症状が出てくることもあります。猫がいつも以上に水を飲んでいて違和感があれば、すぐに病院へ連れて行くようにしましょう。

糖尿病

猫も人間と同様に生活習慣病になります。血中の糖が一定以上増えると腎臓の濾過機能を超えて尿中に糖が出現します。

これが読んで字の如く糖尿病ですね。尿中に出現した糖は浸透圧の関係でさらに水を引きよせるので多尿となり必然的に水を飲む量も増えてしまうというものです。

猫の糖尿病は、肥満がリスクファクターとされているので体型には注意が必要です。対処法としてはキャットフードの与え方の改善や、普段からの運動を心がけることです。

クッシング症候群

脳下垂体や副腎の異常により副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されることで引き起こされる病気ですが、猫での発生は極めて稀です。

この病気になると食欲増進や多飲多尿になってしまったり、腹部がふくらんだりすることが症状として現れます。クッシング症候群になってしまうと、糖尿病を併発するリスクも高くなるので注意が必要です。

獣医からのコメント

同じような症状として食欲・元気増進するが体重減少、多飲多尿がみられることが多い病気として甲状腺機能亢進症があります。 猫での発生率はこちらの病気の方が圧倒的に多いので、高齢でこれら症状に当てはまるようであれば一度、動物病院に相談してみましょう。

長谷川 諒
ヤマザキ動物専門学校非常勤講師(薬理学)
獣医師
長谷川 諒

北里大学獣医学科卒業。埼玉県内の動物病院で勤務医をしながら教育・研究にも携わっており、大学では『伴侶動物の鉄代謝』をテーマに研究しています。『猫は小さな犬ではない』という格言のもと、何よりも猫ちゃんの健康と福祉の向上を一番に考え、日々の診療に励んでおります。

まとめ

蛇口から水を飲む猫

成猫の水を飲む量はおおよそ一日に「1.2×70×(体重)の0.75乗」で計算をすることができます。

猫は水を飲まない場合はもちろん、飲み過ぎている場合も病気が隠れているかもしれません。猫の水を飲む量が異常だったりしても、無理やり飲み水を減らしたりと制限せずにまずは動物病院へ連れて行ってあげるようにしましょう。

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