老猫にケージは必要?介護の時にあるといいもの

老猫にケージは必要?介護の時にあるといいもの

猫も年をとると、足腰が弱くなったり、目がよく見えなくなったりや耳が遠くなったりします。時には介護が必要になることも。そんな老猫を介護する際にケージはあった方がいいのでしょうか? 介護の際にあると便利なアイテムと合わせてご紹介します。

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記事の監修

北里大学獣医学科卒業。埼玉県内の動物病院で勤務医をしながら教育・研究にも携わっており、大学では『伴侶動物の鉄代謝』をテーマに研究しています。『猫は小さな犬ではない』という格言のもと、何よりも猫ちゃんの健康と福祉の向上を一番に考え、日々の診療に励んでおります。

老猫にケージが必要な場合もある

丸くなって眠る老猫

年をとって病気をして、体が弱ってしまった猫は、介護が必要になることもあります。あまり動かなくなってしまったとしても、少しでも居心地よく過ごしてもらいたいですよね。ただ、飼い主さんにとって少し困った行動をすることもあるので、ケージに入れた方がいいのではないか、と思うことがあります。ケージはかわいそうな気もしますが、老猫にとってもケージが必要になる理由もあります。

粗相を防ぐため

年をとって、猫が認知症などになってしまうと、トイレの場所がわからなくなってしまったり、トイレまで行くことができなくなり、所かまわずうんちやおしっこをしてしまうことがあります。

また、腎不全などでおしっこの量や回数が多くなり、粗相をしてしまうことがあるのです。どこで粗相をされるかわからない、というのは猫ちゃん自身にとっても飼い主さんにとってもストレスになります。

いつも猫が寝ている場所のそばにトイレを置いてあげると、粗相をすることも少なくなりますが、それでも別の場所でしてしまうことがあります。そんな時は、飼い主さんの負担を軽減するためにも、ケージを利用してもいいのではないでしょうか?

猫の安全のため

老猫は目が見えなくなりそこら中にぶつかったり、ふらふらとまっすぐに歩けなくなるというようなことも出てきます。家の中でも、怪我の心配がありますので、そういった時には、猫の安全のためにもケージに入れてもいいでしょう。

猫をケージに入れる際の注意点

ケージから顔を出す猫

老猫をケージに入れるのは、飼い主さんや愛猫のためでもあるとはいえ、ケージに入れられることに慣れていない猫にとっては、やはり大きなストレスになります。そういった猫をケージに入れるのは、短時間の外出時や、猫のそばにいてあげられない時だけにした方がいいでしょう。

ケージを置く場所にも気を遣いたいものです。夏場の直射日光の当たる所や、冷房の風が当たるような場所は避けましょう。夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるように工夫することも大切です。

夏場ならクールマット、冬なら毛布などを入れてあげましょう。ペット用ヒーターや湯たんぽを利用するのもおすすめですが、低温火傷には注意が必要です。寝床には、常に清潔なタオルを入れてあげます。タオルは猫用に多めに用意し、こまめに取り換えてあげて下さい。

猫のケージの選び方

ケージの中に入る猫

2段、3段になっているケージもありますが、老猫の場合は、高い所に上がれなくなっており、落ちてしまう危険性もありますので、1段のものを選びます。キャスターがついていると移動が便利で、掃除もしやすいです。食器や水入れ、トイレをそばに置く場合はトイレも入れられるスペースがあるといいでしょう。

猫の介護にあるといいもの

人と猫の手

介護が必要になった猫のために、用意すると便利なものがあります。お世話をする飼い主さんが使いやすく、猫も気持ちよく過ごせるものを揃えておきましょう。

オムツ

猫が寝たきりになると、まず問題になるのがトイレです。それまでは、自分でトイレに行けていた猫も、トイレまで行けずに粗相をしてしまったり、寝床で垂れ流してしまうことがあるからです。トイレまで行くことができなくても、自分で行こうとする猫なら、トイレを寝床のそばに置いてあげたり、ペットシーツを敷くなどしてみましょう。垂れ流してしまうようなら、オムツがおすすめです。猫用のオムツは、基本的には人間と同じような作りで、使い方も同じですが、しっぽを通すための穴が開いています。

自力でトイレに行ける猫でも、トイレの段差を上れない場合があります。そんな時は、段差を解消してあげましょう。猫のトイレ用のスロープも販売されています。

ウェットティッシュ

自分でグルーミングすることで体をきれいにしていた猫も、年をとるとなかなかできなくなり、汚れがちになります。ブラシで毛をとかしてあげたり、ウェットティッシュで体を拭いてあげましょう。

トイレの後のおしりまわりも汚れていることがありますので、確認して拭いてあげて下さい。ウェットティッシュは、拭いた後に体を舐めてしまっても安心なペット用のものがおすすめです。

介護食

猫も年をとると、少なからず歯周病が進行し、口が赤く腫れ上がったり歯が抜けたりします。胃腸の機能も弱って、それまでと同じフードを食べられなくなります。いわゆるウェットフードと呼ばれるペースト状やフレーク状のものが食べられるのであれば、そういったものを与えましょう。フレーク状のものが食べにくい場合は、高栄養の流動食など猫用の介護食も市販されています。

食器は台の上に乗せるか、脚付きの食器を用意するなどして高くしてあげると、老猫でも食べやすく、吐きにくくなります。

まとめ

ハートを抱く猫

猫をケージに入れるのはかわいそうな気もします。しかし時には、猫の安全を守るためのものにもなるのです。長時間ケージに入れておくのはストレスになりますから、時間を決めて入れるようにするといいでしょう。年齢に合った、清潔を保てるケージを選び、暑さや寒さ対策もしっかり行い、老猫が快適に過ごせる空間にします。

ずっと一緒に過ごしてきた愛猫。年をとっても、大切な猫です。動けなくなっても、気持ちよく日々を過ごせるようにしてあげたいですね。

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